So-net無料ブログ作成
検索選択
前の10件 | -

久米島ウミガメ館(沖縄・久米島) [水族館レポート]

不意に見つかる、見知らぬ水族館(相当施設)……
最初の頃は、「また知らない水族館見つけちゃった!!」と、ちょっとした喜びを憶えたものだった。
しかし、次々と見つかる未知の施設は、見えたと思ったゴールが、どんどん逃げていくようで、最近は「ええっ!! こんな場所にも水族館があるの!?」と、嬉しさだけでなく、小さくない落胆も入り交じったような、何とも言えない気分になる(笑)

オレをそんな気分にさせた施設が、久米島ウミガメ館。
その名の通り、沖縄の久米島にあるウミガメをテーマにした水族館相当施設だ。
どこにでもいるウミガメを見るために、わざわざ久米島まで行っていいものか!? という葛藤? の中、見つけてしまったものは仕方がないとばかりに、生まれて初めての久米島に行ってきた。
IMG_4420.jpg
久米島行きの飛行機には、夏期以外、羽田からの直行便がなく、那覇空港で乗り継ぎが必要。でも、那覇からはすごく近くて、30分ほど。離陸したと思ったら、もう着いた、みたいな感じ。

目的の久米島ウミガメ館は、島の東側の奥武島にある。島の西端にある空港からだと、反対側に位置している。空港からレンタカーでまっすぐ向かえば、30分もあれば到着できる。ウミガメ館の裏手には、亀石という観光スポットがあるので、路線バスでも行くことができるらしい。

外から見てる限りでは、こぢんまりした感じの建物なのに、中に入ってみると意外なほど広くてビックリする。
でも、空間は広くても、水槽は子ガメを展示した3つと、大きなウミガメたちが泳ぐ水槽の全部で4つだけで、館内の展示は、ウミガメに関するパネル展示と、久米島周辺で見られる貝類の標本が中心。

ウミガメ専門の博物館としては、掲示された資料や展示にやや物足りなさを感じたが、貝類の標本展示はなかなか面白かった。
LY5A5125.jpg
展示されているのはウミガメ館の周辺や久米島で見られるものなので、砂浜を歩いていた時に見つけた貝殻が何という種類のものだったのか、とか、こんなのが見つかるなら探してみよう、など、ウミガメ館を出た後の砂浜散策がより楽しめるようになる。
また、ここで展示されている貝類標本は、手に取って見ることができる。
こうした場所で展示された標本は、普通は見るだけのもの。手に取ったり、触ったりすると怒られる、みたいなイメージがあるが、ここでは“手を触れないで下さい”なんてどこにも書かれていない。書かれているのは“触ったら元の場所に戻して下さい”
お陰で、いくつもの貝殻を手に取って見比べられたので、砂浜散歩で拾った貝殻が何という種類なのか、すぐに見つけることができた。

肝心のウミガメの展示は、建物の最奥にある大水槽で行われている。
水槽は100tもの容量のあるかなり大きなもので、繁殖用の砂浜も付属した、屋内のウミガメ飼育槽としてはかなり立派でゴージャスなもの。
小規模施設に、それだけ大きな水槽があれば、水族館的な雰囲気も十分だ。

水槽内にはアオウミガメを中心に、タイマイ、アカウミガメと少しの魚たち。
広々とした水槽の中、のんびりと泳いでいるカメたちの姿は、ゆったり気持ちよさそうで、見ているこちらまでのんびりゆったりした気分になってくる。
カメたちも概ね愛想が良くて、ガラスの前に立っていると、近寄ってきてこちらを覗き込むようなそぶりを見せる。
LY5A5138.jpg
広々とした館内には、オフシーズンの平日ということもあってか、他のお客は少なく、そんな中でカメたちを眺めていたら、何となくこちらもゆるりとした気分になってくる。こんなにゆったりとした気分で、カメを眺めたのは初めてかも知れない。
リラックスした気分で、目の前を行き交うウミガメたちを眺めるのが楽しく、というか気分がよくて、気付くと満足してる、そんな感じ。そういう意味では、癒し系施設だと思う。

とは言え、ここで見られる3種のウミガメは、ウミガメがいる水族館でならほぼどこででも見られるし、ここにしかない的なものはないので、珍しいものが見たい!! という人にはオススメしにくいが、久米島に行ってみたい、とか、久米島に行く予定があるなら、是非、足を運んでみて欲しい。


どうせ久米島まで行ったなら、ついでに久米島ホタル館へ寄ることもオススメしておきたい。
名前はホタル館だけど、ホタルを展示している訳ではなく、久米島の生き物や自然を紹介する自然博物館で、生体の展示も行われている。その中には、多くはないが魚もいて、展示水族をすべて合わせれば、そこそこのボリュームだ。
IMG_4435.jpg
水族館ではないので、大きな水槽はないけれど、入館はたったの100円だし、ホタル館のスタッフの人が久米島のホタルについて解説してくれたりと、なかなか盛りだくさん。
久米島ウミガメ館とセットで回れば、久米島の生き物についてはかなり広範囲で見て、知ることができるのではないだろうか?
LY5A5226.jpg
ホタル館はウミガメ館と空港のちょうど中間あたりの位置にあって、フェリーの港にも近い。つまり、ハシゴもしやすいというワケだ!!

東京基準に考えた時、距離的にはこの久米島ウミガメ館が“もっとも遠い水族館”だと思ったのだけど、残念ながら、さらに遠くに水族館を見つけてしまった。
その水族館のレポートについても、またいずれ。
それにしても、オレの水族館巡りは、いつ終わりになるんだろう……

沖縄美ら海水族館の気になる魚 Vol.7 [海の魚]

今年の水族館初めも、沖縄美ら海水族館からだった。
イトマキエイやマンタの話をしているので、今さらな感じだけれど……(汗)
いつもとは違い、今回の沖縄行きは水族館が目的ではなかった。でも、オレが沖縄まで行って、美ら海水族館に行かずに帰ってくる、なんてことはあり得ない!!
行ってしまえば、やっぱりいろいろと楽しくて、イトマキエイやマンタ以外にも驚きがあって、すっかり満足して帰って来られたのでした。

今年最初の美ら海水族館で、オレを一番驚かせてくれたのがオキナワオオタチ。
LY5A6701.jpg
4年もの歳月を掛けて展示に漕ぎ着けたという、沖縄の深海に住まう巨大タチウオ。
最大2mにも達するとかで、その大きさから釣り人にはメガタチなんて呼ばれているらしい。

実物を見て思うのは、デカイ!! のひと言に尽きる。
LY5A6430.jpg
水族館まで運んでこれるくらいのサイズなので、オキナワオオタチにしては驚くほどのサイズではないのかも知れないけれど、それでも1m超の大きさは、一般的なタチウオと比べると相当大きい。生きたタチウオを見たことがある人なら、余計にその大きさに驚けるのではないだろうか?

動画(ほぼ動かないけど)
https://www.youtube.com/watch?v=F9OcJwbklhQ

食材としてはよく知られたタチウオが、水族館であまり見られないのは、輸送や飼育が難しいから。もちろん、オキナワオオタチも例外じゃない。むしろ、その大きさが輸送をより難しいものにするのだろうと思う。
昨年の末頃にも展示されたことがあったようなのだが、その時はごく短期間で展示が終了してしまっていた。しかし、深海担当のスタッフ氏たちはそこで終わりにはしなかった。引き続きチャレンジを続け、前回を上回る規模で再展示を実現させた。

展示個体は1匹ずつ、釣りで採集され、餌付いたものから展示水槽へ。
LY5A6586.jpg
展示されている水槽は、それまで深場の魚たちが展示されていた水槽。マンボウ水槽のようなビニールフェンスが設置され、擬岩や底砂も取り出され、水槽の雰囲気はそれまでとガラリと変わっていた。
以前の展示の時には、薄暗い水槽ということもあってか、それほど水槽前が混雑する印象がなかったのに、水槽の住人がタチウオに変わった途端、やはりその巨大さが目を引くのか、はたまた圧倒的な珍しさからなのか、水槽の前には人だかりが絶えなくなった。
個人的には、元々の住人たちも好きだったから、それらに会えないのはちょっと残念に思う部分もあるけれど、誰が見てもひと目で“スゲェ!!”と思える巨大タチウオは、美ら海水族館ならではの新しい見所と言っていい。

いずれにしても、飼うのが難しい魚であることは間違いないので、興味があるという人は、できるだけ早く見に行くことをオススメしておきます!!

オキナワオオタチがいる深海エリアを抜けると水族館の出口ゲートが出てくる。その先のお土産ショップを抜けて、エスカレーターを下ったところにある水槽をご存じだろうか?
これまでヒラアジ類の幼魚が泳ぐ、これまた個人的には結構お気に入りの水槽のひとつだったのだけど、その水槽が久しぶりに展示替えがされ、新しい住人としてミズンが搬入された。
LY5A6499.jpg
ミズン? 簡単に言えば、沖縄のイワシ。
マイワシと比べると、体高が高く薄っぺらな体型で、色や柄もなく銀ぴか。そのため、イワシというよりはサッパに似てる。
そのため、既視感があったりする…… のだけど、関東はおろか、本州では見られない魚なので、沖縄の人以外からすれば、見慣れない珍しい魚だ。

以前、危険ザメ水槽で展示されていたこともあったので、見たことがある人もいるかも知れない。でも、小さな小魚だから、大きなサメ水槽で見るよりも、この水槽での方が、どんな魚なのかはよく見えると思う。
なお、この水槽がある美ら海プラザは、水族館に入らなくても無料で入れるので、ミズンだけは“タダで”見ることができる。

余談ながら、地元では“みじゅん”と呼ばれていて、標準和名もそれに由来するものだと思うのだけど、オレもミズンよりみじゅんの方が好き(笑)


オキナワオオタチやミズンは、目を引く展示だから、見る人も多いはず。
だが、その水槽の中の1匹、みたいな、注目されなさそう? なものにスポットを当てるのがこのブログなので? そんな1匹も。
大水槽へと至る、サンゴ礁エリアの個水槽。その中にクマノミとヘコアユが泳ぐ水槽がある。
クマノミが暮らすイソギンチャクがちょうど水槽の中央に配置されていて、子供を中心に「あっ!! ニモ~」という声とともに人だかりができる人気の水槽だ。
ひねくれ者のオレは「そんな水槽には用はないぜ!!」と、素通りしてた。そもそも混雑していて近づきにくいしね。
でも、ある時、水槽の前を通った時、変な動きをしているヘコアユの姿が目に入った。
何だ? どうなってるんだ? と水槽に近づいてみたところ、変な動きをしていたヘコアユはヘコアユではなく、カマスベラの幼魚だった。
LY5A6776.jpg
色といい、形といい、遠目から見ればヘコアユに見える。おまけにこの個体は大きさもヘコアユ級だったから、もしかして、小さい内はヘコアユと混棲してるの? みたいに思ったくらい。実際はどうなのかは分からないけれど……

これ、狙ってやってるんだとしたら、この水槽の担当の人、スゲェなぁ、と。

と、こんな感じで、水槽担当者のこだわりを感じられる? 美ら海水族館の水槽・魚 3選、でした。

イトマキエイ展示開始@沖縄美ら海水族館 [エイ]

沖縄美ら海水族館の大水槽では、昨年10月頃から、イトマキエイ(モブラ)を展示している。
LY5A5549.jpg
美ら海水族館ではこれまでも、イトマキエイの搬入、展示が何度か行われていたようなのだけど、いずれも長期飼育にはつながらなかったのか、少なくともオレは1度も(美ら海水族館では)見たことがなかった。

イトマキエイの飼育、展示を行っている海遊館で聞いた話では、輸送が難しいそうで、生かして水族館まで運べても、その後、餌を受け付けなかったりして、長期間の飼育に結びつけるのが簡単ではないらしい。
美ら海水族館でも、それまでとは違う輸送や、餌付けの方法が編み出されたことが、今回の展示につながったのだろう。

と、ここまではオレの推測だけど、展示されている水槽からは“何があっても成功させる”みたいな気概? が感じられるのだ。
と言うのも、大水槽で展示されている多くの魚種の内、そのいくつかが見当たらないのだ。
これまで、いつ行ってもいたはずの、言わばレギュラーメンバーが、である。
これも、イトマキ対策らしいのだ。と言うのも、大水槽で泳いでいるイトマキエイはかなり小さな個体なので、大きな魚が数多く泳ぐ大水槽では、捕食されることはなくても、ちょっかいを出すようなヤツもいるかも知れない…… というワケで、その可能性がありそうな魚たちはすべて移動されたというほどの念の入れようなのだ。
そんな至れり尽くせりな待遇に気をよくしてなのか、大水槽の中を機嫌よさげに泳ぐ様子を見ることができる。
LY5A6902.jpg
それを眺めていると、綺麗だなぁ~、可愛いなぁ~ とニヤけてしまうのだけど、いかに綺麗で可愛くて、いつまでも眺めてたくなる…… としても、それだけじゃ驚けないのである!!(なんか無理矢理・汗)
だって、イトマキエイは海遊館でも見ることができるし、そのお陰でオレは何度か見たことがあるからだ。

でも、美ら海水族館にはそこならではの、イトマキエイの楽しみ方ができるのだ。
それは、今回の展示で初めて可能になった、マンタとの直接比較
かつて海遊館でも同じ水槽で2種類が展示されていたことはあったけれど、水槽が仕切られて、それぞれ別の場所にいたので、直接見比べることはできなかった。
オレはどちらの種類も見ているけれど、同じ水槽でじっくり見比べたのは初めて。意外なくらい違いがあることを発見できたことが面白かった。
LY5A5523.jpg
すぐに分かるのが、泳ぎ方の違い。
イトマキエイは鰭を上に向けたバンザイ状態で漂うように泳ぐことが多いけれど、マンタはほとんどそれをしない。
また、頭鰭をダラリとしたまま泳いでいることが多いマンタに対し、イトマキエイは常にきちんと巻いた状態で泳いでいて、頭鰭を開くところはなかなか見られない。
LY5A6458.jpg
イトマキエイ(開いた瞬間)
LY5A6322.jpg
マンタ(ブラック

また、マンタは連れ立って泳いだりすることがよくあるのに、イトマキエイとランデヴーすることはなく、逆もまた然り。
人の目にはよく似た姿形の両者だが、当のエイたちにとっては他人であることをきちんと認識しているようなのだ。

先週のブログで、11時半からの水中給餌の話をしたけれど、そこでは両者の異なる餌へのアプローチの仕方を見ることができる。
マンタは餌に突進すると、その場でグルグル宙返りを始める。だが、イトマキエイはというと、勢いよく突っ込んでくるまでは同じなのに、その場でグルグルすることはなく、そのまま通過していき、再アプローチする…… みたいな感じ。
身体能力的にはグルグルもできそうなのに、それをやらないのはそういう習性なのか、はたまた、自分よりはるかに大きなマンタに遠慮してなのか。
これはまた次の機会に、じっくり観察、だな。
とは言え、エイの人気は、例えそれがイトマキエイやマンタとは言え、サメほどの人気はないから、こんな楽しみ方ができる人は、そう多くないのかも知れないけれど……

まだ飼育、展示が始まって日が浅いし、小さな個体が1匹展示されただけなので、何とも気が早い話だけれど、将来的な繁殖や、複数個体の群泳、あるいは同属他種の搬入なんかにも期待してしまいたくなる(笑)
似たような形をしたマンタでは、飼育、展示だけでなく、現在はストップしているけれど繁殖にも連続成功しており、大水槽には水槽産まれの個体が泳いでいるし、他にも珍しい黒色個体(ブラックマンタ)の展示など、とんでもない実績を持ってる美ら海水族館だからこそ、期待しちゃうのである。

自然さながら マンタの摂餌シーン@沖縄美ら海水族館 [エイ]

今さらですが、あけましておめでとうございます!!

携帯サイトとの棲み分けの難しさから、あるいは苦労して撮った写真をパクられまくるのにうんざりしていたりと、ブログの更新を長らく休止していました。
このまま止めてしまおうかなぁ、なんてことも考えたりしたのですが、更新を待ってくれてるようなことを言ってくれる人が、意外にもいてくれたりして、そんな声に後押しされ? 久しぶりの更新。
何だか調子づいてますなぁ、我ながら(汗)

久しぶりの更新だけに、一発目はやっぱり美ら海水族館のマンタの話だろう!! という訳で、その話。

水族館や動物園の話題メディアで扱われる時、しばしば聞かれるようになった言葉が「行動展示」というフレーズ。
その生き物が本来持った能力を見せる展示のことだが、水族館でもそんな展示を行う施設が増えているような気がする。
例えば、美ら海水族館のジンベエザメの垂直採餌なんかはまさにそれ。
そこに加えて、マンタでも自然下さながらの摂餌シーンが見られるようになったのだ。
LY5A6479.jpg
美ら海水族館のマンタの給餌は、ジンベエザメに給餌が行われる15時と17時の前後に行われている。
だがそれは、水槽の両端で柄杓を使い、水面に餌を流すようにして与える飼育下ならではの給餌法。水槽出口側のアクアルーム(トンネル状になった部分)から見上げれば、その様子を見ることができるが、それは別に驚くようなものじゃない。

マンタは泳ぐ勢いを利用して餌を口の中へと押し込むので、餌の密度が高い場所では、その場に長く止まりつつ、かつ、餌を効率よく口へと押し込むため、その場でグルグルと宙返りを繰り返す。
エアーレーションなどの泡に向かって、グルグルする様子は水族館でも見られることがあったが、グルグルしながら餌を食べる様子はこれまで見ることはできなかった。
そこで、飼育スタッフ氏たちは考えたらしい。どうにかしてマンタ本来の摂餌シーンを見せられないものかと。

そこで考案された結果が、11時半から行われている水槽解説で披露されている。
勢いよく水中へと突き出される棒の先に、餌の入った袋が付いていて、それが水中で傘が開くように開き、中の餌が水中へ撒かれる。
LY5A6983.jpg
餌は一気に水中へと広がらず、しばらく密度の高いまま漂っているので、そこに水槽の中で暮らすマンタたちがその場へ急行し、一斉にグルグルと宙返りを始める。

ひところに4匹ものマンタが集まってきて一斉にグルグルし始める。しかも、その他の個体を避けながら、器用に、しかもすごい勢いでグルグルする様子は、海での生態を知っていようといまいと、素直に“凄い!!”と思える。
LY5A6476.jpg

動画
https://youtu.be/ZRDOCEL7Reg

ここで興味深いのは、グルグルするマンタに対して、イトマキエイ(モブラ)はグルグルしないこと。
美ら海水族館の大水槽には、現在、イトマキエイも泳いでいるのだ!!
LY5A6492.jpg
よく似た両者なのに採餌スタイルは違っているようで、餌に対して勢いよくアプローチするまでは同じなのに、モブラはグルグルはしない。そんな違いが目の当たりにできたことも、個人的には大きな収穫だった。
イトマキエイの話については、この次のブログで!!

ただ、ひとつ問題? があって、このマンタの給餌が行われる水槽前解説が11時30分から始まること。
11時から始まる、オキちゃん劇場のイルカショーの初回と時間が被ってしまうのだ。
イルカショーが終わってすぐ、慌てて大水槽の前まで戻ってくればギリギリ間に合うか? 時間に余裕がある人はイルカショーは次回(13時~)を見に行ってもらうことをオススメしたい。だって、マンタのこの給餌は、11時30分からの給餌解説の時だけだから。
バスツアーとかで、時間に限りがある人には、どちらを取るか悩ましいところ、かも知れない。

個人的にはオキちゃん劇場のイルカショーも見逃して欲しくはないけれど、マンタの摂餌シーンは一見の価値大ありだから、時間がない人は、覚悟を決めてダッシュ、かな?

復活!! もぐらんぴあ (岩手) [水族館レポート]

ゴールデンウィークを目前に控えた4月23日、岩手県久慈市のもぐらんぴあがオープンした。
5年前の大震災で壊滅的ダメージを受け、閉館を余儀なくされてしまった水族館が、5年の歳月を経て、以前と同じ場所で再オープンを果たしたのだ。オープンというより、復活と言った方が相応しいだろうか?
IMG_3930.jpg
あれだけ大きな被害だったのだから、同じ場所で復活することはないだろう。そんな風に思っていた。
実際、震災後は久慈の市街で「まちなか水族館」として営業を続けていたから、そのまま続いていくのだろうな、と。
しかし、もぐらんぴあに関わる人や、久慈の人たちは、遠くで甘っちょろく考えていたオレとは違い、同じ場所で復活して見せた。
その強い思いと情熱には、ひたすらに頭が下がる思いだ。

もぐらんぴあに行ったのは実は今回が初めて。
だから、震災前の施設と比べて、という話はできないのだけど、行ってみて驚いたのは、その水族館がある場所だった。
もぐらんぴあは久慈市の国家石油備蓄基地の作業用トンネルが水族館に転用されてできた水族館なので、その名前の通り、トンネルの中にある。
それは聞いて知ってはいたけれど、大きくくり抜かれた岩盤のトンネルを目の当たりにすると「よくもまぁ、こんな所に水族館を作ったもんだなぁ…!!」と驚かずにはいられなかった。
トンネルと言っても、大きな重機が入れるほどの広さがある広大な空間。むしろ、心地よい暗さと、少しひんやりした空気。そして静けさ。
水族館としては、ここ以外にはない環境は、意外性というのか、新鮮な印象?
LY5A7703.jpg
水族館としての展示は、石油備蓄基地関連の展示を経た先にあって、まずは地元、久慈の海を紹介するコーナーから始まる。
震災前と復活後の両方に行ったという知人の話では、展示内容等も含め、大きくは変わっていない、というか、ほぼ以前のままに復活しているそうだが、このエリアは再オープンで新しく作られた水槽なのか、どれもピカピカ。
一番大きな久慈の海水槽では朝ドラで有名になった? 北限の海女や南部潜りの実演(土日祝のみ)も行われるらしい。
人が入って動き回るには、ちょっと狭いんじゃない? みたいにも思えたのだけれど、オレが行った平日にはその実演はなく、見てはいないのだけど……

トンネルはY字状に掘られていて、奥へ奥へと進んでいく感覚も何となく探検しているようで楽しい。
それなりに大きいとは言っても、そこは山をくり抜いたトンネルだから、水族館としての規模はそれほど大きくはない。
しかし展示は、南の海から深海、クラゲまで揃っていて、しっかり水族館、という印象。
とりわけ、加茂水族館からやって来たクラゲの綺麗さと、ダイオウグソクムシには驚いた。
LY5A7792.jpg
ダイオウグソクムシがいること自体が驚きだが、それが複数匹いて、しかも比較的明るい水槽で展示されていて見やすい。筆者の知る限り、日本で一番ダイオウグソクムシが見やすい水族館ではないだろうか?
LY5A7736.jpg
トンネルの奥深くにあるメインのトンネル水槽には、あの震災を生き抜いたことで有名になったアオウミガメの「かめ吉」も戻ってきていて、新生もぐらんぴあのイメージリーダーとして来館者の人気を集めていた。
LY5A7728.jpg
でも、館内通路の壁には“ここまで津波が来ました”と塗り分けられていたりして、それがオレの身長よりも上だったりするものだから、その時の恐怖が想像できるようで、ここから復活したんだもんなぁ…… と感慨深く思わされた。

水族館巡りの話(やや愚痴) [雑談]

「日本の水族館、回ったろうじゃねぇか!!」と決意してから、今年で10年め。
元々、仕事であちこち行くことは多かったと思うのだけど、水族館巡りを始めてから、ホント、いろいろな場所に出掛けていった。
水族館というきっかけがなければ、一生行く機会がなかったような場所もあったのだろうし、まったく知らなかった場所を見ることができたという意味でも、よかったんだろうなぁ、と思っている。
お陰で、旅行スキルがものすごく高くなって、遠征を始めた頃と比べると、よっぽど少ない経費で出掛けられるような自信が付いた(笑)
IMG_2148.jpg
でも、巡った数は100と少しと、全国制覇を目的としているにしては、かなりのスローペース。
初訪問以降、定期的に行くようになってしまった園館も少なくないから、いつまで経っても先に進めなかったりしているのも理由だ(笑)

ちなみに、オレが定義してる水族館とは、水族(魚、鯨類、鰭脚類、ペンギン、水生両生爬虫類)をメインで展示している施設。
できれば移動できない作りの水槽があって欲しいが、ない場合でもそれが水族館と呼ぶに相応しいと感じられれば、水族館としてカウントしている。
また、中村元氏のガイドブックには水族館として載っているけれど、旭山動物園など水族館的な展示をしていても動物園はカウントしていない。キリがなくなるからね。
でも、イルカショーや国内屈指のペンギン展示を行っているアドベンチャーワールドは、動物園だけれど水族館としてカウントしている。
まぁ、こんな感じの“オレルール”の中で全国を巡ってきたのだけれど、あとはこことここに行けば、ひとまず終了。と、ゴールに設定していた数は概ね115館くらい。

でも、訪問園館数が100を超えたことで、ようやくゴールが見えてきたかな、なんて思っていたのだけど、それがそうでもないようなのだ。
つい先日も、これまた遠くに知らない施設を発見してしまった。

そういうことがある度に思う。日本の水族館っていくつあるのよ? って。

これね、TV局の人とかからもよく聞かれたりするんだけど、120くらい、とか120以上、とかしか言いようがないよね。オレだってちゃんと把握できてないんだから。
JAZA加盟施設だけなら62だけれど、その中には誰がどう見たって水族館な海きららが含まれていなかったりと、こちらもあんまりアテにならない数字だったりする。

次々と見つかる見知らぬ水族館(的施設)を、どこまで回るべきなのか、というのは頭の痛い問題だ。
そうした見知らぬ施設の多くは、遠く、行きにくい場所にあったりすることも多く、行くための経費や時間も切実だ。
それでも、そうした出費や時間を捻出して出掛けるだけの価値があるなら、それでもいい。
しかし、これまでの経験では、ここまで来てこれかよ…… みたいに思わされることもしばしばで、それがまた、そうした施設に足が向きにくくなる理由にもなっている。
それがまだ、水族館が関係なくても行きたくなるような、例えば南の島のような場所ならいいのだけれど、特別な興味、関心がない地域だったりすると、いずれ、また…… 
IMG_1266.jpg
水族館情報の提供は、オレの仕事の一部にもなっていたりするから、情報が不足気味なそうした施設に足を運ぶ意味はあるんだろうなぁ、と思う反面、ニーズあるのかな? という不安が、そこに行くための出費を思いとどまらせる。

マニアックな見方を紹介する内容ではなく、水族館自体がマニアックな施設を紹介する「マニアック水族館ガイド」とか「日本全国 こんな所に水族館!!」みたいな本の企画書でも作ればいいのかしらん?
興味があるという媒体様からのご連絡、お待ちしています!?
タグ:水族館

コバンザメ可愛い!!@奄美海洋展示館 [海の魚]

奄美海洋展示館でもっとも印象に残ったもの…… それはコバンザメだった。
LY5A6423.jpg
珍しい種類でも、スペシャルな個体でもない、どこの水族館でも見られるごく普通のコバンザメだ。

何で!? と思われるかも知れない。逆の立場ならオレだってそう思う。
理由は簡単。可愛かったから。奄美海洋展示館はコバンザメが可愛く見える水族館だった。

コバンザメって、一般的にあまりいいイメージのない魚なのだろうと思う。
例えば、美ら海水族館のジンベエザメにくっついた沢山のコバンザメ。危険のない環境の中、はち切れそうな腹を上に向けて、泳ぎもせず運ばれているだけ…… そのあまりに不格好な見た目もあって、いい印象はなかなか持ちにくいものだ。
しかし、奄美海洋展示館の大水槽にいた2匹のコバンザメたちは、そんなイメージを覆し、実はとても可愛い魚であるということを教えてくれた。

奄美海洋展示館の大水槽にはコバンザメがくっつけるような大型魚がいない。
唯一くっつけそうなアオウミガメもさほど大きくないので、くっつこうと近付いてもそれを許してくれない。それどころかカメたちはコバンザメが近付くと口を開けて噛もうとする。
それでいて、壁などに張り付いてジッっとしているでもなく、水槽内をスイスイ回遊するように泳ぎ回っている。
水族館のコバンザメというと、大抵太りすぎて不格好だけれど、ここのはスリムで綺麗な体型を維持している。

ひとつ前のブログにも書いたように、奄美海洋展示館では大水槽のアオウミガメにおやつのレタスを与えさせてくれる。
LY5A6413.jpg
だから、人を見つけると、アオウミガメたちは必死の形相で集まってくるのだけど、それにつられて? 魚たちも集まってくる。
その中には件のコバンザメもいるのだが、水槽に投げ入れているのはレタスである。
寄ってきてもお前には関係ないよ…… と、近寄ってきたカメの前にレタスを投げ落とすと、コバンザメがそれをかすめ取っていった。
リアクションバイトかと思いきや、驚いたことに、吐き出すことなく、本当に食べてしまったのだ!!
コバンザメがレタスを食べるなんて聞いたことがないし、そもそも、コバンザメに草食性はないはずだ。
何かの間違い? 再びコバンザメにレタスを投げると、やっぱり食べる。
その度に“ええっ!! 食べた”と驚いていたら、そこにいた飼育スタッフ氏が「ウチの魚は何でも食べるんですよ」と、レタスの破片を投げてみせる。
すると、コバンザメ以外のイシダイやベラ類など、コバンザメ同様、普段は藻類などを食べなさそうな連中までレタスを食べる。
そんな意外な光景が驚きで、おかしかったから、カメのためのおやつだというのに、細かくちぎっては魚に投げるを繰り返してしまった(笑)
でも、カメとは違い、集まってきた魚たちも、好きこのんでレタスを食べていた訳ではないようなのだ。

閉館が迫り、魚たちの給餌の時間にそれが発覚した。
餌はごく普通に? オキアミなど。水槽に餌が撒かれると、コバンザメたちも他の魚と争うようにそれに群がる。
LY5A6467.jpg
そこにレタスが落ちてきても、カメ以外は見向きもしない。目の前に落ちてきても素通り。
オキアミの小さな破片には反応するのに、だ。
好きな餌、というか、本来食べているものがあるのなら、やっぱりそちらがいいようだ(笑)

魚たちの給餌時間が終わり、散会した後も、その場で眺めていたら、水槽内をそれまでと同じように泳いでいたコバンザメが寄ってきて、こちらの顔を覗き込むようなそぶりを見せる。
それも1度だけではなく、遊泳コースの途中、ほぼ毎回、こちらの顔を覗き込んでから泳いでいくのだ。何かしら気になることがあったのだろうか?
LY5A6452.jpg
どういう意図だったのかは知る由もないが、しばらくそんな様子を見ていたら、コバンザメが何だか犬のように思えてきて、「コバンザメ、可愛い!!」となったという訳だ(笑)

奄美海洋展示館のアイドルは、アオウミガメで間違いない。そこに異論はないけれど、個人的にはこのコバンザメを推したい!!
オレの知る限り、日本で一番可愛い? コバンザメがいるのはここだと思う(笑)

奄美海洋展示館(鹿児島・奄美大島) [水族館レポート]

日本には大小合わせて100以上の水族館が存在していて、その数はまだまだ増えつつある。
そのため、“こんなところにも水族館があるの!!”と驚かされることも多く、そんな知られざる水族館もまだまだ沢山あったりするんだろうなぁ…… と、ちょっぴり途方に暮れていたりするのだけど(笑)、その存在を知って“こんな所にも!!”と驚かされたのが、奄美大島にある奄美海洋展示館だった。
IMG_3763.jpg
その存在を知って、実際に行くまで、しばらく時間が掛かった。
水族館そのものはおろか、まず奄美大島自体の情報が少ないのだ。ネット検索しても、大きな書店に行ってガイドブックを探してみても、屋久島のオマケみたいに紹介されている程度。
件の施設のHPを見てみても、得られる情報は多くなくて、ホントにあるの? みたいな不安も少々……
という訳で行ってきました奄美大島。と言っても、実際に行ったのは4ヶ月前のことなんだけどね(汗)

目的の水族館である「奄美海洋展示館」はレンタカーで空港から約1時間ほど。奄美大島最大の街である名瀬の市街地から15分くらいの所にある大浜海浜公園の中にある。
ウミガメが産卵にやって来るという広大な砂浜、大浜海岸が目の前に広がる、とても素敵な場所…… なのだけど、オレが行った日は生憎の雨。
奄美大島は雨が多いらしい。
雨でも十分に素敵だったけれど、晴れた日ならではの素晴らしい景色も堪能したかったなぁ、と。

入館すると、展示館最大の水槽である奄美エコラマ水槽という大水槽に出迎えられる。
LY5A6392.jpg
砂浜から深場に至る奄美大島の海の環境を再現した水槽で、入り口正面部分が深場。水槽を囲むように配置された階段を上がりながら、サンゴ礁、浅場、砂浜と変化する環境が見学できる。

水槽内には、奄美の海に住む魚たちと3匹のアオウミガメが泳いでいるが、水槽の大きさに対して、魚の数はやや少なめ。色とりどりの魚たちが群れ泳ぐといった“南の海の大水槽”的な雰囲気ではないものの、中で暮らす魚にとってはゆったり広々。きっと快適に違いない。
数が少ない分、魚たちの愛想はよく、水槽に近づくと一斉に集まってきたりする。
また、3匹いるウミガメにはおやつのレタスを与えさせてくれるので、人を見ると必死なくらいに? 集まってくるので可愛い。まさにここのアイドル的存在だ。
LY5A6414.jpg

このエコラマ大水槽以外にも小さな水槽がいくつかあって、やはり奄美大島周辺に生息するエビやカニ、淡水魚なども展示されていた。
ただし、そこにいるのは比較的よく見る普通の種類が中心。奄美ならではの珍品、みたいなものがいたりする訳ではない。
だが、ネット検索して行った人のレポートなどを見ていると、オレが見たものとは違ったものが展示されていたという話もあったので、定期的に変更されたりしているのかも知れない。
LY5A6445.jpg
この施設、ここでは“水族館”として紹介しているが、必ずしも水族館ではない。
そもそも、施設の名称も水族館ではなく、海洋展示館となっていることからも分かるように、奄美の海をさまざまな角度から紹介する博物館なのだ。
館内にはパネルや模型などを使った博物館的展示もあり、水槽展示はあくまでそうした展示のひとつという位置づけだ。
そのため、水族館展示としては、ほぼ大水槽がすべて。
大水槽の住人はフレンドリーだから、カメや魚とおやつのやりとりをしているだけで、結構な時間が楽しめたけれど、先にも書いたように、規模は小さな施設だし、ここでしか見られないようなものもない。
だから、ここに来るためだけに奄美大島まで来ることはお薦めしない。

でも、奄美大島に来てみたい、とか、奄美大島に来る予定があるという人なら、是非、足を運んでみるといいと思う。
海洋展示館のある大浜海浜公園はしゃがみ込むだけで自然観察ができちゃうようなとても素敵な場所だし、展示館の展示を見れば奄美の海を深く理解できるような気分になれる。
オレはこの海洋展示館を目的に奄美大島まで出掛けたけれど、この海洋展示館がなければ奄美大島に来ることはなかったはずで、未知の奄美大島まで行くきっかけになってくれたことは結果的に感謝したい。

IMG_3770.jpg
ずっと雨だったけれど、奄美大島、いい所でした。
また行きたいなぁ、と思ってるくらい。
奄美にもう1度行ったなら、海洋展示館にはもちろん寄るけどね。

琵琶湖博物館のバイカル湖の魚たち [淡水魚]

バイカル湖について知っていること……

ロシア南東部に位置し、面積がほぼ九州に匹敵する大きさであること。
世界一古い古代湖で、固有種が沢山いること。
世界一深い湖で、透明度も世界一らしいこと。
世界遺産に認定されていること。

くらい、だろうか?

とは言えそれらも、どこかで聞きかじってきたくらいの話で、具体的にどんな場所にある、どんな湖なのか。
沢山いるという固有種がどんなものなのか。
ほとんど何も知らない。

数少ない“知っていること”が、固有の淡水アザラシであるバイカルアザラシ。
日本でも見られるそれこそが、オレが知るバイカル湖のほぼすべて。
遠く、情報もほとんどない湖に産するそれらが、日本で見られること自体驚きなのだけど、バイカルアザラシに関しては不思議と飼育、展示している水族館が多く、見ても驚かないくらいには見知った存在になってる。
しかし、それ以外はというと、せいぜいバイカルチョウザメを見たことがあるくらいで、限りなく未知の湖だ。

そんな知らない尽くしのバイカル湖から、琵琶湖博物館にやって来た生き物たち。

以前、洞庭湖の魚たちが展示されていた3つの水槽と、新たに作られたバイカルアザラシ用の水槽の4つで展示されている。
そこで泳ぐ魚とヨコエビは、オレも含めたほとんどの日本人にとっては初めて見るものばかりのはず。
それらのいくつかはバイカル湖の固有種、なのだけど、寒い地方の淡水魚なので、言うまでもなく地味。しかも、サケ科、コイ科、カジカなので、どれもこれも、一見するとどこかで見たことがあるような見た目。しかし、じっくり眺めてみると“こんなの見たことない!!”馴染みのない姿形であることに気付かされる。知っている何かと似ているようなのに、やっぱり知らない、そんな感じ。
久しぶりに魚見てドキドキしたわ(笑)

目玉、というか、バイカル湖展示の象徴的存在は、見た目のインパクトも強烈な大型ヨコエビ、アカントガンマルスで間違いない。
しかし、同じくバイカル湖からやってきた魚たちの存在も忘れて欲しくない。
現在、琵琶湖博物館で見られるバイカル湖産の魚類は、リニューアル前から展示されているバイカルチョウザメと、3つの水槽に別けて展示されたバイカル湖の魚たちの内訳はサケ科3種類、コイ科2種類、カジカの仲間4種類と淡水タラ。全部で11種類を見ることができる。しかもそのその内の4種類がバイカル湖の固有種だ。

それらの中で、琵琶湖博物館、というか担当学芸員氏のいち推しはサケ科のオームリ。
LY5A9910.jpg
小さな口と銀色の細長い体。よく見知ったサケ・マス類とはまったく違っていて、ワカサギとかコイ科魚類風な姿形をしているけれど、ちゃんとサケ科魚類。ちなみに、同じコレゴヌス属の魚としては、ユキマスという名前で日本にも移入されている。
いち推しされている理由は、琵琶湖博物館の学芸員氏の言葉を借りるなら「琵琶湖のニゴロブナみたいな存在」だから。
バイカル湖周辺の食文化と深くつながった魚で、漁獲量ももっとも多いらしい。
つまり、バイカル湖の漁業や、魚食文化の象徴的存在がこのオームリという訳だ。
リニューアル前の琵琶湖博物館でもバイカル湖を紹介するパネル展示はあったし、オームリの写真もあったけれど、生きた姿が公開されるのは、恐らく初めてだろうと思われる。

サケ科魚類でもう1種、ハリウスも気になる1匹。これもまたバイカル湖の固有種だ。
LY5A0107.jpg
見た目は頭の丸いオームリ、という感じで、大きさも近いので、見慣れないのもあって見間違うこともしばしばだったが、ほぼ銀1色で模様や色のないオームリとは違い、このハリウスはヒレを中心に、やや色味があって、色味のないバイカル湖水槽の中では華やか? な部類。
とは言え、その“華やかな体色”も、決して派手さはないのだけれど……

バイカル湖に生息する魚としては、現地で“シロコロブカ”と呼ばれているカジカの仲間も多いようだ。
琵琶湖博物館でも4種類が展示されていて、その内2種類が固有種。
カジカの仲間というのは、海産でも淡水棲のものでも、似たような色、形をしているものだが、バイカル湖産のものもそれは変わらないようだ。
LY5A3304.jpg
しかし、固有種の1つであるボリシャーヤ・シロコロブカはちょっと雰囲気が違っている。
ネットワーク模様が入る体は、他の種類に比べると明るく目立つ。顔つきも目が大きいので、ちょっと可愛い(気がする?)

これら固有種と比べると、固有種ではないものは少々インパクトに欠けるような気がしてしまうのだけど、新たに展示された10種類の内、日本での飼育例があるものは恐らくロタロタ(淡水タラ)1種だけだろうと思う。
つまり、それ以外の種類も激レアだということは間違いない。バイカル湖からやって来ているのは間違いないのだし。

そんな非・固有種としては、サケ科のレノックとコイ科のヴォストチュニュイ・レッシュが印象に残った。
原始的なサケ科魚類だというレノックは、バイカル湖水槽の中でももっともサケ・マス類らしい体つきと、少し尖った顔がちょっぴりレイクトラウトを彷彿とさせる… ような気がするのも印象的だった。
LY5A9922.jpg
また、ヴォストチュニュイ・レッシュは、コイ科でも見るからに日本にはいないタイプ。同じような体型を持った種類は東南アジアには多いのに、寒いシベリアにもこんな体型のコイ科がいるんだなぁ、というのが印象に残った。
LY5A9907.jpg
本当はまだまだ書きたいことがいろいろあるのだけど、長くなりすぎたのでこの辺で。
これらの魚の魅力は、魚に特別な興味のない人にはちょっと伝わりにくいかも知れないが、魚好きならきっと何かしら感じるものがあるはず。
混雑が収まる頃を狙って、是非、見に行ってみて欲しい。

新生・琵琶湖博物館水族展示室 [水族館レポート]

4日前の14日、約1年の閉館期間を経てリニューアルオープンを果たした琵琶湖博物館水族展示室。
新規館のオープンやリニューアルの話も少ない今年、もっとも大きな注目案件と言っていいだろう。

正直言うと、不安だった。

琵琶湖博物館の水族展示室はお気に入りの水族館であり、現状で不満がない、つまりは変化を求めていない水族館だったからだ。
これまで、リニューアルによって生まれ変わったことで、以前のようには足が向かなくなってしまった水族館もあったから、琵琶湖博物館にはそうなって欲しくなかったのだ。
しかし、リニューアルに関して聞こえてくるニュースと言ったら…… 変化を望んでいないオレには、何とも不安になるようなものばかり。
不安と期待を抱きつつ、生まれ変わった水族展示室へと向かう足は、決して軽いものではなかった。

結果的にはオレの不安は杞憂に終わった。
LY5A9823.jpg
壁の色、水槽内の照明、レイアウト等々…… 確かに変わっていた。
これまでただの通路だった場所にも、様々なパネルなどが設置され、見所はそれまでより大幅に増やされている。
しかし、水槽そのものは、リニューアル前と同じ。
水族展示室と同じくリニューアルした上階のC展示室がガラリと様変わりしていることを考えると、いくつか新しい水槽はできているとは言え、“変わった”という印象は薄い。
大きな水槽やその壁が建物の構造体となっている事情もあって、C展示室のようにその場を更地にして1から作り直すことができなかったという事情もあったそうだが、“リニューアル”というよりは“リフォーム”と言った方がイメージしやすいかも知れない!?
オレにとっては変化の少なさは好印象だったけれど、それが水族館的に良かったことなのかは分からない。ドラスティックな変化を期待していた人にとっては拍子抜け、かも知れないから。

新しくできた展示も良かった。
「暮らしの中の魚たち」の展示ゾーン、最後のところに作られた鮮魚店「魚滋」。
LY5A9827.jpg
鮮魚店、と言っても、もちろん本物ではなく、並んだ商品も含めて精巧に再現されたレプリカ店舗だ。
琵琶湖周辺地域は昔から、そこで獲れる魚を使った独自の食文化を発展させてきた。
有名なのは鮒寿司だが、それ以外にもその地域ならではの特産品も多い。
ほとんどの人にとって、魚の興味といえば何よりその“味”だろうと思うのだが、湖産魚類の利用方法と、食文化をひと目見ただけで分かるように紹介された展示は、多くの人の興味を引くのだろうし、オレはそこに並んだ魚やその料理を食べてみたいと思った。

そして、まったく新しく作られた水槽が、カットリヤナを再現した水槽だ。
LY5A9879.jpg
カットリヤナは、湖の魚を漁獲するためのひとつである「梁・やな」の1種。
湖から流入河川へ遡上するる魚たちの姿や、場合によっては梁を飛び越えようとジャンプしたり、季節によってはそこで産卵する姿も見せられるかも知れない、とのこと。
この水槽にはアユ、ハス、ニゴイが入っていたけれど、しばらく誰も通らなかった水槽前に急遽大勢の人がやって来たせいか、ハスが盛んにジャンプを繰り返す。
遊泳力の強い魚だということは知っていたつもりだったけれど、こんなに跳ぶの!! というくらいのジャンプを何度か見せてくれた。
水槽から出ちゃうんじゃないかとヒヤヒヤするくらいの大ジャンプ。
運が良ければ、そんなシーンにも遭遇できることもある? 水槽だ。

そして、バイカルアザラシが展示されることで話題となった「世界の古代湖」ゾーン。
ここはリニューアル前、「世界の湖」だったコーナーだ。
チョウザメ水槽とタンガニイカ湖の水槽だけは手つかずで残ったが、それ以外は中身丸ごと、あるいは水槽ごと変更になった。
展示内容的にはもっとも変化が大きかった部分だが、話題性ではやはりバイカルアザラシだろう。オレが行った内覧会当日も、午前中は報道陣が、午後は特別入場していた年パス保有者たちが水槽前を埋め尽くしていた。

バイカル湖の展示は今回のリニューアル最大のトピックスだ。
LY5A9836.jpg
アザラシ用も含めれば4つの水槽があてがわれているが、正直、アザラシなんてオマケみたいなもの。関西で初めての展示らしいのだけど、琵琶湖博物館以外でも見られるので驚きやありがたみは少ない。
一方、固有の魚類と大型ヨコエビは、ここでしか見られない超激レア生物である。
寒い地域の魚なので、サケ科、カジカが多く、後はコイ科少々といったラインナップだが、どれも見たことがないものばかりどころか、名前すら聞いたことがないものがほとんど。
飼い方だってよく分からない未知の魚たちを、こうして生きた姿で紹介してくれたことは本当に凄いと思うし、ありがたいと思う。

中でも、2種類の大型ヨコエビ類は、その何とも気持ちわ…… じゃなかった、カッコいい強烈ルックスも手伝って、今回のリニューアルの超目玉。琵琶湖博物館のフラッグシップ展示と言っていいんじゃない? みたいなインパクトがある。
LY5A9837.jpg
TwitterやYoutubeでの人気ぶりを見ていると、もしかすると、本当にダイオウグソクムシ以来のブームが到来するかも!? みたいな気がしたくらいだ。
展示に出ているもの以外にも、まだいくつか隠し球があるらしいので、それらが展示に登場する日も心待ちにしたいと思う。
新装オープン間もない今は、とても混雑しているらしい。でも、このバイカル湖の生物たちが見られるだけでも、混雑をかいくぐる価値はあると思う。
元々素晴らしかった琵琶湖産生物たちは、相変わらず素晴らしいまま見られるのだからね。
前の10件 | -
ご用の方はmistralaquqrium@gmail.comまでご連絡下さい。
メッセージを送る