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アリゲーターガーの話 [淡水魚]

当水族館ブログを見に来てくれる人の検索結果で、その数をものすごい勢いで伸ばしているのが“アリゲーターガー”だ。
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虹の森公園おさかな館

残念ながら、どこどこの川で目撃した、捕まえた、釣った、等々、その手の話題に登場することが増えつつある外来魚だからなのだろう。ウチの近所でも呑川や多摩川での目撃談などがチラホラ聞かれる。
特に、暑くなり、川などで水遊びをしたい人も増えるこの時期、あんな恐ろしげな大型魚が泳いでいるなんて、普通の人には恐怖感を覚えることなのだろう。季節柄、TVでもそんな話題を扱っていることも多いのだけど、TVでその手の話題というと大抵、話を必要以上に大きく煽ったものになっている。
日本で1番とまでは言い切る自信はないものの、5番手以内には入っているだろうアリゲーターガー好きのオレにとって、そうした報道は非常に心が痛む。
合法の趣味として、これから先も飼育を続けていきたいし、好きこのんで日本の川にいるワケではないアリゲーターガーが悪者扱いされている現状は、きわめて不愉快だ。
もちろん、それが日本の川で泳いでいていいものだとは思っていないから、それを川や湖に捨てる不届き者共にはとても腹が立つし、正直、“死ねや、ボケ!!”くらいに思う。

アリゲーターガーを検索して、このブログに来てくれた人の誤解を少しでも小さくしたいので、まず、ここでハッキリさせておこう。

アリゲーターガーは3mにならないし、凶暴でもない!!

水槽飼育の個体なら、餌と間違えて飼育者の手を噛んでしまうようなこともあるかも知れないが、川で泳いでいる個体が、わざわざ人の近くまで寄ってきて襲い掛かるようなことは絶対にない!! と断言する。
アリゲーターガーは7種類あるガーの現生種の内、最大種ではあるのだけど、性質はそれらの中でもっとも臆病なように思う。
だから、野良生活してるガーなら、人の気配を感じれば、絶対にその近くには来ないはずだ。口には沢山の歯が並んでいるから、捕まえたり、釣り上げて針を外す際など、危険性がないワケではないけれど、そういうことさえしなければ、危険性はないと言っていい。
また、大きさについても、確かに3mの記録はある。でも、それもギネス級の記録であり、すべての個体がそうなるワケじゃない。
例えば、日本人男性の平均身長は171.6㎝だが、中には2mを超える人だっているし、逆に150㎝くらいの人もいる。
アリゲーターガーもまったく同じで、2mを超えるのは少なく、原産地(テキサスなどミシシッピ下流域)でも、2mオーバーはなかなかいないらしい。インドネシアやタイなどでも畜養、養殖等がなされているが、温暖な彼の地でも1.5mを超すことはなかなかないとか。水族館の例では、油壺マリンパークで展示されているものは、40年以上飼育されているにも関わらず、その大きさは1.2m未満。別段狭い水槽でもないのに、だ。それらを踏まえると、平均的な大きさは130~140㎝程度だと考えてよさそうだ。とは言え、そんなに大きくなる日本の淡水魚はいないから、十分巨大の範疇ではあるけれど。
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油壺の42年もののアリゲーターガー

では、その巨大な外来魚が、どうして日本の川で泳いでいるのか。
直接的な理由は、無責任な飼育者が捨てるからだけど、それ以前に、こんな“飼えない魚”が、下手すれば1000円未満という、バカみたいな金額で売られてるからなんだろうと思う。

値段というのは、ひとつの抑止力でもあって、これが1万円だったら、川に捨てる輩もここまで多くなかったはずだし、それ以前に、買ってしまう人ももう少し限られてくるはずなのだ。
また、買う時に、死なせないように何らか調べたりもするだろうし、そこでその巨大さに気付いて飼うのをやめるきっかけになるかも知れない。また、ちょっと高いと感じて止める人もいるだろう。それが10万ならなおさらだ。
1000円くらいだと、考えたり、下調べをするより前に、その金額を支払ってしまうのが問題なのだ。
正直、1000円でアリゲーターガーが買えて、誰が得するの? こんな魚、ほとんどの人が飼えないのだから、10万でも100万でもいいと思う。それをあんな値段で売るなんて、正直、犯罪だ。最大の罪は、そこにあるんだとオレは思う。

飼えないというのは、やはりまず、その大きさ。水槽内でも90㎝とか1mくらいになってしまうし、その成長速度も異常に速い。
当然、巨大な水槽と、半端ない量の餌が必要になる。
一般的な家庭で魚の飼育を楽しむような、60㎝や90㎝の水槽では、とても飼いきれる代物ではないのだ。

どんな魚でもそうだけど、生き物を飼う以上、少なからず覚悟が必要だ。
大きくなる魚なら、高くて邪魔くさい大きな水槽を買う覚悟。生きた小魚を食べる魚なら、生きた金魚を餌にする覚悟。しょっちゅう水換えする手間の覚悟。等々。
アリゲーターガーを飼うために必要な水槽は、最低でも幅2m、奥行き1mは必要だ。そんなサイズの水槽となると、やはり50万円くらいはするワケで、1000円の魚を飼うのに、そんな高価な水槽を買う人なんて、心情的にもなかなかいないものだ。
小さい水槽を横目にぐんぐん巨大化するガーを横目に、殺してしまうのも忍びないからと、川に捨ててしまうのだ。
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マリンピア松島水族館

今から16年前、アリゲーターガーが観賞魚として流通するようになった。しかし、それ以前は観賞魚として流通することはなく、どうしても飼いたければ、手を尽くして輸入してくるしかなかった。だから、150~200万は用意しなければ買えない魚だったのだ。150万もする魚ともなると、それに見合った水槽があてがわれるし、当然、川に捨てようなんて考える人もいるはずもなかった。

でも、それでよかったんだと思う。
150万払ってでも欲しいヤツだけが買う。150万払う時点で、覚悟は決まってるだろうし、そんな高価な魚を飼うのだから、50万円の水槽だって、当たり前のものとして用意できるだろうから。
昔、オレにガーのことをいろいろ教えてくれた人が言ってた。
“アリゲーターガーはよほどの大金持ちか、変態じゃなくちゃ飼えないよ”
そういう魚なのだ。
こう世間が騒がしくなると、法による規制、みたいな方向になるのが真面目に飼ってる飼育者からすれば、何より怖い。

幅2m、奥行き1mの水槽を用意できない人には、アリゲーターガーは飼えない!!
それでも飼いたい人は、持ちうる水槽の限界が来た時に、自分で責任を持って食べるか、引き受け手を探すようにして下さい。間違っても川などに捨てることだけはしないように!! アリゲーターガーに限らず、不要物の不法投棄は、法的にも犯罪だからね!!
もし、オレが大金持ちだったなら、川で捕獲されたアリゲーターガーを全部引き受けられる施設でも作るんだけど…
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箱根園水族館

水族館で見て我慢するよ、という人は…
マリンピア松島水族館、サンシャイン水族館、しながわ水族館、足立区生物園、東京タワー水族館、八景島シーパラダイス、油壺マリンパーク、箱根園水族館、二見シーパラダイス、鳥羽水族館、虹の森公園おさかな館、四万十川学遊館あきついお、熱帯ドリームセンター(沖縄海洋博公園)
上記の水族館で見ることができます。
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コメント 3

pomu.

ここにお邪魔するようになっていてよかったです
あやうくガーくんを誤解するところでした><

捕まえたり、釣り上げたときにケガする可能性なんて、ほかの魚でもありますよね
去年、兄はカサゴにやられました(笑)

テレビではどうしても人目をひくような切り口を使うし
二番煎じ、三番煎じするような番組はもっと尾ヒレつけてしまいますもんね

飼う環境を作るのが困難な生き物を手軽に入手できるのは考えものですね
近くのホームセンターのペットショップでも20センチ弱のアロワナが売られていて
値段は忘れてしまったんですが
金魚と同じ状況下で売られている、そのお手軽さにびっくりしました

「外来種=乱暴者、敵」な扱いをされてしまいますが
彼らも好きでやってきてるわけじゃないと思うとかわいそうだし、申し訳ない気分になります
by pomu. (2010-07-07 18:06) 

ミストラル

>pomuさん

誤解せずに済みましたか?
そう言っていただけると、書いた甲斐もあるってもんです。
ありがとうございます!!

アリゲーターガーに限らず、ブラックバスでもアカミミガメでも、動物たちは悪くないんですよね。
好きでそこにいるワケではないし、彼らは彼らの生活をしてるだけですし。
それをいかにも“悪”としてしまう風潮は、生き物たちに申し訳なくなりますね。

アリゲーターガーに限らず、観賞魚、安すぎですね。
もちろん、安いものがあるのはいいと思うのですが、ご指摘のアロワナとか、別に多くの人が飼う必要のないものを、バカみたいな値段で売る必要はありませんよね。
本当はお手軽に飼っていい生き物じゃないんですから!!
by ミストラル (2010-07-08 01:34) 

NO NAME

水槽が買えない人はどうすればいいんでしょうか?
by NO NAME (2013-11-29 23:40) 

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