So-net無料ブログ作成

沖縄美ら海水族館の気になる魚 Vol.7 [海の魚]

今年の水族館初めも、沖縄美ら海水族館からだった。
イトマキエイやマンタの話をしているので、今さらな感じだけれど……(汗)
いつもとは違い、今回の沖縄行きは水族館が目的ではなかった。でも、オレが沖縄まで行って、美ら海水族館に行かずに帰ってくる、なんてことはあり得ない!!
行ってしまえば、やっぱりいろいろと楽しくて、イトマキエイやマンタ以外にも驚きがあって、すっかり満足して帰って来られたのでした。

今年最初の美ら海水族館で、オレを一番驚かせてくれたのがオキナワオオタチ。
LY5A6701.jpg
4年もの歳月を掛けて展示に漕ぎ着けたという、沖縄の深海に住まう巨大タチウオ。
最大2mにも達するとかで、その大きさから釣り人にはメガタチなんて呼ばれているらしい。

実物を見て思うのは、デカイ!! のひと言に尽きる。
LY5A6430.jpg
水族館まで運んでこれるくらいのサイズなので、オキナワオオタチにしては驚くほどのサイズではないのかも知れないけれど、それでも1m超の大きさは、一般的なタチウオと比べると相当大きい。生きたタチウオを見たことがある人なら、余計にその大きさに驚けるのではないだろうか?

動画(ほぼ動かないけど)


食材としてはよく知られたタチウオが、水族館であまり見られないのは、輸送や飼育が難しいから。もちろん、オキナワオオタチも例外じゃない。むしろ、その大きさが輸送をより難しいものにするのだろうと思う。
昨年の末頃にも展示されたことがあったようなのだが、その時はごく短期間で展示が終了してしまっていた。しかし、深海担当のスタッフ氏たちはそこで終わりにはしなかった。引き続きチャレンジを続け、前回を上回る規模で再展示を実現させた。

展示個体は1匹ずつ、釣りで採集され、餌付いたものから展示水槽へ。
LY5A6586.jpg
展示されている水槽は、それまで深場の魚たちが展示されていた水槽。マンボウ水槽のようなビニールフェンスが設置され、擬岩や底砂も取り出され、水槽の雰囲気はそれまでとガラリと変わっていた。
以前の展示の時には、薄暗い水槽ということもあってか、それほど水槽前が混雑する印象がなかったのに、水槽の住人がタチウオに変わった途端、やはりその巨大さが目を引くのか、はたまた圧倒的な珍しさからなのか、水槽の前には人だかりが絶えなくなった。
個人的には、元々の住人たちも好きだったから、それらに会えないのはちょっと残念に思う部分もあるけれど、誰が見てもひと目で“スゲェ!!”と思える巨大タチウオは、美ら海水族館ならではの新しい見所と言っていい。

いずれにしても、飼うのが難しい魚であることは間違いないので、興味があるという人は、できるだけ早く見に行くことをオススメしておきます!!

オキナワオオタチがいる深海エリアを抜けると水族館の出口ゲートが出てくる。その先のお土産ショップを抜けて、エスカレーターを下ったところにある水槽をご存じだろうか?
これまでヒラアジ類の幼魚が泳ぐ、これまた個人的には結構お気に入りの水槽のひとつだったのだけど、その水槽が久しぶりに展示替えがされ、新しい住人としてミズンが搬入された。
LY5A6499.jpg
ミズン? 簡単に言えば、沖縄のイワシ。
マイワシと比べると、体高が高く薄っぺらな体型で、色や柄もなく銀ぴか。そのため、イワシというよりはサッパに似てる。
そのため、既視感があったりする…… のだけど、関東はおろか、本州では見られない魚なので、沖縄の人以外からすれば、見慣れない珍しい魚だ。

以前、危険ザメ水槽で展示されていたこともあったので、見たことがある人もいるかも知れない。でも、小さな小魚だから、大きなサメ水槽で見るよりも、この水槽での方が、どんな魚なのかはよく見えると思う。
なお、この水槽がある美ら海プラザは、水族館に入らなくても無料で入れるので、ミズンだけは“タダで”見ることができる。

余談ながら、地元では“みじゅん”と呼ばれていて、標準和名もそれに由来するものだと思うのだけど、オレもミズンよりみじゅんの方が好き(笑)


オキナワオオタチやミズンは、目を引く展示だから、見る人も多いはず。
だが、その水槽の中の1匹、みたいな、注目されなさそう? なものにスポットを当てるのがこのブログなので? そんな1匹も。
大水槽へと至る、サンゴ礁エリアの個水槽。その中にクマノミとヘコアユが泳ぐ水槽がある。
クマノミが暮らすイソギンチャクがちょうど水槽の中央に配置されていて、子供を中心に「あっ!! ニモ~」という声とともに人だかりができる人気の水槽だ。
ひねくれ者のオレは「そんな水槽には用はないぜ!!」と、素通りしてた。そもそも混雑していて近づきにくいしね。
でも、ある時、水槽の前を通った時、変な動きをしているヘコアユの姿が目に入った。
何だ? どうなってるんだ? と水槽に近づいてみたところ、変な動きをしていたヘコアユはヘコアユではなく、カマスベラの幼魚だった。
LY5A6776.jpg
色といい、形といい、遠目から見ればヘコアユに見える。おまけにこの個体は大きさもヘコアユ級だったから、もしかして、小さい内はヘコアユと混棲してるの? みたいに思ったくらい。実際はどうなのかは分からないけれど……

これ、狙ってやってるんだとしたら、この水槽の担当の人、スゲェなぁ、と。

と、こんな感じで、水槽担当者のこだわりを感じられる? 美ら海水族館の水槽・魚 3選、でした。

コバンザメ可愛い!!@奄美海洋展示館 [海の魚]

奄美海洋展示館でもっとも印象に残ったもの…… それはコバンザメだった。
LY5A6423.jpg
珍しい種類でも、スペシャルな個体でもない、どこの水族館でも見られるごく普通のコバンザメだ。

何で!? と思われるかも知れない。逆の立場ならオレだってそう思う。
理由は簡単。可愛かったから。奄美海洋展示館はコバンザメが可愛く見える水族館だった。

コバンザメって、一般的にあまりいいイメージのない魚なのだろうと思う。
例えば、美ら海水族館のジンベエザメにくっついた沢山のコバンザメ。危険のない環境の中、はち切れそうな腹を上に向けて、泳ぎもせず運ばれているだけ…… そのあまりに不格好な見た目もあって、いい印象はなかなか持ちにくいものだ。
しかし、奄美海洋展示館の大水槽にいた2匹のコバンザメたちは、そんなイメージを覆し、実はとても可愛い魚であるということを教えてくれた。

奄美海洋展示館の大水槽にはコバンザメがくっつけるような大型魚がいない。
唯一くっつけそうなアオウミガメもさほど大きくないので、くっつこうと近付いてもそれを許してくれない。それどころかカメたちはコバンザメが近付くと口を開けて噛もうとする。
それでいて、壁などに張り付いてジッっとしているでもなく、水槽内をスイスイ回遊するように泳ぎ回っている。
水族館のコバンザメというと、大抵太りすぎて不格好だけれど、ここのはスリムで綺麗な体型を維持している。

ひとつ前のブログにも書いたように、奄美海洋展示館では大水槽のアオウミガメにおやつのレタスを与えさせてくれる。
LY5A6413.jpg
だから、人を見つけると、アオウミガメたちは必死の形相で集まってくるのだけど、それにつられて? 魚たちも集まってくる。
その中には件のコバンザメもいるのだが、水槽に投げ入れているのはレタスである。
寄ってきてもお前には関係ないよ…… と、近寄ってきたカメの前にレタスを投げ落とすと、コバンザメがそれをかすめ取っていった。
リアクションバイトかと思いきや、驚いたことに、吐き出すことなく、本当に食べてしまったのだ!!
コバンザメがレタスを食べるなんて聞いたことがないし、そもそも、コバンザメに草食性はないはずだ。
何かの間違い? 再びコバンザメにレタスを投げると、やっぱり食べる。
その度に“ええっ!! 食べた”と驚いていたら、そこにいた飼育スタッフ氏が「ウチの魚は何でも食べるんですよ」と、レタスの破片を投げてみせる。
すると、コバンザメ以外のイシダイやベラ類など、コバンザメ同様、普段は藻類などを食べなさそうな連中までレタスを食べる。
そんな意外な光景が驚きで、おかしかったから、カメのためのおやつだというのに、細かくちぎっては魚に投げるを繰り返してしまった(笑)
でも、カメとは違い、集まってきた魚たちも、好きこのんでレタスを食べていた訳ではないようなのだ。

閉館が迫り、魚たちの給餌の時間にそれが発覚した。
餌はごく普通に? オキアミなど。水槽に餌が撒かれると、コバンザメたちも他の魚と争うようにそれに群がる。
LY5A6467.jpg
そこにレタスが落ちてきても、カメ以外は見向きもしない。目の前に落ちてきても素通り。
オキアミの小さな破片には反応するのに、だ。
好きな餌、というか、本来食べているものがあるのなら、やっぱりそちらがいいようだ(笑)

魚たちの給餌時間が終わり、散会した後も、その場で眺めていたら、水槽内をそれまでと同じように泳いでいたコバンザメが寄ってきて、こちらの顔を覗き込むようなそぶりを見せる。
それも1度だけではなく、遊泳コースの途中、ほぼ毎回、こちらの顔を覗き込んでから泳いでいくのだ。何かしら気になることがあったのだろうか?
LY5A6452.jpg
どういう意図だったのかは知る由もないが、しばらくそんな様子を見ていたら、コバンザメが何だか犬のように思えてきて、「コバンザメ、可愛い!!」となったという訳だ(笑)

奄美海洋展示館のアイドルは、アオウミガメで間違いない。そこに異論はないけれど、個人的にはこのコバンザメを推したい!!
オレの知る限り、日本で一番可愛い? コバンザメがいるのはここだと思う(笑)

葛西臨海水族園の気になる魚 Vol.4 [海の魚]

ひとつ前のブログにも書いた通り、ミツクリザメが展示されていた11月1日~16日の間、葛西臨海水族園へは3回も足を運んだ。
2週間で年間パスポートの元を取ってしまった感じ。これもミツクリザメ効果だな(笑)

2日に行った時は、他のものは何も見ず、ただただミツクリザメだけ。
2回目は8日。その時はその他の水槽もささっと流し見? する程度に見学。
その時、えっ!! こんなの前からいなかったよね!? みたいな魚がいくつかいたので、3回目の10日は、ミツクリザメ以外の魚も撮ってみた。

最初の気になる1匹は、順路の最初のあたり、「カナダ沿岸」という小さな水槽にいるチューブスナウト。
IMG_5622.jpg
チューブ口の名の通り、細長い口先をした15㎝ほどのクダヤガラの仲間。カナダ沿岸地域産のクダヤガラ、といったところかな?
小さいし、色も派手な魚ではないけれど、水槽を覗き込むと、魚の方もこちらを覗くように近寄ってくるのが可愛らしい。
近縁種のクダヤガラは日本の沿岸にもいるけれど、こんな風にその可愛らしさを感じられるほど、近くで観察することはできないので、水族館ならではの展示と言えると思う。
凄く好きなワケでも、惹かれて仕方がないワケでもないけれど、何となく見たくなる。まさに気になる1匹だった。

お次は「バハ・カリフォルニア水槽」に新たにやってきたキングエンゼル。
IMG_5623.jpg
この水槽はこれまで、ファインスポッテッドジョーフィッシュという顔に尻尾が付いたみたいな魚だけが展示されていたんだけど、顔以外は砂に潜っていて、中央付近にはいつも何もいない水槽だった。
そのため、その状況を打破するため? 新たに追加されたのがキングエンゼルだったのだ。
キングエンゼルは観賞魚としても流通しているけれど、葛西にいるみたいな完全な成魚、しかもかなりの大きさの個体はなかなか見掛けない。
何となく水槽前を通り過ぎただけでもその存在に気付くサイズ。
次来た時に絶対撮ろう!! と思ってチャレンジしたんだけど、どうもこのキングエンゼル、底砂を掘り返すのが好きらしく、水槽の奥の方で激しく土木工事を行っている。
それに夢中で、正面の方にやってこないので、なかなか写真は撮りづらかった。
でも、時々前の方にやってきては、キングの存在感をアピールするようにポーズを取り、そして再び工事を始める。その繰り返し。
葛西にはエンゼルの素晴らしい個体が揃っているけれど、また新しいスターが増えた。
一見の価値アリ、だと思う。

ミツクリザメが泳いでいた深海水槽にもニューカマーがいたのをご存じだろうか?
それがカゴカマス。
IMG_5697.jpg
その泳ぐ姿を見付けた時、すみやきという名で食用として流通するクロタチカマス、クロシビカマスなどの近縁種で、オレも泳ぐ姿を見付けた時、そのどちらかかと思った。
食用にはなるが、東京のスーパーなどでは見掛けることはないだろう。すみやきよりは淡泊な味らしい。見た目は強面のサンマ、みたいだけど(笑)
ただ、深海の住人だけに水族館で生きた姿を見られるのは非常に珍しいことは間違いない。
最初にミツクリザメを見に行った時、このカゴカマスがミツクリザメの鼻先をかすめた。
すると、そちらの方を向くようなそぶりを見せたので、もしや襲ってしまうのでは!! といろいろな意味でドキドキさせられた、というのがこのカゴカマスでもっとも印象的なできごと、だった。ものすごく小さいできごとだけど…

順路後半、屋外の光が降り注ぐ「伊豆七島」の水槽にいたナンヨウブダイの幼魚も気になった1匹だ。
IMG_5782.jpg
葛西臨海水族園では、幼魚と成魚で色の変化があるものの変化前の状態を「イニシャルフェイズ」として紹介しているが、このナンヨウブダイは普通に「幼魚」だった。
何が違うんだろう?

ナンヨウブダイ自体は、美ら海水族館で何度か見ているし、大きく飛び出た額と、鮮やかな青緑色が印象的な魚という印象だったのだけど、幼魚を見たのは初めて。
驚いたのは、やはりその色。
水槽前を通りがかった時、やけに目立つ縦縞の魚が泳ぎ回っているのが目に入った。
それがナンヨウブダイの幼魚であること自体も驚きだったのだけど、その思わぬ綺麗さにも驚かされた。よく見ると、白に見えた地色は、光の加減で青にも緑にも見え、将来の色合いを予感させるのだ。
水族館で見掛けるブダイ類の幼魚は、あまり成長速度が速くないように思うのだけど、この先、色合いの変化が楽しめるのだろうか?

ナンヨウブダイの幼魚を撮ろうと四苦八苦していたら、色を揃えたみたいな色柄の小魚が行ったり来たりしているのが目に入った。
IMG_5855.jpg
何だこれ? 綺麗じゃん!! と水槽脇の魚名板に目をやると、カモハラギンポとあった。
いわゆるオレのタイプではないため、知らない魚だったんだけど、意外な綺麗さと、よく見れば可愛らしい顔つきをした魚だった。
ただ、動きはあまり速くないものの、とにかくジッとしていない。写真を撮ろうとすると、ベラとはまた違ったイヤなタイプ。
ホンソメワケベラの協力? によって、何とか撮れた。
よく動くし、綺麗なので、眺める分にはいい魚だと思う。

それにしても、葛西臨海水族園ってスゴイねぇ。
行く度に何かしらの発見というか、新顔に巡り会える気がするよ。

串本海中公園(水族館)の気になる魚 Vol.2 [海の魚]

10月に串本に行ったのは、前のブログにも書いた通り、海中観察にはもっともいい時期だと聞いて、それがこの目で見てみたかったから。
7ヶ月前にも行っていたし、水族館はそれほど大きな変化もないだろうと、実を言うと、大きな期待はしていなかったのだ。

しかし、入館してすぐのところ、通路の両脇にある水槽にいたカンムリベラにいきなり驚かされた。
IMG_5023.jpg
カンムリベラの体色は黒っぽい色。そんな認識でいたのだけど、この水槽にいるものは何となく青みを帯びている。驚くほどではないものの、見れば見るほど青い。
最初は照明の影響かも!? なんて思っていたんだけど、水槽上部(水面)から見せてもらった時、水中を泳ぎ回るひと際鮮やかなグリーンの魚が見えた。背ビレのエッジは、まるで蛍光色のような鮮やかさ。
予想だにしなかった色合いに驚いていたら、案内してくれたスタッフ氏が「このあたりのカンムリベラはみんな、こんなですよ」と。
水面から見た鮮やかさを表現したい。という訳でフラッシュを使って撮影してみた。
実際の見た目は、流石にここまで青くはないんだけど、フラッシュとか太陽光とか、強い光が当たるとこんな色を見せてくれる!!
カンムリベラもこんな色に育ってしまう、串本の海ってスゴイ!!

串本海中公園の水族館と言えば、やはりサンゴの大水槽は外せない。
様々な魚がひしめいており、そしてそのいずれもが非常に美しいので、魚好きにはかなり楽しい水槽だからだ。
目の前を行き来するいろいろな魚たちを眺めていたら、1匹のコショウダイに目が止まった。コショウダイもいるんだなぁ、なんて思いながら眺めていたんだけど、顔つきがチョウチョウコショウダイのような雰囲気で、普通のコショウダイとはちょっと違うような気がする。体型も幾分寸詰まっているような…
IMG_5044.jpg
なんて思っていたら、クロコショウダイ、とのこと。
言われてみれば、確かに普通のコショウダイよりも黒っぽい。
串本だから美しい訳でも、そこならではの魚でもないのだけど、これまでノーマークの魚だったということで…

色鮮やかな魚が泳いでいる印象のあるサンゴの大水槽だが、サンゴ礁魚類の代表格とも言うべきチョウチョウウオとブダイの仲間は泳いでいない。
その理由は、いずれもサンゴを食べてしまう可能性があるから。
でも、数少ない、というか、唯一? あの水槽にいるのがセグロチョウチョウウオだ。
IMG_5041.jpg
しかもそれが、すごく綺麗な個体なのだ。
個人的に好きな種類でもあるから、見掛けるとカメラのシャッターを切ってしまうんだけど、セグロチョウってポリプ食(サンゴを食べる)じゃなかったっけ? とちょっと心配に思ってしまうんだけど、日本の水族館で見られるセグロチョウとしては、一番綺麗かも!? そう思えてしまうくらいの個体だ。
串本の水で飼うと、よく知られたチョウチョウウオもこんな風に育ってしまうようだ。

珍しい魚も。
そのひとつがハナツノハギ。
IMG_5022.jpg
串本では19年ぶりに記録された魚なのだそうだ。
とは言え、突然現れた訳ではなく、恐らく普通にいたのだろうけど、漁業の対象でもない小さな魚なので、誰も記録として残していなかっただけではないか、と、案内してくれたスタッフ氏の弁。
写真の個体は5~6㎝くらいと小さく、現在はバックヤードで育てられているのだけど、もう少し大きくなったら展示に出される予定らしい。

もう1種類も同じくバックヤードにいたハゲヒラベラ。
IMG_5020.jpg
ご覧の通り、テンスの仲間だが、非常にマニアックな種類で、本やwebで調べてもなかなか見つからない。
とんでもなく珍しい種類なのかと言えば、串本周辺ではそうでもないようで、あるポイントに行くと、本種を始めとするテンスの仲間がいろいろ獲れるのだそうだ。
なのにほとんど知られていないのは、前のハナツノハギ同様、食用として重要でもなく、観賞魚にもならない、さほど人気のない魚の仲間だから、なのだろうと思う。

おまけにこのハゲヒラベラ、お世辞にも美しいとは言いにくい体色(笑)
前回訪問時に見掛けた時も、“このテンス、状態悪いんじゃないの?”と思ったくらいの汚れたような色合いも、人気者にはなりにくそうだ。

でも、オレの中で強い印象に残ることになったのは、案内してくれたスタッフ氏の「スタッフの間では、ゾンビベラって呼んでるんです」というひと言があったから。
確かにゾンビっぽい(笑)
もし、本当にゾンビベラという名前だったなら、ひょっとしたら人気魚… とはいかなかったかも知れないけど、もうちょっとメジャーな存在になっていたかも!? なんて思ったり。

同じ水槽にいる他のテンスにいじめられてしまうため、現在はバックヤードに避難しているが、そこでは元気で、近くまで行くと、「餌くれー!!」とばかりに、水から飛び出さんばかりの勢いでアピールしてくる。
そんなところも少々ゾンビ的、なのかな?(笑)

下田海中水族館の気になる魚 [海の魚]

ジンベエザメの話を先にしてしまったので、順番がおかしくなったけれど、北海道から戻ってから行った下田海中水族館の話。

下田海中水族館の魚類展示は、驚くほど大きくない、というか、むしろ小規模な部類だけれど、意外に(と言っては失礼かも知れないけれど)、面白いものを見せてくれる水族館だったりする。
ペリー号の大水槽もそうだ。太陽光がそのまま降り注ぐ水槽は、海の一部を切り取ってきたみたいな雰囲気で、眺めているのが楽しいのだ。

そんな中で気になったのがハチビキ。
IMG_4758.jpg
過去のブログで下田の話をしている時のものを見返してみたら、その時もこのハチビキを載せてた。下田海中水族館に来ると、いつも気になるらしい。
ここにいるのは、その他大勢の小魚みたいな雰囲気で、アジなんかと一緒に群れて泳いでいるけれど、アジやサバよりもずっと大きくなる魚で、美ら海水族館の深海水槽には60㎝くらいありそうな個体が泳いでいる。
さて、オレがハチビキを見る度に気になってしまうのは、色や形もさることながら、この魚がすごく美味しいらしいから。
食べたことはないんだけど、その食味に思いを馳せつつ、今回も(笑)

アジの群れと一緒に群れ泳ぐハチビキを狙っていたら、その周辺に細長いアジの姿が。
IMG_4766.jpg
多分、ムロアジ。
数は少なく、数匹? 周りのマアジよりも少し大きくて、サイズや体型が似たサバと一緒に泳いでた。
食材としては、マアジほどではないにしても、それなりに知られた魚だと思うのだけど、水族館ではこの手はほとんど見掛けない。
そのせいか、見つけると一生懸命写真に収めようと頑張ってしまうのだ(笑)
というワケで、比較的綺麗に撮れたので、ここに。

水族館棟にも毎回必ず面白がらせてくれる水槽がある。
下田の象徴的存在でもあるキンメダイが泳ぐ、深場の水槽だ。

以前に行った時は、この水槽で初めて生きたイトヨリダイを見たけれど、今回もそんな初めてに遭遇できた。
IMG_4781.jpg
それがこのクサカリツボダイ。
何だこのツボダイを細長くしたみたいな魚は? もしかしてクサカリツボダイ?
魚名板は出ていなかったので、その時は分からなかったのだけど、帰って調べた結果、どうやら間違いなさそうだ。
ツボダイは水族館の水槽ではゆっくり泳いでいることが多い印象だが、このクサカリは、せわしない、というほどではないけれど、ツボダイよりかはよく動く種類なのか、暗い水槽では“やりにくい”相手だった。
見たのは初めてだったんだけど、そういう意味では結構珍しい種類と言っていいのかも知れない。
今回見た魚の中では、これが一番の収穫だった。

話は変わって…
下田海中水族館で展示されていたジンベエザメが、10月11日、死んでしまった。
IMG_4823.jpg
台風の影響で入り江の塩分濃度が下がったことが原因だったようだ。
この個体が放流を目前に死んでしまったこと、死ななくてもいい個体を結果的に死なせてしまうことになったこと、死なせてしまった理由があまりにもお粗末なものであることなどなど、非常に残念でならない。
この個体に会えたことには感謝するが、死んでしまった個体には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

下田海中水族館に限らず、ジンベエザメを飼える水槽のない水族館には、もうその飼育にチャレンジすることを止めて欲しいと強く思う。

室蘭水族館の気になる魚 [海の魚]

北海道の水族館には、冬場に休業してしまう所があるが、室蘭水族館もそのひとつ。
10月半ば~4月末までという、かなり長期の冬休み。
その間も、そこで働くスタッフの人たち出勤するのだろうし、営業すればいいのに… と大きなお世話ながら思ってしまうのだけど、間の悪いことに、オレのブログで室蘭水族館の話をした途端、その冬休みへと突入してしまった。
今年の通常営業が10月13日で終了してしまったのだ。
ここで室蘭水族館の話を続けて、その内容が気になった(見に行ってみたい)人がいたとしても、見に行けるのは来年の4月末。
というワケで、オレが気になった魚はこんなのでした、みたいな報告的ブログ。
これを見て気になった人は、来春の営業再開日を楽しみに待ってもらいたい。

室蘭水族館と言えば、ムロランギンポ。
IMG_4570.jpg
いや、決してそんなことはなくて、これは個人的な話。
室蘭水族館と言えば、かねてよりアブラボウズをシンボルフィッシュとしていたくらいだから、全然関係ないのだけど、室蘭にある水族館で、室蘭の名前が付いた魚を見るというのは、ちょっと特別な感じがするような気がするのだ。
水族館でも珍しい魚ではないし、北海道以外でも見ることができたりするけれど…

1匹しかいなかった(見当たらなかった?)けど、大きくて立派な個体だった。
ムチムチしていて食べ応えもありそうなのに、食べると不味いらしく、一般的には食べない魚なのだとか。

食用としてイケてないムロランギンポとは違い、食用魚としてのニーズからか? 室蘭市の魚に指定されているのがクロソイだ。
IMG_4518.jpg
室蘭周辺でも多く生息していることや、栽培漁業の対象種となっていて、その課程で養殖された幼魚も展示されているなど、市の魚だけに、市営の水族館には沢山いた。
こちらも日本各地の水族館で見られる普通の魚だけど、室蘭市に縁のある魚として、ここでも紹介しておこう。

室蘭水族館の水槽の住人は、南の方の魚たちも多少はいるが、ほとんどは北海道周辺の魚たちで占められている。
水槽を眺めることで、その地域を感じられるような気がして、オレには嬉しい。
先に登場した2種のように、珍しくなくても、その扱い方が異なれば、違った印象を受けるものだ。
それを強く実感させてくれたのがフサギンポだ。
IMG_4505.jpg
ファニーフェイスが人気の、いない水族館の方が少ないんじゃない? くらいの人気魚だが、室蘭水族館の水槽にはまさに“ひしめく”という言葉しか思いつかないくらいの数。
通常、こうした土管にギュウギュウ詰めになっているのはアナゴと相場が決まっているが、ここではフサギンポ。別の水槽にアナゴもいたけれど、それよりはるかに数が多い。
よく見るフサギンポでも、流石にこれだけの数を見ることはなかなかない。スゲェ!! とちょっと驚かされた。

見たことがない魚も少しはいた。
ひとつ前のブログで書いた通り、室蘭水族館はカレイの仲間が充実していたが、そんなコレクションの中にいたサメガレイは見たことがない種類だった。
IMG_4480.jpg
ザラザラした体表がサメ肌を連想させることから、その名があるらしいサメガレイ。
昨年の北海道遠征の際、たまたまこのサメガレイを食べる機会があり、それほど高い値段でもなかったのに、胸焼けしそうなくらいに脂が乗っている美味しい魚だったことから、個人的にも印象深い、生きた姿が見てみたい魚のひとつだった。
海底でクモヒトデを多く食べる種類だそうだけど、あんなものでこれほどの脂をその身に蓄えられるなんて、何かスゴイ!! ひょっとして、クモヒトデって美味しいのかしらん?

見たことがない魚と言えば、カルミカというチョウザメもそう。
IMG_4481.jpg
ベステルと同様、異属ハイブリッドのチョウザメ。カルーガ×ミカドチョウザメという意味でカルミカ。
カルーガ(ダウリアチョウザメ)もミカドチョウザメも、古くは北海道に遡上が見られた2種類のクロスなので、北海道らしい品種と言えそう。
これまたベステル同様、見た目にはどっちつかずというか、ごくごく普通のチョウザメで、強いて言うなら、オス親であるミカドチョウザメ似かなぁ?
魚名板が出ていた水槽には2匹がいたが、どちらも見た目のクオリティはかなり残念な個体。
入館してすぐの水槽にもチョウザメが泳いでいたけれど、そちらも恐らくは同じカルミカと思うのだけど、そちらにいるものの方がいくらか綺麗。
作出品種なので、珍しいと言っていいのかは分からないけれど、室蘭水族館以外では見たことも聞いたこともないものなので、現状では結構珍しいものと言っていいと思う。

葛西臨海水族園の気になる魚 Vol.3 [海の魚]

9月も半ばになり、水族館巡りを復活させるべく、リハビリのつもりで葛西臨海水族園に足を運んだ、というのはひとつ前のブログでも書いた通り。
今回の訪問では、予期せぬ出会いが2つもあった。
そのひとつは、ひとつ前のブログにも書いたマグロの繁殖行動。
そしてもうひとつ、これもひとつ前のブログに書いたけれど、イタチザメの幼魚だ。
IMG_3771.jpg
人に対しての危険度も高く、何でも食べてしまう大型種として知られているイタチザメ。
海の中での悪食ぶりからは想像できにくいが、飼いにくい種類で、これまで沖縄美ら海水族館でしか見ることができない種類だった。

葛西臨海水族園に入館し、エスカレーターを下ると、正面にシュモクザメの水槽が現れる。
水槽左右のアクリルパネルに魚名を記したシールが貼られているが、その一番上はシュモクザメだったはずなのに、それより上に何かしらのサメのシルエットが貼られているのが目に入った。近づいてみると、イタチザメとある。
ええっ!! と驚きつつも、水槽内を見回してみるも、その姿はない。
入ってすぐに死んじゃったのかも… なんて思いながら、水槽の前を離れようとした時、水槽の端を泳ぐ細長く小さいサメを見付けた。
IMG_3777.jpg
イタチザメらしさを感じられることを狙ったショット(笑)

全長で80㎝ほどだろうか。1mには満たない小さな個体だ。
恐らく、産まれて間もない個体だろう。
これまで見てきた飼育下のイタチザメと同様、その泳ぎに力強さはなく、壁際をフラフラと泳いでいる。
シュモクザメやツマグロ、ウシバナトビエイなどの同居魚と遊泳コースが重なると、驚いたように水槽の中央付近まで飛び出てくる。
あの水槽を泳ぐサメの中ではもっとも大型化する、もっとも強力な捕食者だが、水族館で見ている限り、そんな感じはまったくしないのが不思議なくらい。

ちなみに、葛西へ搬入されたのは8月21日とのこと。
既に自力で餌も食べているそうなので、すぐに死んでしまうことはないと思うけれど、先にも書いたように、5年も飼うと記録になってしまうような飼育困難種だから、興味のある人はお早めに。
うまく育ってくれるといいのだけど…


葛西臨海水族園は今年で25周年なのだそうだ。
初めて行った時のことは憶えているけれど、当時は海の魚に対する興味が今ほど強くなかったこともあり、水槽の中身がどうだったかまでは残念ながら憶えていない。
ただ、水族館の雰囲気自体は当時も今も大きくは変わっておらず、展示や館内の雰囲気に別段古臭さも感じないので、そういう意味では凄い水族館だったんだなぁ、と思わされる。
もっとも、水槽によっては、透明度やキズなどが気になる所もあるけれど…

20年前後の歴史のある水族館や水槽には、それができた時からいる、という主のような存在がいるものだが、葛西臨海水族園にもいる。
カリブ海水槽のフレンチエンゼルと、紅海水槽のイエローバンドエンゼルがそれ。
IMG_3818.jpg
フレンチエンゼル。
IMG_3842.jpg
イエローバンドエンゼル。

どちらも開園当初からいるらしい。
観賞魚としても比較的ポピュラーな種類だけれど、今でこそさほど高くない値段で買えるが、25年前は結構高かったんだろうなぁ(笑)
この手のヤッコ類がどのくらい生きるものなのかは知らないのだけど、葛西の両者は老成した感じでもなく、まだまだ長生きしそうだ。
水族館以外でも見掛ける機会の多い魚だけど、そこは流石の25年もの。葛西にいるものほど大きく立派なものはまず見ない。
それだけでも見る価値はあると思うけれど、葛西臨海水族園の歴史の生き証人だと思うと、その見え方もちょっと違ってきそうな気がする!?

最後に普通に? 気になった魚を1匹。
アマモの水槽にいたカミナリベラ。
IMG_3759.jpg
水流に揺らぐアマモの森を眺めていたら、鮮やかな体色を持った魚が横切ったのが見えた。
しばらく出待ちしていたら、出てきたのがこのカミナリベラだった。
鮮やかなのは1匹だけだったから、成熟したオス、葛西流に言うならターミナル・フェイズ、だろうか。
綺麗だったから、写真を撮ろうと粘ってみたんだけど、あの水槽、写真を撮るのがものすごく難しいことが分かった。
何故なら、水槽正面のアクリルパネルが上に向かって傾斜しているから。
下の方でゆっくり動いているなんて、いかにも撮りやすそうな状況でも、ピントは合わないし、上からカメラの真上に降り注ぐ光が、床や水槽下のフレームに反射して、写真の下側が白く飛ぶなど、本当に大変だった。
結局、満足できる写真を撮ることはできず、そんな意味でも印象深い魚になってしまった。

写真を撮ろうと思わなければ、とても綺麗な個体だし、揺らめくアマモの中から探し出す楽しみもある。ちょっとした宝探し、みたいな感じかな?

個人的には再チャレンジしたい1匹、なのだけど…

水族館ブログ再始動 リハビリは葛西臨海水族園で (マグロの話) [海の魚]

どんなことでも“やってないと下手になる”というのがオレの持論。
ある程度できるようになってることでも、しばらくやらないと、すぐにうまくできなくなってしまう。
特に、上手でもないものに関しては、やり続けてなければ、絶対上達しないと思うのだ。

それなのに、オレときたら、7月25日のSONY水族館のオープニングセレモニー以来、カメラに触ることもなく、気付けば9月。
ブログもずっと放置したまま。
流石にヤバイと、リハビリ兼ねて葛西臨海水族園へ。
とは言え、久しぶりなせいか、やっぱり写真がうまく撮れず、ヘコまされる。
でもまぁ、面白いものも見られたりと、久しぶりの葛西はそれなりに充実してた。

まず、入館してすぐのシュモクザメの水槽にイタチザメがいた。
IMG_3773.jpg
これについては、次のブログに続けようと思うので、ここでは“いた”ということだけ。
飼いにくいサメなので、興味のある人はお早めに!!

空いてる水槽を狙いつつ、ひとしきり写真の練習に疲れてきた頃、マグロ水槽でも見て帰るか、と、帰る前にマグロ水槽へ。
給餌が終わり、マグロ水槽前も空き始めつつあった。
泳ぐマグロを眺めていると、何匹か、やけに黒ずんだ体色の個体がいて、そんな黒い個体の体側には白いフレーク状の模様が浮き出ている。
IMG_3900.jpg
これまで葛西では何度もマグロを見てきているけれど、こんな色、柄のものは見たことがない。
そういえば、少し前に久しぶりに産卵があったというニュースを思い出した。
もしかして、婚姻色みたいなもの?
そんなことを思いつつ、黒ずんだ個体を狙って撮っていると、追尾が始まった。
もしかして、このまま産卵が始まるのか!? と色めきだちつつ眺めていると、追尾している個体から、白い筋のようなものがフワッーと吹き流しのようにたなびいた。
放精だったのかも知れない。
IMG_3881.jpg
ちょうどそこに給餌解説を終えたスタッフ氏がいたので聞いてみると、
やはり繁殖にまつわる行動で間違いなかったようだ。
体色の黒化は、極端な興奮状態になった時に、発色が見られるものらしい。
こうした繁殖活動時以外にも、パニックになった時なども同じような体色になるとか。
IMG_3926.jpg
先にも書いたように、今年は久しぶりの産卵が見られたそうだが、産卵があって以降、餌が引き金になって、こうした繁殖モードに突入する、ということがしばしばあるらしい。
最近はよく見られているとのことだが、それでもいつでもではないそうなので、いいものが見られた、ということのようだ。

産卵は、その他の魚と同様、水温の変化などがひとつのきっかけにはなっているらしい。葛西でも水槽の水温を時期に合わせて調整しているそうで、高めに設定される夏場、8月になってから産卵、そしてそれにまつわる活動が見られるようになったとか。
ちなみに、葛西臨海水族園の25年の歴史の中で、マグロの産卵は今回で4回目。
もしかして、メチャクチャ貴重なものを見たということかも?

先にも書いたように、いつでも見られるものではないので、必ず見られるとは限らないけれど、マグロのオスの黒化した体色や、追尾など一連の繁殖活動が見られるチャンスだ。
クロマグロを展示している水族館は他にもあるけれど、それが見られるのは、恐らく、葛西臨海水族園だけだ。

リハビリのつもりがとんでもないラッキーに見舞われた、久しぶりの葛西でした。
まったく、水族館って楽しいねぇ(笑)

アクアマリンふくしまの気になる魚 [海の魚]

アクアマリンの話は2つ前のブログで終わりのつもりでいたんだけど、残念なニュースが聞こえてきたので、急遽、もうひとつ。

アクアマリンで見た魚の中で、コシナガと並んで強い印象に残った魚がもう1匹いた。
深海に住まうヤエギスだ。

ヤエギスの展示を始めました、という話はHPで見て知っていたのだけど、そのヤエギスを知らなかった。
手持ちの図鑑には載っていなかったから、ネット検索してみると、アクアマリンで撮影された幼魚(展示個体)か、標本になっているボロボロのもの。あるいはイラストがいくつかヒットするくらいでほとんど情報もない。
深海の住人で、しかも食用にもされていないとなると、そんなものなのかも知れない。
いずれにせよ、ほとんど知られていない魚。珍しいと言っても差し支えないだろう。

“ヤエギスを展示しました”というHPのニュースを見た記憶はあった。でも、そんなニュースを見たことはすっかり忘れてしまっていた。そこで今回のアクアマリンである。
水槽を眺め、進んでいくと、見たことのない魚が。それがこのヤエギスだった。
IMG_3549.jpg
そこでニュースを見たことも思い出すワケだけれど、それ以前に“何て綺麗な魚だ!!”と驚いた。
こんな綺麗な魚を今まで知らずにいたなんて、何だか損した気分にさえなったくらい。
オレが見た情報では、もっと小さな魚を想像していたのだけど、そこから死なずに育ち、15㎝ほど。体高(上下のヒレの先まで)は30㎝くらいあっただろうか。
それより何より、その長く大きなヒレの綺麗なこと!!
IMG_3532.jpg
まさにヴェールのようで、ターンする時などにはひらりという音が聞こえてくるような気がするほど、優雅になびく。
深海の住人だけに、水槽は薄暗いのだけど、動きはゆっくりで写真も撮りやすい。
しかも、カメラを向けると、まるでポーズを取るように、ヒレを広げたり、体の向きを変えてくれたりする(笑)
きっと自分の美しさをよく分かってるんだろうな、なんて思いながら、撮影を楽しませてもらった。
IMG_3549.jpg
次に会う時が楽しみ、なんて思っていたこのヤエギスなのだけど、8月12日に死んでしまったのだそうだ。
http://www.minyu-net.com/news/topic/140813/topic3.html
189日の飼育日数は、世界記録らしい。と言うか、アクアマリンでしか飼われていなかったのだから、それが1日だったとしても記録ではあるのだけど…
でも、分からないこと尽くしの深海魚が、これだけ長期に渡って飼育、展示がなされたことはやはり凄いことだ。

この個体に会えないのは残念だけど、アクアマリンからするとこの個体は2匹め。
2度あることは3度あるとも言う。
もし、次の機会が訪れたなら、その時も会いに行こうと思う。

アクアマリンふくしまの大水槽の気になる魚 [海の魚]

アクアマリンふくしまの大水槽「潮目の海」は、アクアマリン中でも好きな水槽のひとつ。
ガラス張りの建物ならではの太陽光が降り注ぎ、とても綺麗だからだ。
三角形のトンネルを挟んで親潮、黒潮の2つの水槽に分かれていて、水温の冷たい親潮水槽は海藻類が茂り、その間を様々な魚が行き交う美しい水景が楽しめる。反対側の黒潮水槽はアクアマリンでは最大の1500tの水槽で、中はシンプルなベアタンク。大量のイワシと、カツオが主役。今回はその黒潮水槽の(魚の)話。

先にも書いた通り、水槽の主役はカツオとイワシ。
もちろん、カツオはイワシを襲うので、イワシたちは水面付近で群れをなしている。
食われてしまう分を見越してか、大量に入っているので、群れの変化を楽しむというよりは、水面を覆い隠す雲のような感じ。

もうひとつの主役であるカツオは、その下、中層よりやや下あたりを泳いでいる。
カツオを飼育する水族館はいくつかあるけれど、飼いやすい魚ではないのだそうだ。
遊泳速度の速さや、神経質な性質なども関係しているのだろうけど、飼育下にあるものはキズが多く、綺麗でないことが多かったり、美ら海水族館などではアクリルパネルの近くまで来ないために見えにくく、それがいるのが分かる程度。よく見知った魚であるにも関わらず、印象に残りにくい魚だったりする。
しかし、アクアマリンのこの水槽はそんなカツオがすごく見やすい。
IMG_3316.jpg
飼育を難しくする要因でもある弾丸のような泳ぎが、その姿形をじっくり見ることも難しくしているが、この水槽では何故か、比較的ゆっくり(カツオにしては)泳いでいて、色や形をじっくり堪能することができるのだ。
しかも、泳いでいるものはどれも、かなりしっかりむっちり育っていて、力強い遊泳魚に(=美味しそうに・笑)見える。
イワシを襲うモードに入ると、体側によく見知った縦縞が現れ、ミサイルみたいに群れの中に突っ込んでいく様子も観察できる。
太陽光が降り注ぐ水槽だけに、何となく眺めているのが気持ちのいい水槽だったりするのだけど、カツオのカッコよさについつい写真を撮りたくなってしまい、結局、必死になってしまう(笑)
でも、カツオのカッコよさを堪能するなら、どこよりもオススメな水槽だ!!

同じ水槽にはマグロも泳いでいる。
かつては大型種であるクロマグロがいたこともあったけれど、今はいない。
でも、そこそこ大きくなるキハダがいる。
IMG_3479.jpg
キハダは黄色いヒレを持った種類だが、陽の光が入る水槽で見ると、青い背中と黄色いヒレが何とも綺麗なのだ。
個人的に、マグロの類は太陽光が入る水槽で見るに限る!! と思っているのだけど、中でもキハダは特に陽光下で見たい。まさしく光り輝くヒレや小離鰭がものすごく綺麗で、カッコよく見えるから。とりわけ、数匹いる少し大きな個体に日が当たった瞬間は、ハッとさせられるほど綺麗でカッコいい。
アクアマリンふくしまの水槽では少々狭く見えてしまうような大型魚だが、その泳ぎがカツオほどにはせわしなくない分、それよりはじっくり? 見ることができる。

カツオやキハダはアクアマリン以外でも見られるし、見たことがあるけれど、同じ水槽にいたコシナガは、アクアマリンでしか見られないマグロ類だ。
IMG_3494.jpg
食用のマグロとしても、他の種類ほどメジャーではなく、明確に区別されることが少ない種類なのだとか。
つまり、マグロとしてはかなりマイナーで、注目度の低い種類。
数種類あるマグロの中から、わざわざそれを展示するなんて、アクアマリンもかなり物好きなようだ(笑)
もちろん、生きた姿を見たのは初めてだ。
でも、そのコシナガ、サイズもそれほど大きくないので、カツオ、小型のキハダと一緒に群れ泳いでいる。同属ということもあり、顔つきはキハダとそっくり。カメラを構えて待ってても、パッと見ではキハダと区別が付かず、目の前を通り過ぎてしまったり、撮ったと思ったら、黄色いヒレが見えたりと、なかなか難しい。
ただ、ずっと眺めてると慣れてくるのか、ヒレを見なくてもコシナガが分かるようになってきた。
アクリル面の近くに来ないので、写真は撮りにくかったけど、ここでしか見られないマイナーなマグロが見てみたいという人は、アクアマリンまで!!

カツオやマグロ類に加え、この水槽にはちょっとした脇役も入っている。
以前はバショウカジキやギンカガミなんかがいたこともあったりと、ちょっと面白い魚が見られたりする。
今回見られた脇役その1は、ハマダツ。
IMG_3457.jpg
水面付近のイワシの群れの中に混じるように泳いでいたけれど、驚いたのはそのデカさ。
1.5mくらいありそうなサイズ。ダツというと、サンマを大きくしたみたいなヒョロッとした魚、というイメージだが、その大きな体にはそんなイメージがなく、一瞬、何あの魚? と思ったほど。
そんなマッチョなハマダツだが、イワシたちにとっては脅威ではないらしく、群れの中を泳いでもほとんど逃げ回ることはなかった。
まぁ、魚から伝わってくるピリピリとした感じ? 威圧感? は、確かにカツオほどではなかったけれど…

気になる脇役その2はタチウオ。
IMG_3454.jpg
下層にカツオが勢いよく泳いでいるせいか、立っているものはなく、どの個体も普通の魚と同じような姿勢で泳いでいた。
時々、イワシを襲うようなそぶりを見せるものの、やはりカツオほどの威圧感はない模様。
ずっと見ていると、アクリルにぶつかる個体がいたりと、飼育の難しさの理由を垣間見た気がした。
水族館でタチウオというと、暗い水槽でひっそり展示されていることが多いけれど、ここでは太陽光が降り注ぐ明るい水槽での展示。
キラキラ輝く体がますます眩しく見えた。暗い水槽で見るのも悪くないけれど、明るい中で見るのもいいものだなぁ、と、その魅力を再発見したような気になれた。
ご用の方はmistralaquqrium@gmail.comまでご連絡下さい。
メッセージを送る