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新生 マリンワールド海の中道 [水族館レポート(認定)]

マリンワールド海の中道が約半年の休館期間を経て、リニューアルオープンした。

実を言うと、今回のリニューアルにはあまり期待していなかった。
だって、既存の建物を使うだけでなく、一部の水槽はそのまま。しかも、リニューアルのために閉館するのは、あの規模の水族館としては信じられないくらいに短い、たったの半年。
そんなに大きくは変わらないのだろう。そう思ってもおかしくはないだろう。
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でも、実際に行ってみると、思っていたよりあちこち変わっていて、ちゃんと“新しい水族館”に来たという感覚が味わえる、新生マリンワールドに生まれ変わっていた。
まず、入館してすぐの水が流れるエントランスが、それまでとは大きく違っている。
緑の植栽がされた壁に向かうように階段を上がっていくと、そこにあったはずのトンネル水槽はなくなり、その代りに新設された玄界灘水槽に出迎えられる。

ハーフトンネル状になった水槽の上を見上げると、約1分ごとに0.5tの水が降り注がれ、玄界灘の荒波が表現されている。
水が落ちてくると、明るかった水槽はその瞬間暗くなり、頭上には大きな雲のような白い波によって海水は激しく泡立てられる。そしてそれまで目の前にいた魚の姿は見えなくなり、本当に強い波の中にいるような気分が味わえる。
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以前のマリンワールド海の中道の展示テーマは「対馬暖流」だったが、新生マリンワールドでは、それが「九州の海」へと一新。
新しい展示の始まりが、福岡の北側にある玄界灘から始まっているというのは、その後の展示ストーリー上でも重要だったのだろう。
その玄界灘水槽を抜けると、そこから先は九州各地の海をテーマにした展示が続く。
ここに並んだ水槽は以前の水族館から引き継がれたものも多いが、どの水槽も中の住人が変わった他、照明なども変更されているから、やはり“変わった感”が楽しめる。
その中でオレが気に入ったのは、アカオビハナダイが沢山いる錦江湾水槽と、カッコいいオオニベが泳ぐ宮崎海岸水槽、大きくて綺麗なイカがが泳ぐ佐賀イカ水槽の3つ。
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オレが行ったプレオープン時には、まだできあがって時間が経っていなさそうな水槽もいくつかあったので、今後しばらくすると、その3つも含め、水槽の見え方は違ってくるはずで、中の住人の成長などに合わせてより魅力的な水槽になっていくはずだ。

もっとも大きな変貌を遂げたのは、その先に現れる阿蘇 水の森ゾーン。
数少ない淡水の展示ゾーンで、そこに山の中の一部を切り取ってきたかのように、小川が流れ、木や草が茂っている。かつてはマリンサイエンスラボがあった場所だ。
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もちろん、木や草は本物ではないが、川を泳ぐ魚や水草、苔などは本物。
そうした展示を本来は眺めるべきなのだろうけれど、山の中の小川に来たかのような清涼感が心地よく、ひと息つくために立ち寄りたくなる、そんな展示ゾーンだった。
とは言え、実際にオープンしてしまった後は、そんなゆっくりできる場所ではなくなるのだろうけれど……

個人的に“これはいい!!”と思ったのが、かいじゅうアイランドの新しい展示スペースへ移動されたペンギン。
以前は、イルカショープールの地下部分、レストランの片隅みたいな場所に展示されていたのが、文字通り、日の目を見ることに。
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新しいペンギンの住処は、ゴルフ場みたいな芝生の広場。
ペンギンが歩き回ったり、糞を撒き散らかしたりで、綺麗な状態を維持するのは大変だろうと思うのだけど、これまでより広く、明るくなった場所で、手を伸ばせば届いてしまうような近さで見られるというだけで、福岡のペンギン好きは大いに喜べるはずだ。
リニューアル前のペンギンは、ものすごく存在感が薄かったからね。

ここに書いた部分以外にも、変化、変更された部分は多い。例えば、照明が変わり、見やすくなった大水槽や、広くなったスナメリプール、すごく綺麗に生まれ変わったレストラン等々。

是非、自分の目で、変化、変貌に驚き、楽しんで欲しい。

あそびーち@うみたまご(大分マリーンパレス水族館) [水族館レポート(認定)]

以前、マサカメTVに呼んでいただいた時のこと。
移動中、ディレクター氏から、下見&ロケハンのため、海きららを日帰りしたという話を聞いた。
それを聞いて、日帰りできるんだ!! 空港から遠い海きららが日帰り可能なら、他の九州の水族館ももう少し気軽に行けるかも!? と思った。
本当にできるか試すべく、前から気になっていたあそびーち(うみたまご)に行ってきた。羽田発大分行きの朝一の飛行機(6:40)で向かい、水族館着は10時。帰りは水族館前17:06のバスなので、オープンラストはできなかったけれど、それでも7時間はいられることが分かった。
羽田6:40分の飛行機に間に合う人なら、うみたまご、日帰り可能です!!

さて、あそびーち、である。
その名前からも分かるように、イルカが暮らすプールに砂浜が作られており、お客がそのプールに入っていく(泳いだりはできないが)ことができる、所謂、ふれあい施設。
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イルカ(動物)おさわり施設にいい印象を持っていないオレとしては、発表されたコンセプトを見て、あそびーち、どうなのよ!? と思ったのが正直なところ。
普通の水族館であるはずのうみたまごが、わざわざイルカおさわり施設作らなくても…… と、思ったワケです。
でも、そこにいるのは、日本の水族館では全国3カ所でしか見られないマダライルカ。さらに、うみたまごでしか見られないハセイルカもそこにいるという。
それだけでもエラく特別感があって、気にせずにはいられないというものだ。
イルカおさわり施設に懐疑的とか言いながら、しっかり短パン&着替えも持って準備万端で向かった(汗)

でも、結論から言うと、そこまでは必要ない。
人がプールに立ち入れるエリアもしっかり制限されていて、ごく浅いところまでしか入れないので、裾をまくるくらいで十分。
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普通に考えれば当たり前の話なのだけど、イルカたちには自由に触れることはできず、触れるのはそこに飼育スタッフの人がいる時だけ。
でも、そこに飼育スタッフの人がいると、イルカは近付いてくるし、それによってかなり近い距離で見ることができるし、タイミングが良ければ触らせてもらうこともできる。
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かく言うオレも、初めてマダライルカに触れることができた。とは言えその触り心地は、特徴的な何かがある訳でもなく、ごく一般的なイルカのそれだったけれど。

あそびーちの魅力は、イルカに触れることより、イルカとの距離感や、珍しいイルカをアクリルを介さずに間近で見られることじゃないかと思う。
例えば、ここにいる珍しいハセイルカも、かなり近くで見ることができる。
イルカ以外にも、アザラシがいたり、ウサギやカメなどに触れたり、ペリカンやペンギンがやって来たりと、小さい子でも動物に触れたり、間近で見たりすることができる。
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オレみたいな者からすれば、ハセイルカやマダライルカを間近で見られるだけで大満足なのだけど、オレが行った当日、その場に沢山いた遠足の子供たちは、珍しいイルカよりも、水辺での水遊びや、ウサギやリクガメを触れたりなどの体験の方が楽しそうだった。
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手の届きそうなところにカメレオンがいたりする。多分、寒くない時期だけだと思うけど。

あそびーちができる前から、うみたまごは規模が大きな水族館だったが、この新しい施設の追加で、さらに楽しく、時間が足りなくなる? 水族館になってしまった。
オレはというと、時間が足りずにほとんど見られない展示もいくつかあったので、遠方から日帰りしようという人(あんまりいないと思うけど)は、時間配分には気を使った方がいいかも知れない。

復活!! もぐらんぴあ (岩手) [水族館レポート(認定)]

ゴールデンウィークを目前に控えた4月23日、岩手県久慈市のもぐらんぴあがオープンした。
5年前の大震災で壊滅的ダメージを受け、閉館を余儀なくされてしまった水族館が、5年の歳月を経て、以前と同じ場所で再オープンを果たしたのだ。オープンというより、復活と言った方が相応しいだろうか?
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あれだけ大きな被害だったのだから、同じ場所で復活することはないだろう。そんな風に思っていた。
実際、震災後は久慈の市街で「まちなか水族館」として営業を続けていたから、そのまま続いていくのだろうな、と。
しかし、もぐらんぴあに関わる人や、久慈の人たちは、遠くで甘っちょろく考えていたオレとは違い、同じ場所で復活して見せた。
その強い思いと情熱には、ひたすらに頭が下がる思いだ。

もぐらんぴあに行ったのは実は今回が初めて。
だから、震災前の施設と比べて、という話はできないのだけど、行ってみて驚いたのは、その水族館がある場所だった。
もぐらんぴあは久慈市の国家石油備蓄基地の作業用トンネルが水族館に転用されてできた水族館なので、その名前の通り、トンネルの中にある。
それは聞いて知ってはいたけれど、大きくくり抜かれた岩盤のトンネルを目の当たりにすると「よくもまぁ、こんな所に水族館を作ったもんだなぁ…!!」と驚かずにはいられなかった。
トンネルと言っても、大きな重機が入れるほどの広さがある広大な空間。むしろ、心地よい暗さと、少しひんやりした空気。そして静けさ。
水族館としては、ここ以外にはない環境は、意外性というのか、新鮮な印象?
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水族館としての展示は、石油備蓄基地関連の展示を経た先にあって、まずは地元、久慈の海を紹介するコーナーから始まる。
震災前と復活後の両方に行ったという知人の話では、展示内容等も含め、大きくは変わっていない、というか、ほぼ以前のままに復活しているそうだが、このエリアは再オープンで新しく作られた水槽なのか、どれもピカピカ。
一番大きな久慈の海水槽では朝ドラで有名になった? 北限の海女や南部潜りの実演(土日祝のみ)も行われるらしい。
人が入って動き回るには、ちょっと狭いんじゃない? みたいにも思えたのだけれど、オレが行った平日にはその実演はなく、見てはいないのだけど……

トンネルはY字状に掘られていて、奥へ奥へと進んでいく感覚も何となく探検しているようで楽しい。
それなりに大きいとは言っても、そこは山をくり抜いたトンネルだから、水族館としての規模はそれほど大きくはない。
しかし展示は、南の海から深海、クラゲまで揃っていて、しっかり水族館、という印象。
とりわけ、加茂水族館からやって来たクラゲの綺麗さと、ダイオウグソクムシには驚いた。
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ダイオウグソクムシがいること自体が驚きだが、それが複数匹いて、しかも比較的明るい水槽で展示されていて見やすい。筆者の知る限り、日本で一番ダイオウグソクムシが見やすい水族館ではないだろうか?
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トンネルの奥深くにあるメインのトンネル水槽には、あの震災を生き抜いたことで有名になったアオウミガメの「かめ吉」も戻ってきていて、新生もぐらんぴあのイメージリーダーとして来館者の人気を集めていた。
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でも、館内通路の壁には“ここまで津波が来ました”と塗り分けられていたりして、それがオレの身長よりも上だったりするものだから、その時の恐怖が想像できるようで、ここから復活したんだもんなぁ…… と感慨深く思わされた。

奄美海洋展示館(鹿児島・奄美大島) [水族館レポート(認定)]

日本には大小合わせて100以上の水族館が存在していて、その数はまだまだ増えつつある。
そのため、“こんなところにも水族館があるの!!”と驚かされることも多く、そんな知られざる水族館もまだまだ沢山あったりするんだろうなぁ…… と、ちょっぴり途方に暮れていたりするのだけど(笑)、その存在を知って“こんな所にも!!”と驚かされたのが、奄美大島にある奄美海洋展示館だった。
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その存在を知って、実際に行くまで、しばらく時間が掛かった。
水族館そのものはおろか、まず奄美大島自体の情報が少ないのだ。ネット検索しても、大きな書店に行ってガイドブックを探してみても、屋久島のオマケみたいに紹介されている程度。
件の施設のHPを見てみても、得られる情報は多くなくて、ホントにあるの? みたいな不安も少々……
という訳で行ってきました奄美大島。と言っても、実際に行ったのは4ヶ月前のことなんだけどね(汗)

目的の水族館である「奄美海洋展示館」はレンタカーで空港から約1時間ほど。奄美大島最大の街である名瀬の市街地から15分くらいの所にある大浜海浜公園の中にある。
ウミガメが産卵にやって来るという広大な砂浜、大浜海岸が目の前に広がる、とても素敵な場所…… なのだけど、オレが行った日は生憎の雨。
奄美大島は雨が多いらしい。
雨でも十分に素敵だったけれど、晴れた日ならではの素晴らしい景色も堪能したかったなぁ、と。

入館すると、展示館最大の水槽である奄美エコラマ水槽という大水槽に出迎えられる。
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砂浜から深場に至る奄美大島の海の環境を再現した水槽で、入り口正面部分が深場。水槽を囲むように配置された階段を上がりながら、サンゴ礁、浅場、砂浜と変化する環境が見学できる。

水槽内には、奄美の海に住む魚たちと3匹のアオウミガメが泳いでいるが、水槽の大きさに対して、魚の数はやや少なめ。色とりどりの魚たちが群れ泳ぐといった“南の海の大水槽”的な雰囲気ではないものの、中で暮らす魚にとってはゆったり広々。きっと快適に違いない。
数が少ない分、魚たちの愛想はよく、水槽に近づくと一斉に集まってきたりする。
また、3匹いるウミガメにはおやつのレタスを与えさせてくれるので、人を見ると必死なくらいに? 集まってくるので可愛い。まさにここのアイドル的存在だ。
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このエコラマ大水槽以外にも小さな水槽がいくつかあって、やはり奄美大島周辺に生息するエビやカニ、淡水魚なども展示されていた。
ただし、そこにいるのは比較的よく見る普通の種類が中心。奄美ならではの珍品、みたいなものがいたりする訳ではない。
だが、ネット検索して行った人のレポートなどを見ていると、オレが見たものとは違ったものが展示されていたという話もあったので、定期的に変更されたりしているのかも知れない。
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この施設、ここでは“水族館”として紹介しているが、必ずしも水族館ではない。
そもそも、施設の名称も水族館ではなく、海洋展示館となっていることからも分かるように、奄美の海をさまざまな角度から紹介する博物館なのだ。
館内にはパネルや模型などを使った博物館的展示もあり、水槽展示はあくまでそうした展示のひとつという位置づけだ。
そのため、水族館展示としては、ほぼ大水槽がすべて。
大水槽の住人はフレンドリーだから、カメや魚とおやつのやりとりをしているだけで、結構な時間が楽しめたけれど、先にも書いたように、規模は小さな施設だし、ここでしか見られないようなものもない。
だから、ここに来るためだけに奄美大島まで来ることはお薦めしない。

でも、奄美大島に来てみたい、とか、奄美大島に来る予定があるという人なら、是非、足を運んでみるといいと思う。
海洋展示館のある大浜海浜公園はしゃがみ込むだけで自然観察ができちゃうようなとても素敵な場所だし、展示館の展示を見れば奄美の海を深く理解できるような気分になれる。
オレはこの海洋展示館を目的に奄美大島まで出掛けたけれど、この海洋展示館がなければ奄美大島に来ることはなかったはずで、未知の奄美大島まで行くきっかけになってくれたことは結果的に感謝したい。

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ずっと雨だったけれど、奄美大島、いい所でした。
また行きたいなぁ、と思ってるくらい。
奄美にもう1度行ったなら、海洋展示館にはもちろん寄るけどね。

新生・琵琶湖博物館水族展示室 [水族館レポート(認定)]

4日前の14日、約1年の閉館期間を経てリニューアルオープンを果たした琵琶湖博物館水族展示室。
新規館のオープンやリニューアルの話も少ない今年、もっとも大きな注目案件と言っていいだろう。

正直言うと、不安だった。

琵琶湖博物館の水族展示室はお気に入りの水族館であり、現状で不満がない、つまりは変化を求めていない水族館だったからだ。
これまで、リニューアルによって生まれ変わったことで、以前のようには足が向かなくなってしまった水族館もあったから、琵琶湖博物館にはそうなって欲しくなかったのだ。
しかし、リニューアルに関して聞こえてくるニュースと言ったら…… 変化を望んでいないオレには、何とも不安になるようなものばかり。
不安と期待を抱きつつ、生まれ変わった水族展示室へと向かう足は、決して軽いものではなかった。

結果的にはオレの不安は杞憂に終わった。
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壁の色、水槽内の照明、レイアウト等々…… 確かに変わっていた。
これまでただの通路だった場所にも、様々なパネルなどが設置され、見所はそれまでより大幅に増やされている。
しかし、水槽そのものは、リニューアル前と同じ。
水族展示室と同じくリニューアルした上階のC展示室がガラリと様変わりしていることを考えると、いくつか新しい水槽はできているとは言え、“変わった”という印象は薄い。
大きな水槽やその壁が建物の構造体となっている事情もあって、C展示室のようにその場を更地にして1から作り直すことができなかったという事情もあったそうだが、“リニューアル”というよりは“リフォーム”と言った方がイメージしやすいかも知れない!?
オレにとっては変化の少なさは好印象だったけれど、それが水族館的に良かったことなのかは分からない。ドラスティックな変化を期待していた人にとっては拍子抜け、かも知れないから。

新しくできた展示も良かった。
「暮らしの中の魚たち」の展示ゾーン、最後のところに作られた鮮魚店「魚滋」。
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鮮魚店、と言っても、もちろん本物ではなく、並んだ商品も含めて精巧に再現されたレプリカ店舗だ。
琵琶湖周辺地域は昔から、そこで獲れる魚を使った独自の食文化を発展させてきた。
有名なのは鮒寿司だが、それ以外にもその地域ならではの特産品も多い。
ほとんどの人にとって、魚の興味といえば何よりその“味”だろうと思うのだが、湖産魚類の利用方法と、食文化をひと目見ただけで分かるように紹介された展示は、多くの人の興味を引くのだろうし、オレはそこに並んだ魚やその料理を食べてみたいと思った。

そして、まったく新しく作られた水槽が、カットリヤナを再現した水槽だ。
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カットリヤナは、湖の魚を漁獲するためのひとつである「梁・やな」の1種。
湖から流入河川へ遡上するる魚たちの姿や、場合によっては梁を飛び越えようとジャンプしたり、季節によってはそこで産卵する姿も見せられるかも知れない、とのこと。
この水槽にはアユ、ハス、ニゴイが入っていたけれど、しばらく誰も通らなかった水槽前に急遽大勢の人がやって来たせいか、ハスが盛んにジャンプを繰り返す。
遊泳力の強い魚だということは知っていたつもりだったけれど、こんなに跳ぶの!! というくらいのジャンプを何度か見せてくれた。
水槽から出ちゃうんじゃないかとヒヤヒヤするくらいの大ジャンプ。
運が良ければ、そんなシーンにも遭遇できることもある? 水槽だ。

そして、バイカルアザラシが展示されることで話題となった「世界の古代湖」ゾーン。
ここはリニューアル前、「世界の湖」だったコーナーだ。
チョウザメ水槽とタンガニイカ湖の水槽だけは手つかずで残ったが、それ以外は中身丸ごと、あるいは水槽ごと変更になった。
展示内容的にはもっとも変化が大きかった部分だが、話題性ではやはりバイカルアザラシだろう。オレが行った内覧会当日も、午前中は報道陣が、午後は特別入場していた年パス保有者たちが水槽前を埋め尽くしていた。

バイカル湖の展示は今回のリニューアル最大のトピックスだ。
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アザラシ用も含めれば4つの水槽があてがわれているが、正直、アザラシなんてオマケみたいなもの。関西で初めての展示らしいのだけど、琵琶湖博物館以外でも見られるので驚きやありがたみは少ない。
一方、固有の魚類と大型ヨコエビは、ここでしか見られない超激レア生物である。
寒い地域の魚なので、サケ科、カジカが多く、後はコイ科少々といったラインナップだが、どれも見たことがないものばかりどころか、名前すら聞いたことがないものがほとんど。
飼い方だってよく分からない未知の魚たちを、こうして生きた姿で紹介してくれたことは本当に凄いと思うし、ありがたいと思う。

中でも、2種類の大型ヨコエビ類は、その何とも気持ちわ…… じゃなかった、カッコいい強烈ルックスも手伝って、今回のリニューアルの超目玉。琵琶湖博物館のフラッグシップ展示と言っていいんじゃない? みたいなインパクトがある。
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TwitterやYoutubeでの人気ぶりを見ていると、もしかすると、本当にダイオウグソクムシ以来のブームが到来するかも!? みたいな気がしたくらいだ。
展示に出ているもの以外にも、まだいくつか隠し球があるらしいので、それらが展示に登場する日も心待ちにしたいと思う。
新装オープン間もない今は、とても混雑しているらしい。でも、このバイカル湖の生物たちが見られるだけでも、混雑をかいくぐる価値はあると思う。
元々素晴らしかった琵琶湖産生物たちは、相変わらず素晴らしいまま見られるのだからね。

標津サーモン科学館(北海道) [水族館レポート(認定)]

遡上してきたサケを自然に近い状態で観察できる施設が日本に3カ所ある。
川で捕まえた個体を水槽展示したものではなく、遡上する川や水路に観察窓を取り付けて、自然のまま、あるいはそれに近い状態を見ることができる施設のことだ。
その内の2カ所、千歳水族館と新潟のイヨボヤ会館は既に訪問済み。残るひとつは北海道の東、標津にある標津サーモン科学館。
前々から行ってみたいと思っていたんだけど、昨年の遡上時期(9月初旬)にようやく行ってきた。
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標津サーモン科学館は遡上サケを観察できる3カ所中でも、もっとも東に位置していることもあり、一番早い時期からサケの遡上が見られる。
8月の中旬頃からサクラマス、カラフトマス、シロザケの順で始まり、11月中旬頃まで続くとのこと。標津は北海道でも多くのサケが集まってくる地域のようで、その時期には沢山の漁獲があるらしい。
先にも書いたように、オレが行ったのは9月初旬。他の2カ所には遡上がなく観察できないカラフトマスを狙って出掛けたのだけど、狙い通り、その遡上を見ることができた。

到着し、入館…… の前に、館の横を通り抜けて、まず、その先にある標津川まで行ってみる。
そこには観覧橋が掛かっていて、標津川とそこに設置されたウライ(遡上サケの捕獲装置)を見ることができる。川を泳ぐサケたちの姿だけでなく、捕獲されたサケたちの選別などの作業も見学できる。
川には沢山の遡上サケたちの姿が。天気が今ひとつだったので、川の中はハッキリとは見えなかったが、それでもかなりの数のサケがいることが見て取れた。
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大きなシロザケは分かるのだけど、はたしてこの中にカラフトマスもいるのかまでは当日の天気(光条件)では分からなかった。

川のサケを見た後、ようやく入館。
入館すると標津の海をテーマにした大水槽に迎えられる。
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泳いでいたのは海で捕獲された遡上前のサクラマスやカラフトマス。そしてソイやカレイ、カスベなど標津周辺で漁獲される魚、ブリやボラなど回遊してくる? 魚などが泳ぐ地域性の強いもの。
標津周辺の海を想像できるラインナップである反面、サケ・マス類がいない秋以外の時期だと少々寂しいのかも? そういう意味ではやはりサケの遡上時期がオススメの大水槽なのかも知れない。

大水槽の隣の部屋は、遡上サケを観察できるこの施設のメインというべき観察室。

とは言え、標津川に面した観察窓がある訳ではなく、標津川から引き込まれた水路に観察窓が取り付けられている作り。
そういう意味では千歳水族館よりも、新潟のイヨボヤ会館に近い。
しかし、窓はより大きく、水位も高いので目の前を泳ぐサケたちの姿はよりダイナミックだ。
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大雨などの翌日は遡上数が増えるので狙い目だが、水が強く濁るので見にくくなる。オレが行った日は微妙な天気で、水の濁りも強かった。本降りの雨ではなかったためか、水路を泳ぐ個体数は多くなかったものの、成熟したカラフトマスとシロザケが泳いでいた。カラフトマスを目当てに9月の早い時期に行ったのが当たったようで、水路を泳いでいるのはカラフトマスの方が多い。それが目的だったので、大きな満足感が得られたが、時期が遅くなると、両者の数が逆転してくるのだそうだ。
運がよければ繁殖行動も見られることがあるらしい。

標津サーモン科学館なんていう名前の施設だから、その主役は当然、サケ・マス類なのだけど、もうひとつの主役はチョウザメだと思う。
標津周辺では回遊してきたダウリアチョウザメが漁獲されることがあるようで、オレが行った時にも、大型のダウリアチョウザメが何匹かストックされていたのに加え、ダウリアチョウザメとベステルの交雑品種である「ベスカル」なるチョウザメを多数展示している。
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このチョウザメが相当に楽しませてくれたので、その話はこの次のブログで改めて。

これらのチョウザメの他にも、水槽展示されたサケ・マス類など、遡上時期でない時でもそれらの姿を見ることができるが、わざわざ行くなら、やはりサケの遡上時期に合わせて行きたいと思ってしまうのは、オレがサケの遡上に縁のない地域に住まう者だからだろうか?
ついでに言うと、科学館横にあるレストランでは、この時期ならではのサケを舌でも楽しむことができるし、買って帰る(食材として)こともできるしね。

目的だった遡上カラフトマスも見られたし、チョウザメも面白かった。
そういう訳で、個人的にはかなり楽しい施設だったし、サケの遡上が見たい人、チョウザメが好きだという人なら、その時期に行きさえすれば間違いなく楽しめる施設じゃないかと思う。
難点があるとするなら、ウチから遠く行きにくいことだろうか?

新生・サケのふるさと 千歳水族館(北海道) [水族館レポート(認定)]

昨年、2015年は新規オープンや大規模なリニューアルなどが続いた水族館の当たり年だった。
7月25日にオープンした「サケのふるさと 千歳水族館」もそのひとつ。
「千歳 サケのふるさと館」が大規模リニューアルを経て生まれ変わった施設だ。
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オープンしたのは昨年7月。オレが行ったのはその約3ヶ月後の10月末。
今頃? と言われてしまいそうだけど(汗)… 半年以上も前の話で、それ以降行っていないので、変わっている点もありそうだけど……

千歳水族館、というか、サケのふるさと館は、立地の利便性もあり、北海道の水族館ではもっとも多く足を運んだ施設であり、個人的にも好きな水族館のひとつだ。
それが大規模リニューアルするというのだから、当然、期待してしまうというものだ。
とは言えそこは北海道の水族館である。行きやすい場所にあるとは言え、簡単には行けない場所。どうせ行くならサケの遡上時期に合わせたいところだが、2015年のサケ遡上遠征は標津に行ってしまっていたので、2015年中には行けないかも、なんて思っていたところに、降って沸いたように北海道での仕事。幸運にも行くことができた。

ふるさと館の時代から、館の横を流れる千歳川の水面下を館内から観察できる観察室が自慢であり、この施設ならではの見所ともなっているため、サケの遡上時期には1年でもっとも多くのお客が集まるという。まぁ、オレもそのひとりではあるのだけど、サケが遡上しない時期の観客の満足度を高め、年間を通して入館者数を増やすというのも、リニューアルの目的だったようだ。

先にも書いたように、オレが行ったのは10月末。それも3連休の中日というタイミング。
リニューアル3ヶ月後のサケの遡上時期、3連休中日。もう完璧なまでの混雑条件。
ええ、それはもう激混みでしたよ。水族館に隣接する道の駅もリニューアルしていたことも手伝って、駐車場に入るだけでも待ち時間が発生していたほど。
流石にそんな混雑は落ち着いているのだろうけど、条件が揃うとそのくらいの混雑もあり得るということ。

人の波を掻き分けるようにしながら入館。
入館直後からそれまでとは雰囲気が変えられていて、違う施設であることが演出されているのだけど、メインの大水槽とその脇に並ぶ大きめの水槽の配置は変わっていないが、フロアも以前より暗くされ、水槽がより際立った印象。
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大水槽の照明も変更され、それまでよりも暗くなった反面、今まで以上の奥行き感のある、より大きな水槽に見えるように演出され、今どきの水族館らしい雰囲気の水槽となった。

水槽の数も増えていて、中でも注目は新設された支笏湖大水槽だ。
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千歳川の源流でもある支笏湖は、千歳市にある湖であり、千歳川をテーマにする水族館としては避けて通れない? 展示である。
以前のふるさと館にも支笏湖水槽はあったけれど、新水槽は大水槽と銘打たれているくらいで、チョウザメの泳ぐ大水槽に次ぐ大きなもの。
天井に向かってそびえるようなクリアで大量の水と、その奥に広がる青さ、そして水に揺れる水草。そのどれもが清涼感たっぷりで、暑い時期ならとても気持ちよく見えるのだろうと思う。
水槽の中を泳ぐのは、支笏湖を代表するヒメマスの他、ニジマスやフナ、エゾウグイなどと、いずれも小ぶりで色味も地味な小魚ばかり。
この水槽で楽しむべきは、魚そのものよりも、水の透明度や冷たさなど、支笏湖のイメージを膨らませられることなのかなぁ、と思ったり。
ただ、気になるのは揺らめく水草が本物だったこと。オレが見た時から、既に半年が経過しているのだけど、ちゃんと綺麗なまま育っているのかなぁ、とちょっと心配。あの水草がなくなると、水槽の印象もかなり違ったものになりそうだから……

新しい支笏湖大水槽、そしてその裏手には大きなタッチング水槽が2つ。
よくこんなスペースがあったなぁ!! と驚くところだが、ここは以前あったシアターの跡地。立派なシアタースペースを持つ水族館は少なくないけれど、個人的に水族館にシアターは要らない!! と思っているので、それが水槽に代わったことはいいことだと思う。

その先の千歳川ゾーンも大きく変更された。
壁面に沿った水槽は、それまで片側だけだったのが両側に水槽が作られ、その周辺には擬岩まで配されている。
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ただ、その分、通路が狭くなったので、館内が混雑している時には渋滞発生ゾーンになってしまう。通路の両側に水槽があるため、狭い通路が完全に詰まってしまうのだ。
だから、というだけの理由ではないけれど、通路の水槽はこれまで通り、片側だけで良かったんじゃない? というのがオレの意見。

そしてその先、世界の淡水魚ゾーンも大きく変更された展示ゾーンだ。
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先にも書いたように、ふるさと館時代は、サケの遡上のない時期は、来客数が少なくなる傾向があったそうだ。
そんなサケがいない時期でも水族館の楽しさを高めることを目的に作られた展示ゾーンだ。
変わった形の置き型水槽に、ピラニアや淡水エイなど、驚くほど珍しいものではないけれど、普通の人には“ちょっと変わった”魚たちが顔を揃えている。
淡水魚の水族館だから、こういうのがいてもいいと思うのだけど、それぞれ形の違った水槽が並び、そのいずれもが中の魚にマッチしたとは言い難い形状、サイズだったりする。
タッチング水槽のところでも感じたのだけど、まるで水槽のショールームのような感じで、見せたいのは水槽? みたいな印象。
正直、ちょっとガッカリした部分でもあった。

千歳川にサケがおらず、館内は大混雑。外は大雨という三重苦でしっかり楽しめなかったことも影響していると思うのだけど、個人的にはリニューアル前の方が好きだったかも、と思ってしまった。
その時受けた印象がそのままなのか、気分の問題だったのか。
また足を運んで、再確認してこなくちゃ!! と思っている。

渋川マリン水族館(岡山) [水族館レポート(認定)]

最近はちょっと検索すれば、行ったことのない水族館でも様々な情報が得られる。
HPなどが充実している施設なら、行く前からある程度の情報を把握できたりするけれど、それが小規模施設になると、得られる情報も少なくなってしまうことが多い。
4月の四国水族館遠征の最後に行った渋川マリン水族館も、そんな情報の少ない水族館のひとつ。以前は「玉野海洋博物館」という少々お堅い? 名前だった施設だ。
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岡山駅や空港などからのアクセスは正直、良好とは言えないが、屋島のある高松からだと比較的最寄りの宇野港までフェリーで行けて、そこからはバスで約30分ほど。むしろ高松からの方がアクセスがいい。
行ってみて知ったのだけど、60年を超す長い歴史のある水族館なのだという。しかし、その知名度と言ったら…… やっぱり水族館と名乗るようになって日が浅いから? とは言え、考えていた以上にちゃんと水族館だった。

大小30ほどが並んだ水槽の展示は瀬戸内海に特化している… 訳でもないようで、瀬戸内海や岡山にまつわる展示はさほど多くない。しかしその反面、南の海から寒い海まで、幅広い魚種が展示されている。大きめのサメもいるし、庭に出てみると、アザラシやペンギン、ウミガメもいる。ショープログラムこそないけれど、大規模施設の内容を規模に合わせて縮小した、みたいな感じ。
屋外のアザラシプールや、1羽しかいない古びたペンギンプールとか、長い歴史を感じさせる部分もあるけれど、現在の建物で数代目になるという水族館は、水槽もすっきり綺麗で、水槽サイズがあまり大きくないことと、照明がやや暗い点が今風ではないけれど、古くさい感じはしない。
でも、突っ込みどころがないというか、目立って悪いところもないのだけど、強い印象も残らない… そんな優等生的? な印象だった。
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ここでしか見られないような珍しいものはいないけれど、瀬戸内海に面した場所で、まさかタカアシガニやエゾメバルに会えたのは驚きだった。
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一方、岡山の水族館らしさを感じさせてくれるのが、地元の名産であるサッパが、それだけに水槽ひとつがあてがわれて展示されていたこと。
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サッパ? その名前でピンと来なくても、“ままかり”と言えば聞いたことはあるだろう。
岡山駅や岡山空港では、必ずこのサッパが載った押し寿司などのお弁当が売られている。
決して珍しい魚ではないはずだが、小さく地味な魚だからか、水族館では見掛ける機会もそう多くない。
酢で締められていないものは、こんな姿形をしているのだ!!

屋外の池には2頭の若いゴマフアザラシがいたが、かつてはここにオタリアがいて、ちょっとしたパフォーマンスを披露していたらしいのだけど、高齢で死んでしまった代わりにやってきたのがアザラシたち。
以前はアシカショー? 的なものもあったようだが、アザラシということもあってか、ショーなどは行われていないようだ。
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決して規模の大きな施設ではないけれど、上記の水族館にちょっとした博物館的展示も併設されていて、入館料はたったの500円。
地元密着型の施設としては、水族館らしさは十分に味わえるし、なかなか満足度も高いのではないだろうか?

ニフレル(大阪) [水族館レポート(認定)]

昨日19日、大阪の万博公園に「NIFREL」(ニフレル)がオープンした。
新規オープンや大規模なリニューアルが連続した2015年の最後を締めくくる大型施設。
“感性に触れる”をテーマに、海遊館がプロデュースする“生きたミュージアム”だという。
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ニフレルの周辺には、ららぽーとやシネコンを備えた超大型の複合商業施設が同時にオープンしている。大阪に新名所誕生、というワケだ。
大阪モノレール、万博記念公園駅から徒歩2分とアクセスは抜群に良好で、新しい商業施設群の中でも、もっとも駅寄りの位置にあるのがこのニフレル。しばらくはかなりの混雑を覚悟した方がよさそうだ。

このニフレルの展示、水族館とか動物園とか、既存の枠には当てはまらない新しい見せ方、展示を目指した施設であることは間違いない。
日本の水族館のほとんどを見てきた者からすると、例え新たにオープンした水族館でも、「この水槽はどこそこの水槽に似てる」とか「この水族館の雰囲気はあそこに似てる」みたいなことがあるものだが、このニフレルにはそれがない。
そもそも、ニフレルを手掛けたのは同じ大阪の海遊館である。同じような水族館を作ったところで、客の奪い合いにしかならない危険性もあるワケで、既存の水族館を作るわけにはいかない、という事情もあったのだろうと推測する。

最近オープンした水族館の例に倣い? 真っ白な外観を持つ建物に入館すると、そこに並ぶのは綺麗にディスプレイされた水槽群。
館内の展示ゾーンは「いろ」「わざ」「すがた」「みずべ」「うごき」「つながり」と、フロアごとにテーマが設定され、それに沿った展示がなされていて、魚類など、いわゆる水族展示は1Fの「いろ」「わざ」「すがた」の3つ。
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水槽はいずれも高さが低く、蓋がない。魚名板は小さなプレートが水槽の中に設置されているのみ。並んだ水槽そのものがガラスアートのようで、それ自体で完結しているようにも感じた。
一般的な水族館の展示とは一線を画しているけれど、水槽の中身が入ってようと、何もいなかろうと、見え方は変わらないのかなぁ、と。

水槽の展示ゾーンを抜けると、ニフレル最大の展示物である「ワンダーモーメンツ」というプロジェクション投影される大きな球体が現れる。
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フロアぶち抜きの大きな球体と床に描き出される流行りのプロジェクションマッピング。
水槽や壁に映し出されるものとは違い、そのために作られたものだから、規模も迫力も段違い。でも、水族館や動物園の展示…!?
それがここの最大かつ象徴的な展示になっていることからも、ニフレルの施設としての性格が見て取れるのではないかと思う。

2Fは「みずべ」「うごき」「つながり」の展示ゾーン。
行ってみるまで“ニフレルは水族館”だと思っていたのだけど、そこでそんなイメージは覆された。
2Fは陸上動物、それもかなりの大型動物が中心。水族館だと考えた場所で白いベンガルトラを見ようとは!!
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トラの所だけでなく、同じフロアにいるイリエワニやコビトカバのプールにも魚が泳いでいるのが水族館らしいところか。

さらに進んで「うごき」のゾーンに進むと、そこには放し飼いにされたワオキツネザルや鳥たちが飛び回る小動物園的なフロア。
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観客の足元をキツネザルが歩いていたり、頭上を鳥が飛んでいたりと、動物たちを身近に感じることのできる展示ゾーンで、ペンギンやカワウソもいたりするけれど、水族館的な“水感”はほぼなし。
でも、もっとも人気を集める展示ゾーンは、多分、ここだと思う。

驚いたのは、臭いがしないこと。
水槽はすべて上がオープンになってるのに、飼育水の臭いがしないし、動物がいるゾーンでも、飼育舎はすべてオープンな作りで、トラとコビトカバの間にカフェがあったりもするのだけど、臭いがまったく気にならなかったのには凄いと思った。

斬新と思える、これまでにない展示。
個人的な好みはともかく、それがいいのか悪いのか、オレには分からない。
オレ以外の水族館好き、動物園好き、そしてそのどちらにも当てはまらない人。
そんな人たちがこの展示を見てどう思い、感じるのか。そこに一番興味を惹かれる。

まずは一度、見てみて欲しいと思う。

思い出の… 新屋島水族館(香川) [水族館レポート(認定)]

先日、マリンピア松島水族館が惜しまれつつも、88年の歴史に幕を下ろした。
閉館の理由は、老朽化のため。水族館があるのが国立公園内ということで、その場での建て替えが許されないというのが閉館の理由だった。
それと同じ理由で、今年いっぱいでの閉館が予定されているのが香川県の新屋島水族館。
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今年で46年目を迎えるという老舗だけに、少々残念ではある。
それにしても、山頂まで行ける道も整備されているとは言え、こんな場所にイルカや海の生き物が見られる水族館があるという事実は、あらためて考えると驚きだ。今でこそもっと高い場所にも海水の水族館があるが、屋島水族館が作られたのは半世紀近くも前のこと。こんな場所に水族館を作ろうと考えた人に話を聞いてみたい気分だ。

正確な閉館時期は“今年中”ということ以外、決まっていないそうだが、閉館するのは間違いないらしい。
ならばその前に足を運んでおこうと出掛けてきた。

東京に住むオレにとっては、決して行きやすい水族館ではないのだけど、ごく小さな頃から何度か行ったことのある水族館でもあった。
最初に行ったのは、もう40年くらい前。入り口のピラルクー水槽ができてすぐの頃で、その時は館内にいたワニに強く心引かれたことを記憶している。そういえば、屋島山上の交通手段は、今や廃墟のようになっている屋島ケーブルカーだった。

最後に行ったのは25~26年くらい前。まだイルカプールはなく、マナティもいなかった。
それくらいぶりの訪問となると、あちこち変わっていたので、懐かしいというよりは、初めて来た水族館に近い感覚。しかし、小さい頃に輪投げをしたアシカショープールやピラルクー水槽など、昔から大きく変わっていない場所も残っており、館内をウロウロしている内に、昔はここにこんな水槽があった…… 等々、少しずつ昔の記憶が蘇ってきた。
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2Fの円形の回遊水槽はクラゲの展示コーナーに様変わりしていた。

水槽の中身までは流石に憶えておらず、昔と比べてどうか、ということはなかったけれど、展示には別段驚かされる点もなく、むしろ、ここがこうだったらもっといいのに…… みたいな思う点も残念ながら少なくなかった。
閉館が決まっている水族館だからなのだろうか?

でも、海獣類のショーやフィーディングタイムなども充実していて、考えていた以上に、長く楽しい時間を過ごすことができたのは幸いだった。

中でも、予想外に楽しめたのがアシカショーだった。
ショープール同様に年季の入った? 1頭のオス、ナックくんが登場する。
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高齢ということもあってか、一般的なアシカショーとは違い“顔芸”がメイン。
それでも、吐息が掛かりそうなほど近い位置でそれを行うので、小ぶりな技でも迫力を感じたし、逆立ちとか輪投げとか、アシカショーの定番演目がなくてもアシカショーってちゃんと成立するんだなぁ、という発見? でもあった。

遠い昔、100円入れると動く子供用のカートが走り回っていた場所に、小さなイルカプールが作られていて、ショーが観られるようになっていた。
屋島でイルカショーを観るのは初めて。屋島水族館のイルカショーというと、“斜め上を行く”と評される寸劇タイプのショーが行われているそうで、楽しみにしていた。
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しかし、件のショープログラムは土日のみ。平日は“普通の”イルカショー。
でも、ショープールが近く、着水の際に客席に水飛沫が勢いよく飛んできたりと、プールの大きさに見合わない迫力を感じられた。

イルカショープールの向かいには、水族館では少数派のゼニガタアザラシのいるアザラシプールがある。
オレが初めて見た鯨類はスナメリで、4歳の頃。そのスナメリが泳いでいたプールがあったのが、まさにこの辺りだった。

アザラシプールには、ドーナツ型の水槽が設置されている。
この水槽自体は、登別のマリンパークニクスのアザラシプールにもあって、そこで見たことがあったので、あらためて驚くことはなかったけれど、アザラシのフィーディングタイムが終わってしばらく経った頃、アザラシプールの掃除を始めた飼育スタッフ氏がそのドーナツ型水槽に入って、掃除しながら中を何周かしたのを見たのには驚かされた。
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中に空気が溜まってしまうからか、作業は息を止めたまま。
よく息が続くもんだなぁ、と変な感心をしてしまった(笑)

そのアザラシプール前に置かれていたドーム状のアフリカンシクリッドの水槽が。
太陽光が降り注ぐためか、魚たちの体色は非常に美しく、繁茂したコケの緑をバックに、非常に綺麗に見えた。
余談ながら、個人的には屋島でもっとも印象深い水槽だったような気がしている。

幼い頃の思い出が蘇ってきた屋島水族館も、先にも書いた通り、本当に思い出の中だけの存在になってしまうことが決まっている。
香川県には、それに代わる水族館施設のプロジェクトが複数あるようなのだけど、屋島水族館は今年いっぱいで見納めの予定だ。
いつもと変わらない水族館HPや、その後、何の情報も伝わってこない現状からは“本当に閉館するの?” みたいな気分にもなるけれど、気が付いたら閉館してた、なんてことになる前に、少しでも気になるなら、行ける内に行っておくことをオススメしておく。

“今年中”が本当なら、チャンスはあと4ヶ月しかないのだからね。
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