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サケ遡上 2014 @千歳サケのふるさと館 [淡水魚]

2011年に初めて川を遡上する姿を見て以降、秋の恒例行事となっている“サケの遡上を見に行く遠征”。
今年も例年通り? 北海道へ。目的地は千歳サケのふるさと館。北海道内なら、それが見られる場所はいくつもあることは知っているけれど、川を遡上する様子がそのまま観察できることや、川を泳ぐ様子が見られなくても、水槽展示もなされていることなどもサケを見に行くなら千歳!! となる理由だ。
東京から行く身としては、アクセスの容易さも大変な魅力だけれど。

千歳へ到着したのは、開館の1時間半ほど前だったから、駅を降りて、まっすぐふるさと館へ。
するとそこでは、遡上したサケを捕らえるインディアン水車からの回収が行われていた。
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例年なら、橋から川を覗くだけで、サケの姿が見えるものだが、濁りのせいか、はたまたその日は遡上数が少ないのか、水面から跳ねる姿が時折見られる程度で、ほとんどその姿が見えない。
川とサケの回収作業を交互に眺めていたら、サケのふるさと館のロゴが入ったトラックがやって来た。
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水車からのサケをトラックの水槽に移し替え、足早に去っていった。
どうやら、水槽展示用のサケの引き取りだったようだ。

給餌解説の時に聞いてみると、サケの搬入は週に3回ほど行われているそうで、オレが行った日はその搬入日。オレが見掛けたように、朝に行われることが多いのだとか。
週に3回も!? と思ってしまうが、繁殖を控えた遡上個体は、個体同士の闘争や、どこかにぶつかってできたキズなどにすぐに水生菌が付着し、著しく見栄えが悪くなる。そのため、定期的に個体を入れ替えて、綺麗なサケが見られるようにされているのだ。
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一方、取り出されたサケは、川で回収されたその他の個体と同様、孵化場へと運ばれるらしい。

その後、水中観察室から千歳川を覗いてみても、サケの姿は見えない。
インディアン水車で捕まっている数も心なしか少ないような…

解説していたスタッフ氏にその辺りを聞いてみると、今年はオレが行った時点では、例年よりも数が少ないらしい。
北海道は9月の10日前後、大雨に見舞われた。当然、千歳川の水位もかなり上昇し、インディアン水車も完全に水没するほどの増水ぶりだったらしい。
サケの遡上数は、大雨などで増水すると、その翌日、増えるとされている。
行くまでは、それをきっかけに遡上数が増大しているかも? なんて考えていたのだけど、確かに翌日は遡上数も増えたらしいのだけど、その後、その勢いが続かず、徐々に少なくなっていったとか。
遡上前の個体を捕獲する定置網や漁船などからの情報でも、今年の日本海側のサケは数が少ないらしい、とのこと。やはり、多い年、少ない年の波があるものらしい。

館内のサケを展示した水槽には、カラフトマスも展示されていたが、今年はカラフトマスも数が少なかったそうで、展示用にと分けてもらえたのも、今年は(卵を持たない)オスのみだったとか。
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9月11日の大雨以降、千歳川の濁りが取れないそうで、透明度はかなり残念なレベル。
おまけに数が少ないとなると、川を泳ぐサケを横から見るのは絶望的…
というワケで今年は(川では)見ることができませんでした。
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また来年、かな?

残念といえばもうひとつ。
オレが行った2日後にベニザケの展示が始まったこと。
真っ赤なベニザケは、この時期に見たいもののひとつだけど、今年はオレが行くのが少し早かったみたい。
その代わり、カラフトマスを見ることができたので、良しとするべきか。
サケの遡上、カラフトマス、そしてベニザケ。これらが1度に全部見られると理想的なのだけどねぇ…

相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはらの気になる魚 [淡水魚]

相模川ふれあい科学館は、その名の通り、相模川をテーマにした水族館である。
特定の河川をテーマにした淡水水族館は各地にあるが、相模川は人口密集地を流れるごくごく一般的な関東の河川である。
そのため、四万十川のアカメとか、北海道のイトウ、琵琶湖のビワコオオナマズなどのような特別なものはおらず、科学館の水槽を泳ぐものにも、驚くような珍品はいない。

しかし、14種類がいるタナゴは別。
これらのタナゴのほとんどは相模川には生息していないのだけど、このコレクションリニューアル前から存在した科学館ご自慢? の展示だ。
タナゴは婚姻色の時期になると、素晴らしい美しさを見せてくれるが、そろそろその時期に入ろうかという頃。中には美しい姿を見せてくれているものもチラホラと。

そんな中で、もっとも印象的だったのが、相模川にも生息している? ヤリタナゴだ。
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館内の水槽でも展示されているけれど、それよりも屋外の池にいるものが凄い!!
強い太陽の光で照らされているのもあるけれど、アクリル面を通りがかると、遠目に見てもその綺麗さに驚かされるほど。
凄く綺麗なのだけど、その微妙な色合いが写真では表現できないのか、本物はもっと綺麗なのだけど…
これは是非、実物を見てみて欲しいな。

傾向として大型魚を好むオレにとって、タナゴ類は馴染みが薄く、あまり知らないグループだ。
婚姻色が綺麗であることは知っていても、どの種類がどんな色を発色するかまでは知らない。それも手伝って、アクアリウムさがみはらのタナゴコレクションは、オレに新鮮な驚きを次々と与えてくれた。
前述したヤリタナゴの綺麗さも驚きだったけれど、館内のカゼトゲタナゴの綺麗さにも驚いた。
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そもそも、カゼトゲタナゴなんて、名前を何となく知ってる程度の認識の魚だったからなおさら。
タナゴの中でも小さな種類なのに、頑張って写真に収めたくなる1匹だった。

多くの日本人にとってタナゴと言えば、イメージされるのは残念ながら外来種のタイリクバラタナゴなのだろうと思う。
それによって絶滅の危機に瀕しているのがニッポンバラタナゴ。
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喰われるとか、競合するとかではなく、亜種関係にあるため普通に交雑し、純粋なニッポンバラタナゴは消滅しかかっているらしい。
その“危機”については、知識として知っていても、あまりに馴染みのない小魚の話というと、現実的に捉えることは難しい。
ニッポンバラタナゴに限らず、タナゴ類の保護、保全は難問があまりにも多いけれど、それが目の前にいて、綺麗な姿を見せてくれると、こんな魚を無くしちゃいけない!! みたいな気分にさせられる。
純粋なニッポンバラタナゴは今や稀少な存在なので、そういう意味でも、価値ある展示と言えるかも。

そんな日本の淡水魚の問題のひとつでもある国内移入種。
外来種ばかりが注目されるが、場合によってはもっと深刻かも知れない。
そんな国内移入種の現状は、流れのアクアリウムでも見ることができた。
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オイカワやウグイに混じって、ハスがいたこと。
何でハスがいるの? と驚いたが、周りの水槽を見れば、ワタカやらヒガイなどもいる。
本来、琵琶湖の魚であるはずのそれらの魚も、今や関東でも珍しいものではないらしい。
いずれも日本産の魚なので、外来種のように注目されることはないが、かつては相模川にはいなかった魚たちだ。
ハスもワタカも、個人的には好きな魚だが、何だか複雑な気分。

琵琶湖水系産の魚が全国に広まったのは、全国の河川に放流されている琵琶湖産のアユにそれらが混じっているから、とされているけれど、相模川で琵琶湖産のアユを釣るのも、健全な話とは言えないよね。
オレが行った時の相模川ふれあい科学館では、アユ展が開催されていた。
もちろん、展示内容はそんなシリアスなものばかりではなく、生体もいくつか。
その中に珍しい青アユが。
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青アユとは、突然変異で脳下垂体中葉がない状態で生まれたもので、体色が黒くなるためのホルモンを分泌しないため、水色の体色をしている。
一般的には? コバルト個体と呼ばれ、アユに限らず、ニジマスなどでも見られるが、数万匹に1匹程度の割合で生まれてくるため、かなり珍しいものであるのは間違いない。
脳下垂体中葉がないことで、成熟できず繁殖能力がない反面、通常のアユよりもずっと長命なようなので、アユ展が終了した後も見られるかも?

もちろん、企画展の展示のひとつである以上、企画展の終了と同時に展示終了となる可能性も高い訳で、気になる人はアユ展が開催されている5月11日までに足を運んだ方がいいだろう。

東山動物園 世界のメダカ館の気になる魚 [淡水魚]

メダカ館の気になる魚…
少しの日本産淡水魚を除くと、メダカと膨大なカダヤシがいる施設であるからして、気になる魚も当然、メダカとカダヤシということになる。
メダカ(Oryzias属)の魚については、以前、メダカの本の執筆に携わったこともあるため、名前と姿形くらいは知っている。とは言え、初めて見る種類も多かったけれど…

メダカ館なのだから、気になる魚もやっぱりメダカであるべきだろう!!
その充実ぶりに驚いたというのは、ひとつ前のブログにも書いた通りだが、とりわけスラウェシ島産のものの充実ぶりにはひたすら驚きだった。
中でも、エバースメダカ(Oryzias eversi)は、とてつもない存在なんだろうと思う。
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2012年に新種記載されたばかりという新しい種類で、見たのはもちろん、存在を知ったのも初めて。
“コモリメダカ”と呼ばれることもあるO.saracinorumと同じく、腹ビレで抱卵する習性の持ち主だそうで、体型もどことなくサラキノルムを彷彿とさせるやや細長いもの。
インターネットでざっと検索してみた程度では、観賞魚としては流通していない模様。
とりあえず、かなり珍しいものであることは間違いないようだ。
インドネシアのスラウェシ島には、メダカの仲間が多く生息しているが、このエヴァーシィみたいに、知られていないメダカはまだいるのだろうね。

メダカ館なのだから、メダカで… なんて書いたけれど、ここからはカダヤシ。
メダカの仲間は色や形に若干の差はあれど、結局どれも“メダカ”なのに対し、カダヤシは形や色、生態が千差万別。その多様性とバリエーションの幅広さは、この類に特別な興味のないオレみたいな者にとっては、やはりより面白く感じるものだ。

そんな中で、オレが知ってた数少ないもののひとつが、ランプリクティス・タンガニカヌス
(Lamprichthys tanganicanus)。
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タンガニイカ湖産のカダヤシ類の1種で、カダヤシ類としてはもっとも大きくなるもののひとつ。
余所の水族館でも時々見掛けることがあるけれど、脇役的な扱いであることが多く、それに目がいくことは少ない種類だ。
しかし、ここでは本種だけの水槽が与えられるVIP? 待遇で、個体数も多い。
そのためか、どの個体もデカイ!! 色も綺麗。
カダヤシ類としては、比較的知名度のある種類だと思うのだけど、この手の魚を専門に展示している水族館だけに、やっぱりどこで見たものよりも大きくて綺麗。流石である。

メダカ館で展示されている魚の大半は、余所の水族館では見掛けないものばかりなのだけど、かつて“アフリカの卵目”と呼ばれていたグループもそのひとつ。
どれも強烈に鮮やかな体色を持っているものの、飼育、繁殖に特別な手間が必要なため、観賞魚趣味の世界でも特殊な存在となっているグループだ。
その小ささからか、はたまた寿命の短さからか、水族館で見たことはなかったけれど、ここにはそれも沢山いた。

中でもオレが気に入ったのが、フンデュロパンチャックス・シェステディ(Fundulopanchax sjostedti)。
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展示名は旧学名であるアフィオセミオン・シェステディのままとされていた。
それはともかく、小さなものが多いこの手の仲間の中にあって、10㎝を超えるサイズにまず驚き。
流石にそれだけの大きさがあると、そのド派手な体色も手伝って、非常に見応えがする。同属の他種と比べても、圧倒的な存在感にすっかりお気に入りの1匹となった。
的が大きい分、いくらか写真が撮りやすかったのもお気に入りの理由なのかも!?(笑)

体色の鮮やかさと、それを積極的にアピールしてきてくれたことで、印象に残ったのがアフィオセミオン・ボルカヌム(Aphyosemion volcanum)だ。
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小さな体ながら、各ヒレを目一杯に広げてアピールする様は、文句なく綺麗。
この仲間では、もっとも綺麗だと思っていた種類が別にいたのだけど、実物を見比べると、それよりもこちらの綺麗さが圧倒的。
水槽の前にいても隠れてしまうことが少なく、ヒレを広げた姿を何度も見せてくれたこともあるかも知れないけど、自分の知らない魚の、それも圧倒的な綺麗さを見せつけられると、何だかちょっと得したような気分になれる。
そんな気分にしてくれた1匹だった。

最後の1匹も、オレを驚かせた綺麗さの持ち主の、スクリプトアフィオセミオン・グィグナルディ(Scriptaphyosemion guignardi)。
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展示名は旧学名のロロフィア・グィグナルディ。
前出のF.シェステディとか、A.ボルカヌムみたいな派手さはない(十分派手か!?)ものの、内から滲み出てくるような強烈なメタリックブルーが凄い。
前出の2匹みたいな、強烈アピールはなく、水底でジッとしていることが多かったのも、あまり派手さを感じなかった理由かも知れないけれど、色合い的には一番好みな1匹だった。

見学していた他のお客からもそんな声が聞こえていたけれど、メダカ館にいる魚の名前はどれも少々ややこしい。
ほとんどが外国産で和名がなく、展示名はすべて学名のカタカナ表記とされているためだが、カダヤシ類はとりわけ長ったらしい名前が付いてる。
そんな名前が書かれた魚名板をしっかり声に出して読めば、滑舌のトレーニングもできるかも!?

千歳サケのふるさと館の気になる魚 [淡水魚]

千歳サケのふるさと館に行くと、楽しみなのは、いつも違った“何か”を見せてくれる千歳川の水中観察室だ。
しかし、ひとつ前のブログに書いた通り、今回はほとんど何も見ることができず、これまででもっとも寂しい景観を見続けることに。
サケはおろか、ウグイもたったの2匹だけ。しかもそれも、窓の前を一瞬通り過ぎていっただけ。あとは水流に翻る葉っぱだけ…
それでも諦めずに“サケ待ち”をしていたら、砂利の上で何かが動くのに気付いた。
動いた辺りをジッと見つめていると、また動いた!!
ハナカジカだった。
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砂利の上ではほとんど分からない色に加え、その大きさはたったの7~8㎝ほど。
動けば気付くものの、見つけてもすぐに見失ってしまう。
写真中央付近、白っぽい石の脇あたりに写っているはずなのだけど、どこにいるのかは撮ったはずのオレでさえ分からないくらい(笑)
でも、水中観察室で唯一、と言っていい、ちゃんと(と言っていいのか分からないけど)見られた魚だったので、嬉しかったという意味でもここに掲載。
とは言え、この写真じゃあまりにも、なので、水槽で撮ったものも。
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これが川の中で見ると、まったく分からなくなる見事な保護色なのだ。


気になる魚と言えば、入り口の水槽で展示されていた期間限定のベニザケだ。
水槽には3匹が入っていたのだけど、その内の1匹、色も形ももっとも綺麗な個体の顎下に、何やらぶら下がっている。
ブヨブヨしたナメクジみたいな、それはそれは不気味な何か。
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ヒダビルという沿岸性のヒルだそうだ。
遡上前の海でくっついたものらしいのだけど、それが目に付く度に「何て気持ち悪い!!」と口に出てしまう。
何でも、無理矢理引きはがすと、魚体に影響を与えるのでそのままにしてあるのだとか。
展示水槽は海水ではないので、海水棲のヒルは徐々に弱って脱落してしまうのだそうで、オレが行った数日後、ふるさと館のTwitterで脱落したことが書き込まれていた。
あまりにも気持ち悪いので有り難みは感じなかったけれど、なかなか珍しいものらしい。
でもまぁ、いろいろな意味で“気になる”存在だったのは間違いない!!

ベニザケと言えば、陸封型はヒメマスだが、そのヒメマスの有名な産地として知られているのが、千歳にある支笏湖である。
当然、千歳市にあるサケのふるさと館でも展示されているんだけど、あらためて綺麗な魚だなぁ、と。
これまで強い印象に残っていなかったものが、急に気になるようになったのは、最近、琵琶湖博物館で期間限定で展示されたクニマスの影響、なのかも!?
オレは写真で見ただけだけど、オレにはまるで見分けがつかないほどによく似ている。
もっとも、この両者は亜種関係にあるため、似ているのは当たり前なんだけど。
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クニマスに似てるなぁ、なんて思いつつヒメマスを眺めていたら、成熟したオスと思しき厳つい顔つきの個体が数匹。
よく見れば体色もうっすらとピンクがかっているような…
ベニザケと同じ魚だということをあらためて実感させてくれた。
というのが、この個体がここに登場した理由だ。


最後の1匹、というか1種はアムールチョウザメ。
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サケのふるさと館は、北海道大学などと共同でチョウザメ養殖の研究を続けているが、このチビたちも、飼育中の個体から人工繁殖によって産まれたものだ。
チョウザメの人工繁殖はとても難しいのだそうだ。ふるさと館の以前のチャレンジでも、アムールは全滅。昨年のシロチョウザメは展示されている3匹を除いてやはり全滅。
採卵数が万単位であることを考えると、驚異的な歩留まりの悪さだ。
だが、そうした失敗によって積み重ねられたノウハウの賜物か、今回はかなりうまくいっている様子。大水槽の前に置かれた水槽には、多くの稚魚が泳いでいた。
まだ10㎝にも満たない小さな稚魚たちだが、ここまで来ればひと安心、と言ったところだろうか。
アムールチョウザメは観賞魚として流通する機会が少ないため、このサイズのものを見ることはなかなかなく、新鮮に見える。
しかし、思いの外奇形、とりわけ矮小(ショートボディ)個体が多いのが気になった。
これも人工孵化による弊害だったりするのだろうか? 興味は尽きない。

もっとも、多少形が歪でも、将来的な採卵や食用にするには、問題はないのだけれど。

秋のサケ第二弾・千歳サケのふるさと館 [淡水魚]

昨日、八景島シーパラダイスにミツクリザメが11匹も搬入されたというニュースが発表されて以降、「ミツクリザメ・八景島シーパラダイス」の検索結果で“祭り”状態になってる当ブログ(笑)
自他共に認める? ミツクリNo.1ブログとしては、本来、その話をすべきところなんだろうけど、今回は生憎出張中。残念ながら行くことができず、もどかしい思いをしている。
行けるとしても来週の話。大きめの個体もいるようだけど、流石にそこまではもたないだろうなぁ。
ミツクリザメの話は、間に合ったら、その時に改めて。

と言うワケで、今回は新潟のイヨボヤ会館に行ったちょうど1週間後、北海道に行ってきた、という話。
秋の恒例行事となりつつある千歳サケのふるさと館とおたる水族館に行くことが目的だ。
どれだけサケ好きだよ!! と言われそうだが、LCCのお陰で、金額的には北海道は金額的にはずいぶん身近になった。そのため、新潟行きよりも前から決まっていた予定だった。
とは言え、今年は少々出遅れた感があったのは否めない。
昨年、一昨年よりも1ヶ月少々遅いのだから、千歳川でサケは見られないかも知れない… そんな思いを抱えつつ、空港からまっすぐサケのふるさと館へと直行した。

橋の上から千歳川を覗き込むと、群れているはずのサケの姿はなく、インディアン水車に捕まる個体もいない。
今年は昨年よりも遡上数は少ないそうだが、やはり遅かったようだ。
だが、水流の強い場所などをよく見てみると、少ないながらサケを見つけることができた。
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また、観察窓を埋め尽くしていたウグイが移動したのか、水車周辺には小さな魚が群れているのも見えた。
しかし、北海道はやっぱり凄い!!
サケの遡上はこの1週間前に小さな種川で見たばかりだが、それに比べると、千歳川の圧倒的な水量はちょっとした恐ろしさすら感じたほどだ。
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入館し、観察窓に行ってみると、やはりそこにはサケの姿はなかった。
時折、奥の方で何かしら動いているような気配はあるが、思ったより水の濁りが強く、ハッキリは見えない。と言うか、サケはおろか、生き物の姿自体がほとんどなく、何とも寂しい河川観察窓だった。やはり時期が悪かったせいだろうか?

川でサケを見るのは諦め、おとなしく水槽のサケを見ることに。
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残念ながら、もっとも遡上時期の早いカラフトマスはもう見ることができなかったが、真っ赤に色づいたベニザケは今年も見ることができた。
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見るのは2回目だが、この時期だけということもあり、その鮮やかな色合いはとてもありがたいものに見えてくる。

水槽に収容されたシロザケ(遡上したもの)は、例によってテリトリー争いに忙しく、ここでも激しいバトルを繰り広げていた。

儚くも鮮やかなその姿を眺めていたら、見ている目の前で産卵が始まってしまった。
砂利のない水槽なので、産卵には適した環境ではないのだろうけど、この時期のサケは、子孫を残すという本能には抗えないのだろう。
その前段階までは何度か目にしているけれど、実際の産卵を見たのは初めて。
まさか水槽でそれを見ることになろうとは…
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ペアが産卵、放精をした瞬間、周囲のオスが群がり、一斉に放精する。
一瞬でその周囲は煙幕が立ちこめたように真っ白。
煙幕の下からは産み落とされたばかりの卵がポロポロと溢れるように転げている。
転げ出た卵は、水槽内に何匹かいるヤマメに片っ端から食べられてしまい、産み落とされた卵の大半は、それこそアッという間にヤマメの腹に収まってしまった。
もしかすると、この水槽のヤマメたちは、こんな役割のために入れられているものなのかも…!? なんて勘ぐってみたり。

千歳川を泳ぐサケの姿は(観察窓からは)見えなかったけれど、遡上したサケは新潟で見たし、北海道では産卵シーンも見ることができた。
今年はサケに関しては、個人的には当たり年だったのかなぁ、と。

おんねゆ温泉 山の水族館の気になる魚&ピラルクー水槽 [淡水魚]

おんねゆ温泉 山の水族館へは、中村元氏主催のツアーで行ったワケだけど、そのため、水族館を後にしてからも、宿泊する旅館で中村氏による水族館ナイトが行われたり、参加者全員で宴会があったりした、という話は前のブログに書いた通り。
その宴会には、おんねゆ水族館の2名のスタッフ氏も参加してくれていて、それぞれじっくり話を聞くことができた。
小さい水族館とは言っても、たった2名だけですべてを回すのはやはり大変らしい。
しかも、水族館がオープンするまでの過程では、通常、水族館のスタッフはやらないような作業でも、せざるを得なかったこともあったらしい。リニューアル前からメインのスタッフとして水族館に携わってきた佐藤主任の話は、なかなかグッとくるものがあった。

そんな佐藤主任がオススメしてくれた展示が、ジャンプ水槽だ。
もっとも苦労した水槽だけに、思い入れも強いのだそうだ。
というのも、最初、魚が飛ばず、それを飛ばすために、魚種の選定をやり直し、水の流し方、水位が下がる時間の調整など、あらゆることを試し、迫り来るオープン日のプレッシャーの中、何とか完成させたのが現在の展示水槽なのだ。

水槽にはヤマメをメインに展示がなされているが、これも温根湯周辺で見られる魚は、ほぼすべての種類でテストを行った結果によるもの。
ヤマメがもっとも積極的だったため、選ばれたものなのだという。
川魚のジャンプ水槽は、新江ノ島水族館や姫路市立水族館にもあるが、サケ科魚類の滝登りが見られるのはここだけ。
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苦労話を聞いた後であらためて水槽を見ると、流れを遡っていくヤマメの姿がやけに嬉しかった。
ちなみに、このヤマメたち、水位が下がってもすぐには上っていかないようで、その遡上シーンを見るためには、少し水槽の前で待っている必要があるようだ。


おんねゆ水族館のもうひとりのスタッフが、若い山内さん。
水族館の管理、運営以外の雑務にも追われ、忙しい日々を送っているとのことだが、そんな山内さんのオススメは、四季(凍る)の水槽にいるアメマス。
「今の時期はあまり泳がないんですけど、良型のアメマスがいるので、それを見て欲しいですね」と教えてくれた。
水槽を覗き込むと、確かにいた。でも、山内さんの言葉通り、沈んで泳がない。
凍る水槽で写真を撮るなら、やっぱり氷バックがいいなぁ、なんて思うと、泳いでくれないアメマスでそれを実現するのは難しい、というか無理だった。
というワケで、氷を背景に泳いでいたヤマメ(ニジマスかも!?)を代役に(笑)
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ニジマスなら綺麗なのがいたし、アメマスだったらもっとよかったんだけど、ちょうどいい位置を泳いでくれたのがこの個体だったということで…
アメマスは何匹かいるので、是非、実際に行って見てみてください(笑)


これまではスタッフ氏オススメ水槽&魚の話だったワケだが、おんねゆ水族館との魚と言えば、やはりイトウは外せないだろう。
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ひとつ前のブログにも書いた通り、ここで展示されているのは天然もの。
そのせいなのかは分からないけれど、水族館で展示されているものと比べると、顔つきのシャープさが失われていないのが大きな特徴だ。
水温が約10℃ほどと低い上に、もともと活発に泳ぎ回る魚ではないため、動きによる迫力は餌の時間(週に2回行われるいただきますライブ)にしか感じることはできないが、水槽内にひしめく40匹もの1mオーバーの天然イトウ。
その条件だけでも見に行ってみたいと思う人はいるのではないだろうか?


おんねゆ水族館にはピラルクーもいる。
イトウの水槽に次ぐ2番目に大きな水槽があてがわれていて、こちらは保温が必要なこともあり、ずいぶん立派なろ過槽も完備。
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水槽は明るく、水もクリアでキラキラしてる。
基本、アマゾン水槽なのでピラルクー以外に、レッドテールキャット、タイガーショベル、コロソマ、水槽の端でジッとしているので目立たないけれど、2匹のガーがいる。
ガーたちはアマゾンの魚ではないし、それ以前に同居の大きな魚たちに気圧されてイジけ気味なので、どこか別の水槽に移動してやって欲しいなぁ、と。

肝心のピラルクーは1匹。
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まだ2年目の若い個体で、体長こそ1.4mほどあるものの、体表もツルツルピカピカで、顔つきにはまだあどけなさがある。
赤みはまだまだなのだけど、体が綺麗なので、綺麗な個体として見ることができる。
イトウ同様、こちらも週に3回、いただきますライブが開催されるらしい。
それを見ることはできなかったけれど、バックヤードツアーの時、人の姿を見つけてすぐに水面まで近寄ってきた様子を見ると、その食欲ぶりが想像できる。体つきもムチムチしてるしね(笑)

北海道の水族館でピラルクーが見られる所は意外と少なくて、おんねゆとおたる、札幌のサンピアザの3カ所だけ。そういう意味では貴重な1匹と言えるかも知れない。
水族館の進化、発展に合わせて、この個体のこの先の成長ぶりも、この水族館ならではの楽しみのひとつと言っていいんじゃないかな?

出の山淡水魚水族館の気になる魚 [淡水魚]

出の山淡水魚水族館で展示されている魚たちは、マスやアユ、コイなど日本の淡水魚もいるが、それら日本の淡水魚はごくわずかで、外国の魚中心のラインナップ。
とは言え、数多くいる外国産の魚も、ポピュラー種が多く、驚くような珍品はいない。
だが、それらは長く飼われているのか、大きく育ったものが多く、それほど大きくない水槽の中で、いっぱいに成長しているものが数多くいた。
それらの魚を飼っている人も多いだろうから、親近感を感じるという人も多いのではないだろうか?

それらの中で、俺が「おっ!!」と思ったのがレッドテールキャット。
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円柱形のピラルクー水槽の中にいた2匹の内の1匹で、1mを超える大きな個体だ。
大きさもさることながら、体型崩れもなく綺麗に育っていることが評価のポイント
このサイズのレッドテールで、綺麗な個体は意外と少ないのだ。
加えて、この綺麗で大きな方はよく泳ぐので、目につきやすい。一見、地味な色のものが多い水槽内にあっては、ビジュアルリーダーの役割を自ら演じるような感じ。
そんな泳ぐレッドテールを見て、ふと気づいたのが、肛門からビラビラしたものが飛び出ていたこと。もちろん、それが何かはハッキリ分からないんだけど、輸卵管じゃないのかなぁ? なんて思ったり。
レッドテールキャットはブリードものが流通しているから、人為的な繁殖はなされているはずだが、水槽内での自然繁殖例は多分、ないはずだ。
もしそれが実現したら、それはとてもすごいことである。
どこよりもいい水が手に入る水族館だけに、そんな偉業もあるいは… なんて思ってしまうのだけど。考え過ぎかな?


大きさで驚いたのは、プロトプテルス・アネクテンスだ。
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1m以上あっただろうか?
1mの肺魚なんて、驚くようなものではないだろ? なんて思う人もいるかもしれない。
しかし、ここにいる肺魚はエチオではなく、あまり大きくならないとされているアネクなのである。
このサイズのアネクなら、「おおっ!!」と思ってもいいんじゃないかな?
少なくとも、オレはこのサイズのアネクは見たことなかったし。
ひょっとすると、日本で一番大きいアネクだったりするのかも!?
巨大エチオと違い、ヒョロッと細長い感じがするが、ほとんど水槽の幅と同じくらいに成長した姿は一見の価値アリだと思う。


水族館で展示されている外国産の魚の多くは、一般の飼育者同様、業者から購入されることが普通だ。
しかし、スタッフ自らが熱帯魚店に出向いて、個体を選んでくるようなことは少なく、業者に直接注文し、それが届けられることで水族館へとやってくるというケースが多い。
そのため、どんな個体がやってくるかは、運によるところも大きく、真剣に個体を選んでくるマニアの水槽と比べると、どうしても個体レベルでは見劣りがすることが少なくない。
しかし、この水族館には、マニアの水槽にいるようなとてもレベルの高いモトロがいた。
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ペア飼いされていて、繁殖にも成功しているらしく、小さな個体もいた。
1匹はスポットも不明瞭で綺麗とは言えないんだけど、写真の個体はかなりの美個体。
いわゆる、コロンビアモトロの極上個体だ。
マニアの水槽でならいざ知らず、水族館では、いや、専門店でも簡単にはお目にかかれないレベルの個体であることは間違いない。
繁殖に成功していることからも分かるが、いかにも健康そうで、機嫌よさそうに水槽内をヒラヒラしていたのが好印象だった。
あんな水(湧水)を好きなだけ使えると、淡水エイもラクに飼えてしまうんだろうね。
やっぱり、それが一番羨ましいな。


この水族館ならではの展示と言えるのがチョウザメだ。
宮崎県は県の事業としてチョウザメ養殖を行っているが、その養殖場に隣接しており、養殖池の一部が展示水槽としての役割を与えられていることもあり、チョウザメの数はどこよりも多い。
日本のチョウザメ養殖はベステルを中心に行われているが、宮崎ではホワイトスタージョンがメイン。
そういう意味では宮崎ならではの魚とも言える。
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当然、養殖池にいるのもホワイトスタージョンばかりなのかと思いきや、意外にもベステルもいるし、コチョウザメやシベリアチョウザメなど、ホワイトスタージョン以外の種類も沢山いた。
名前の表示が出ていたのはホワイトスタージョンとベステルだけだったが、水族館に隣接した覗き窓のついた3つの池の中で、一番右側、大きな個体を中心に育成している池では、2mはありそうなベルーガも何匹かいた。
種類だけでなく、サイズも様々で、横から見られる池は3つだけだが、上から眺めるなら、駐車場と水族館の間にある池にも沢山の個体がいる。つまり、チョウザメマニアにとっては、かなり楽しめる場所であるということ。
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しかし、そこは養殖池である。
過密に個体が収容されているため、いかに良質な湧水を常時注水していると言っても、水の濁りはかなり強く、また、ヒレや体型の崩れ、キズなど、見た目が綺麗でない個体も多く、管理用のタグが背ビレに付けられていたりと、観賞魚的目線で見ると、残念なものも少なくなかった。しっかり見ようと思えば思うほど、展示を目的としたものではないのだなぁと実感させられる。
チョウザメ養殖の目的は、食用としてや、採卵のためだったりするもので、見た目を楽しむ物ではないし、見た目が良くなくても、味や卵を採るという本来の目的には何の影響もないのだからね。

濁り、映り込みなど、写真を撮るのが厳しい条件が多すぎたので、コンデジで動画を。
http://www.youtube.com/watch?v=_WiRbkiCoHY

展示や水槽を楽しむタイプの水族館ではない反面、魚の魅力はどこよりも濃厚に味わえる。
とりわけ、チョウザメ好きならかなりお腹いっぱいになれること間違いなしだ!!

オガサワラヨシノボリ@すみだ水族館 [淡水魚]

世界でもっとも遠い東京である小笠原からやってきた魚を展示しているすみだ水族館。
孤立した海洋島であり、川はあるものの人為分布している外来種を除けば、淡水魚はほとんどいない。固有種であるオガサワラヨシノボリが唯一と言っていいのかも知れない。
そんなオガサワラヨシノボリを、小笠原諸島以外で唯一、展示しているのがすみだ水族館なのだ。
小笠原の固有種なんだけど、見た目はごく普通のヨシノボリと変わらなくて、スゴイものを見てる感はほとんどないんだけど、実はとても珍しいものなのだ。
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絶滅危惧種に指定されているけれど、現地の川には沢山いるらしい。
だが、小笠原の特定の島にしかいない種類であり、もし、そこで何かがあると、一気に絶滅してしまう危険性がある。そのため、絶滅危惧種に指定されているのだそうだ。

すみだ水族館では、そんなオガサワラヨシノボリの繁殖に成功している。
一部ニュースなどで流れたので、聞き覚えがある人もいるかも知れない。

少し前の話になるが、9月13日のこと。
閉館間際のすみだ水族館で、水草水槽を眺めていると、その脇にあるすみだラボで何やら作業が。
水と簡単なエアーレーションだけがなされた小さな水槽がそこに置かれ、中には産まれて間もないと思しき、小さく透き通った稚魚の姿が。
それこそが件のすみだ水族館生まれのオガサワラヨシノボリの稚魚だったのだ。
恐らく、誰よりも早くこれを見たのは、多分、オレだ。
と言っても、あらかじめ聞いていたワケでも、特別に見せてもらったワケではなく、たまたま閉館間際にそこにいただけなんだけど(笑)

水槽を覗き込んでいると、その水槽、つまり繁殖を手掛けたスタッフ氏が出てきたので、話を聞かせてもらった。

ヨシノボリのは川で産まれた稚魚がそのまま海まで流され、海で稚魚期を過ごし、少し成長すると再び川に戻るのだそうだ。
そのため、水槽内でも卵を淡水で孵した後、水槽内の海水濃度を少しずつ高め、完全な海水に。その後しばらくしたら、再び海水濃度を下げ、再び真水へと戻していくという作業が必要になる。
また、大卵型と小卵型があり、オガサワラは後者。
それがまた難しさのレベルを押し上げる。
淡水魚の稚魚は大きめで、卵から孵ってすぐに、餌として一般的なブラインシュリンプ(アルテミア)を食べることができる。反面、海水魚の稚魚はとても小さく、ブラインシュリンプは食べられない。そこで、より小さなワムシというプランクトンを用意しなくちゃならないんだけど、ブラインみたいに簡単に手に入らないので、まずそこが大変。
すみだ水族館でもワムシの手配が間に合わなかったそうで、初期飼料は代用品でまかなったらしい。
担当スタッフ氏は、前任の水族館でも様々な実績を残してきているベテランだけに、ここまでの面倒な作業も、勘と経験でこなせてしまうのだろう。

この時期の稚魚はとにかく餌切れに弱く、残餌が出るほどたっぷりと給餌する。
もちろん、水が汚れるから、水換えも毎日行う。この時はフィルターもついていなかったから、汚れたら換える!! が基本。
「フィルターがついてると、どうしてもそれをアテにしてしまうので、何だかんだでサボってしまう。でも、ついてないなら手をかけるしかないので、世話がおろそかにならないんですよ」と、そのスタッフ氏。

繁殖に成功して、そのやり方が分かったので、これからはコンスタントに殖やせるそうだ。

となると、絶滅危惧種に指定されている種類だけに、放流も、なんて考えてしまうが、そんな単純な話ではないらしい。
というのも、天然では1匹のメスが産んだ卵から成魚になれるのは、多くても1~2匹。
外敵がおらず、成長するよう人が手をかける水族館では、30~50匹が成魚になれる。
採集した川が分かっていて、そこに戻したとしても、特定の血統の数が多くなりすぎることになり、遺伝子汚染が起きてしまうのだそうだ。
とりわけ、寿命の短い生き物では、それが顕著に出やすいのだという。
飼育下の生き物を野生に戻すということは、何かと難しいようだ。

9月以降、すみだ水族館には何度か足を運んでいるが、透き通った数㎜の稚魚たちは、しっかり成長し、小さな幼魚となっていた。
とは言え、オレの機材では小さすぎて写真が撮れないので、写真はないが、最後に行ってからもう1ヶ月が経過してるから、今行くと、またまたその成長ぶりに驚かされるのだろう。

とても小さな小魚だけど、ここでしか見られないオガサワラヨシノボリ、そして大変な手間を経て成長した水族館生まれの幼魚たち。
シロワニやペンギンばかりに目を奪われがちだが、それに劣らず、いや、ある意味ではそれ以上に貴重で珍しい魚だから、ちょっと覗いてみることをオススメしておく。

さいたま水族館の気になる魚 中国四大家魚の話 [淡水魚]

さいたま水族館は荒川をテーマに、その流域に住まう魚をメインに展示を行っている水族館だ。
だが実際には、荒川よりも利根川が近くに流れており、水族館のある羽生は利根川で繁殖が確認されているハクレンの繁殖行動が見られる場所でもある。
そんなこともあり、個人的にはずっと、利根川の水族館かと思っていたほどだ。

でも、利根川の水族館だと考えると、納得いく部分もある。
例えば、館内の水槽、館外の池にそれぞれいる、中国大家魚の存在だ。
中国四大家魚とは、ソウギョ、アオウオ、ハクレン、コクレンのこと。
中国では食用に家畜のように家の池で飼うことがあったそうだが、それぞれ食性が異なることから、餌を与えることなく畜養できるものとされていたらしい。

池の周辺の草を刈り、それを池に入れておけば、それをソウギョが食べ、その糞で植物プランクトンが発生する。それをハクレンが食べると同時に、植物プランクトンを食べる動物プランクトンの発生により、それを食べるコクレンも飼える。
さらに、池にコケなどが生えれば、それを食べるタニシなどの貝類が増え、それを食べるアオウオも飼える、といった具合だ。

それらの魚は、明治時代以降~戦中にかけて、食用目的で大量に輸入され、各地に放流されたが、定着したのは利根川などごく一部の河川のみ。
それ故、利根川と言えば、これら中国原産の大型魚、というイメージが強いのだ。
移入された割合は、ハクレンが90%、ソウギョが10%で、アオウオ、コクレンは1%にも満たなかったらしい。

さいたま水族館では、これらすべてを見ることができる。

まずはアオウオ。
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外の池に巨大なものが数多く泳いでいる他、館内の水槽にもちゃんといる。
水底の貝類などを食しており、口はやや下向き。しかし、外の池にいるものは完全に餌付けされており、以前のブログに書いた通り、水面から顔を突き出すようにしてお客から餌をもらおうとする。
個人で飼っている人の話では、アオウオは用心深く、コイのように慣れることはなく、浮いた餌を食べない、なんて話を聞いたのがちょっと意外だったほどだ。
さいたま水族館から帰った後、馴染みの観賞魚店で「アオウオ欲しい!!」なんて話していたら、最近は流通がなく、手に入らない魚になっているらしい。
コイの愛好家でも、欲しがっている人がかなり多いようだ。池にあんなのがいたらカッコいいもんね!!

お次はソウギョ。
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埼玉県では天然繁殖だけでなく、種苗養殖も行っているらしく、アルビノも固定されている。水族館にもアルビノソウギョが数多くおり、外の池ではよく目立っていた。
上から見るとアオウオに似ているように思うが、より頭が丸く、アオウオほどカッコよくない(←オレ主観)。
除草目的で、ゴルフ場の池に放すのが人気とかで、意外とニーズは高いらしい。


前にも書いたが、羽生と言えばハクレンである。
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繁殖の時期になると、増水した川の中でジャンプを繰り返し、実際にそれを見ると、かなり見応えがあるらしい。
というワケで、羽生にある水族館には、是非ともいて欲しい魚ではあるんだけど、水槽にいるものを見ると、正直、気持ち悪い。
眼がかなり下の方についているのがハクレン、コクレンに共通する特徴だが、もちろんそんなことはよく知っているのだけど、その違和感が拭い去れず…

外の池でも、あまり大きくはなかったけれど、その姿を見つけた。
顔の目の前に餌を投げてみたのだけど、浮いた餌を食べないのか、反応がなかった。
何を与えているんだろうか? 本当に水中の植物プランクトンだけで飼えるのかなぁ!?

最後はコクレン。
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アオウオと並び、数少ないレア魚。
水槽では何匹か展示されていたが、このサイズのもの自体、珍しいはずである。
小さい個体が時々、観賞魚として流通するけれど、なかなか大きくならないらしい。

それにしても、気持ちが悪い(笑)
ハクレン同様、下過ぎる目の位置の違和感に加え、下唇がやけに突き出していて、その顔つきの気持ち悪さは、ハクレンが可愛く見えたほど。
好きになれば、この顔つきがきっと何よりの魅力になるんだろうけど…
口が大きく、どことなくメコン川の巨鯉、パーカーホを彷彿とさせる。そういえば、あの魚もプランクトンフィーダーだったっけな!?
ハクレンも含め、この手の魚には何をどのくらい与えているのか、ちょっと聞いてみたいところだ。と言っても、自分では絶対に飼わないけどね。

川では圧倒的に数が少ないはずなのに、水槽内ではハクレンよりも数が多く、その水槽の主役となっていた。やはり珍しいから!?

利根川でしか繁殖が見られないせいもあるだろうが、他の淡水魚の水族館ではこれらがこれだけ揃っている所はなく、これら中国四大家魚を見るなら、さいたま水族館は国内最高峰の施設と言っていいだろう。
アオウオやソウギョとは、ふれあいや餌やりも楽しめるしね。

さいたま水族館の多国籍屋外池 [淡水魚]

さいたま水族館でもっとも感動したのは、実は水族館を取り囲むように配された池だったというのは、ひとつ前のブログでも書いた通り。
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水深は大人の股下くらいしかない浅いものだが、面積は広く、アオウオやコイなどの大きな魚が過密に飼われている。

水族館前の広い池には、コイやアオウオ。その隣の池にはチョウザメ、水族館裏手の池ではナイルテラピアがそれぞれのメイン。
それぞれの池は水路や川でつながっており、どの池も基本的には同じ水で満たされている。

最初に池を覗き込んだ時、餌に群がるコイやソウギョに混じって、小さな魚も数多く泳いでいるのが目に入った。池の縁にしゃがんで覗き込んでみると、オイカワやモツゴに混じって、小さなテラピアの姿が。
夏の間に放たれたものなのだろう。冬が来れば、これらは死んでしまうんだろうなぁ…
なんて思いながら眺めていた。
その池はチョウザメが暮らす隣の池ともつながっているし、それ以前に屋外の広大な池であるからして、保温しているとは考えにくいからだ。

とは言え、この浅さでは、真夏はかなり水温が高まってしまうはずで、水車が回り、エアーレーションはなされていたが、それでもチョウザメには少々厳しいのでは!? もしかして湧き水や地下水が用いられているのかも? と、チョウザメの給餌の際、説明をしていたスタッフ氏に尋ねてみた。

すると、思った通り、池の水には湧き水が使われており、その水温は真夏真冬で±2℃程度の上下動はあるものの、基本は23℃程度。
湧き水としてはかなりの高温だが、冷たくも温かくもないその温度は、南方の魚と北方の魚を同じ水で飼育することを可能にしている。
オレのような魚飼いにとっては、まさに垂涎ものの夢のような水だ。
もしウチにこの湧き水があったら、何を飼うだろう? その瞬間に宝くじが当たった時みたいな妄想を楽しめる(笑)

そのため、テラピアたちは、この池で問題なく越冬し、それどころか少しずつその数を増やしているという。つまり、オレが見かけた小さな個体は、この池で増えたものの一部というワケだ。
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先にも書いたように、テラピアたちはもっとも上流にあたる、水族館裏手の池にいる。
テラピア池も見に行こうかと、そこの池まで行って驚いた。

池の前に立った瞬間、ナイルテラピアに混じって、何匹かフラミンゴシクリッドの姿が見えた。“ああ、フラミンゴもいるんだ”と思いつつ、池を覗き込んでみると、青い小魚が沢山いるのが見えた。
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テラピアの幼魚かと思いきや、マラウィ湖産のシクリッド、ゴールデンゼブラだった。
周辺には黄色く発色した成魚もおり、沢山いる小さな個体は、やはりこの池で増えたものらしい。
ゴールデンゼブラだけでなく、イエローストライプシクリッド、L.カエルレウスと、もっとも簡単に手に入る“マラウィ湖のムブナ”3種が揃っていた。
いずれも本来の生息地よろしく、池の中に生えるコケをついばみながら、それぞれの生活を送っているのだろう。
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驚きつつもムブナたちを観察していると、水面を覆うように茂った草の影に目立つ縦縞の入った細長い魚を見つけた。
その雰囲気は明らかに日本の魚のそれではない。
逃げてしまわないよう、そっと草の間を覗き込むと、これまたマラウィ湖産の魚食性シクリッド、D.コンプレシケプスだった!!
そこにいた2匹だけではない。目をこらすと、コンプレもかなりの数がいる様子で、中には自分のテリトリーを守るのに忙しそうな、20㎝ほどのオス個体の姿も。
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思わぬ魚たちを見つけて驚いたのをきっかけに、他にもいるかも!? と真剣に水の中を覗いて回ると、オレンジ色のソードテールの姿を発見。
さらに、池の端の方の石積みの周辺を眺めると、代表的なタンガニイカシクリッド、N.ブリシャルディを発見。
ブリシャルディは2匹しか見なかったが、あの環境があれば、すぐにその数を増やすだろう。恐らく、その他のシクリッドたちと同じく、既に繁殖はしているものと思われる。

一部分だけを見ると、自分がいるのが埼玉とは思えない光景だが、そんなアフリカンシクリッドに混じって、オイカワやモツゴも泳いでおり、まさに和洋折衷、多国籍な環境が作り出されていた。
魚種や、池の中のレイアウトなんかを工夫すれば、ミニ・マラウィ湖やミニ・タンガニイカ湖を作れてしまうワケで、アフリカンシクリッドマニアではないオレでも、なんだかドキドキ楽しくなってしまった。
だって、水槽よりも広くて、太陽光も降り注ぐ。生き餌もあって、水は新しい水がコンスタントに注入される… 条件的には、魚が綺麗に育つはずのものばかりが揃っている。

ここであらためて思った。この池がオレのものだったなら…
日本の淡水魚に興味はないよ、なんて嘯く前に、1度この池で魚を観察してみて欲しい。
泳いでいる魚そのものに興味が無くても、シクリッド好きなら、きっとときめくはずだ。
気付くと、オレと同じような妄想が頭の中で始まっていることだろう。
ご用の方はmistralaquqrium@gmail.comまでご連絡下さい。
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