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ラッコが見られなくなる日@サンシャイン水族館 [その他]

ここ最近、ラッコの展示を終了する水族館が加速度的に増えているような気がする。
TVのニュースや新聞などでも盛んに報道されているため、その理由も多くの人が知る所だと思うが、1月7日にもサンシャイン水族館で飼育中だったラッコの「ミール」がリンパ腫で死亡。それによって、サンシャイン水族館も約30年続いたラッコの飼育、展示を終了することとなってしまった。
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現在はまだ、オスのラッコ「ロイズ」が展示されているが、そのロイズは繁殖を目的に他館からやって来た個体のため、繁殖という目的が不可能となってしまった今、ロイズは他の施設に移動となる。そのため、サンシャイン水族館でラッコが見られるのはあと3日。
移動を控えたロイズは、移動用ケージに入るトレーニングを行っていたのが、終わりに向けたカウントダウンのようで、何だかちょっぴり切ないような……
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とは言え、個人的にはラッコには特別な思い入れがある訳でもないし、むしろ、どちらかと言えば好きなではない類だったりする。
しかし、サンシャイン水族館は、オレが初めてラッコを見た施設であり、小学生だった当時から今日まで、行けば必ずいる存在だったから、それがなくなってしまうというのは、とうとうこの日が来てしまったか…… といくらか感慨深く思う。
“最初”も知っているのだから“最後”も見ておこうと、珍しく? ラッコを目当てに池袋へと足を運んだ。

しかし、ラッコ水槽の前は、人が何重にも列をなし、30年前に逆戻りしたようだった。
30年前と違うのは、そこに群がるほとんどの人がスマートフォンやタブレットPCを持ち、その姿を写真に収めようとしていること。
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そのため、いつまで経ってもそこからいなくならず、ラッコを見に来る人も次々やって来るから、ガラスの前に近付くことは結局できずに終わった。
ブームが去って以降のラッコプール前なんて、いつも空いていたのに……

かつて日本中を席巻した大ブームによって、多くのラッコが日本にやって来た。
だから、ちょっと大きめの水族館に行きさえすれば、“どこにでもいる”みたいな印象さえあったし、オレが全国水族館巡りを始めた06年頃も、まだ多くの施設でラッコを見ることができた。
しかし、そんなラッコも、今や日本中に13頭。その中には高齢の個体も多いため、近い将来、展示を終了する水族館はさらに増えてしまうことになるはずだ。

ラッコブームの仕掛け人だった、現・水族館プロデューサーの中村元氏は、ラッコが日本にやって来るまで、その名前を聞いて知っていた人はいなかった、と言う。
物心着く頃から動物図鑑ばっかり見て育ったオレは、ラッコが日本上陸する前から、ラッコという名前の動物がいることだけは知ってた。
しかし、お腹を上にして水面で浮かんで生活していることも、お腹の上で貝を割ることも知らなかったし、それ以前にあんなに大きなものだとも思ってなかった。
ラッコの名前を知ってたオレも、イタチの仲間として想像していた大きさよりも、ずっと大きかったことを知ったのもサンシャイン水族館でのことだった。
当時、東京や関東にいた人たちは、オレと同様、サンシャインで初ラッコを経験した人が多いのだろうと思う。
その後のブームではTVでラッコを見ない日はない、というくらいだったし、それを契機に、沢山のラッコたちが日本にやって来たことで、今やラッコがどんな動物か知らない人はほとんどいないのではないだろうか?
しかし、この先、日本からラッコが姿を消したら…… 誰もラッコを知らない35年前みたいな状態に少しずつ戻ってしまうのかもなぁ、と、ちょっぴり気掛かり。
日本で見られなくなるまでには、まだもう少し猶予がありそうだけれどね。
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始まりがあれば、終わりは必ずあるもの…… とは言え、色々な意味で厳しさを増している水族館や動物園を取り巻く状況も気になるところ。
例えば、ラッコに限らず、今いる個体が死んだらそれでお終い、みたいな生き物が他にも結構いることなど。

でもまぁ、今は、サンシャイン水族館によって与えられた、生きたラッコを見られたという事実に感謝したいと思う。
サンシャインで展示されたラッコたち、そしてそれに関わったスタッフの皆さん、どうもありがとうございました。おつかれさまでした。

10月の串本の海@串本海中公園 [その他]

串本海中公園に行ってきた。
紀伊半島のほぼ先端という、遠く、きわめて行きにくい場所にある水族館で、しかも3月に行ったばかり。
でも、どうしても今の時期に行きたい理由があったのだ。

3月に行った時、その前年に行った時には乗ることができなかった海中観光船、ステラマリスに乗ることができた。

船から見る串本の海の中は、ただひたすらに感動的だった。
ただ、魚の姿は思いの他まばらで、美しいサンゴの海にしては、少々寂しい眺め。
船上で案内してくれるスタッフ氏によれば、水温の下がる冬場は、やはり魚の数は少なくなるのだという。しかしその反面、冬場は透明度はもっとも高くなる。
海の美しさを堪能するなら冬場がベスト。魚の数は水温が高い夏場だが、水の濁りも強く、透明度が5mほどしかない時もあるのだとか。
では、透明度と魚の数、どちらもいい時期はないのかと聞いてみたところ、そのどちらの条件をも満たすのが10月。水温は徐々に下がり始めるものの、まだ温かく魚の数も豊富で、透明度も高くなり始めるので、まさにベストシーズンと言うわけだ。
オレが串本にどうしても行きたかった理由というのも、まさにそれ。
ステラマリスの最初の出航時間である9時半を目指し、580㎞の道程を夜通し突っ走った。

オレが行った日は、予報では雨。行きの道中、多少の雨に降られ、残念な気分でいたところ、串本に近づくにつれ、空が明るくなり始め、串本に着く頃にはすっかり晴れに。
串本海中公園に行くなら、絶対に晴れがいい!! 予報に反して好天に恵まれたので、伊勢自動車道を走っているあたりでは、折れそうになっていた心もすっかり復活(笑)
そして予定通り、9時半出航のステラマリスへと乗船した。
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本州最南端の串本は、台風の影響を大きく受ける。
10月に立て続けにやってきた台風は、海の中のサンゴにも少なからず影響を及ぼしたらしい。台風の影響による海の濁りも、比較的最近まで続いていたのだそうだ。
透明度が戻ってきたのは、10月も末が近くなってきてからだったのだとか。
幸い、オレが行った日の透明度は18mとコンディションも良好。晴れたお陰で水中もよく見える。
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出港してすぐから現れるサンゴには、何度見ても新鮮な驚きがあるのだけど、サンゴの周辺に転がっている流木が少なからず目に付く。また、サンゴ自体も所々崩れていたり、折れて周辺に転がっているものがあったりと、台風の影響は見受けられた。
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しかし、それ以上に魚の姿は多かった。

メジナなど3月も見られた種類はもとより、チョウチョウウオなど色つきの魚の姿が多い。
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船を下りてからも、その足で海中展望塔まで行ってみたのだけど、やはりこれまでで一番魚の数が多く、小窓を覗き込む度に違った魚が見られるくらい、魚影が濃い。
オレが行った当日、周辺で見られた魚は40種以上が確認されていたとか。実際、オレの目の前にも次から次へといろいろ登場し、40種オーバーには届かなかったものの、ざっと20種類くらいは見られたんじゃないだろうか? それが水族館の水槽の話ではなくて、自然の海での話だから、まったく串本の海っていうのはスゴイ!!
そんな魚探しが楽しくて、ステラマリスと海中展望塔だけで、ほとんど午前中いっぱいを使ってしまったくらいだった。
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串本の海に強く感動できるのは、これが本州の海だからなんだと思う。
これが沖縄なら、もっと魚影も濃いのだろうし、カラフルな魚ももっと数多くいるはずだけど、沖縄ならそんなの当たり前の話。もちろん、それなりの感動はあるはずだけど、串本の海で得られるものとは種類が違うはず。
遠いとは言え、ウチからの距離は沖縄の約1/3くらい。自分が住まう本州にこんな海があるという事実には、やはり感動せずにはいられない。
とは言え、沖縄よりも行きにくいんじゃない? と思えてしまう不便さはあるのだけど…

魚が多く、透明度も高いコンディションはもう少し続くらしい。
もちろん、冬場でも海の美しさは十分に楽しめるけれど、魚も一緒に楽しみたいならやはり今の時期がベストだろう。
今シーズン中に見たい!! そう思った人はお早めに!! 多くの人に見て、オレと同じ感動を味わって欲しいと思う。

久しぶりの… 海響館 [その他]

久しぶりに海響館に行ってきた。
特別な目的があったワケではないんだけど、行きたがってた人のお付き合いといったところかな? HPによると、マナガツオがいるとのことだったので、それを見るのが個人的な楽しみだった。
そもそも、明確な目的のある遠征ではなかったから、行ったのも日曜日。
館内は当然、激混み。ええ、もうすっかりやる気をなくしましたよ(笑)
以後は人の少ない水槽を見計らって館内をウロウロ。

そんな中で、もっとも印象に残ったのはペンギンだった。
それにはワケがあって、2月に開催された「中村元の超水族館ナイト」で、ペンギンの生息地のひとつであるフォークランド諸島が話題になったから。
そこで見聞きした野生のペンギンの生活は、水族館で見知ったものとはまるで別物。
もちろん、きわめて過酷な環境と、飼育下での安穏とした暮らしを比較するのは無理があるというものだけど、海響館のペンギン村のフンボルトペンギンの展示ゾーンは、“本来のペンギンの姿”を感じさせてくれる現状、唯一の施設じゃないかとあらためて思ったからだ。

屋外の展示ゾーンに出ると、造波装置付きのプールに出迎えられるが、誰も泳いでいなかった。
遊歩道風の観覧通路を進むと、ペンギンたちの大半は巣にこもっていて、外にいる個体でも、プールから離れた位置にばかりいた。野生では、力がある者ほど海から離れた場所に巣を作るというけれど…
3月に入っていたとは言え、北風が吹きすさぶ寒い日。ペンギンも水に入りたくないのだろうか?
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そもそもペンギンは何をしに海に行くのか。
答えは簡単。餌を採るためである。
しかし、水族館では時間が来れば餌をもらえる。つまり、わざわざ水に入る必要はない。
入る必要がなければ、寒い日に好きこのんで水に入ることはペンギンでもしない、ということなのかも!?

その日はほとんど水に入らなかったフンボルトペンギンたちは、飼育スペースに植わっているススキの葉をむしって、巣に持ち帰り、快適な住まい作りに精を出していた。
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草むらの中でひと休み

餌の心配がないのなら、次に優先されるべきは住処のこと、のようだ。水族館で生まれ育ったはずなのに、鳥としての本能がきちんと受け継がれていることに感心させられる。

水の中で餌を採らなくていい水族館のペンギンにとって、水は何のためにあるのか。
体を綺麗に保つための風呂としての要素と、あとは遊び場、といったところだろう。
野生では、海の中には捕食者が待ち構えているため、水に入るまで1時間以上も水際で右往左往してるらしいが、水族館では、気が向くとプールへ飛び込んでいく。
特に館内の亜南極ゾーンでそうした傾向が顕著で、ジェンツーペンギンたちを中心に、プールへ飛び込んでは泳ぎ回ったり、プールから跳び上がっては飛びこむを繰り返す者、アクリル越しに観客に愛想を振りまく者など、水遊び? を楽しんでいる様子。

ペンギン村の水槽は、亜南極種が暮らすエリアもとても立派だ。
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背景は岩場。野生のペンギンの生息環境をイメージしたもので、ペンギン=雪や氷、といった固定概念の転換に挑戦した? 作りと言っていいと思う。
ペンギン村にも生息地の写真が大きなパネルとなって壁に貼られていたり、現地の映像が流されていたりするのだけど、それらと見比べてしまうと、やはり多少の違和感を憶えてしまうのだ。
オウサマもジェンツーも、雪や氷の上では営巣しないし、オウサマなんて雪を避けようとする傾向すらあるとか。写真で見た現地のペンギンは土の上や草地で営巣していた。
それを屋内の展示プールで再現するのは不可能に近いような難しさ、限界と言った方がいいかな? もあるのだろうけど、本来の生息環境に近ければ、フンボルトペンギンが見せてくれているような、野性的な表情を見せてくれるのかも? なんて思ったり。無い物ねだり、なんだけどね。

だが、ペンギンの遊泳力の素晴らしさは、どこよりも明確に紹介されている。

閉館が迫った頃、何羽かのジェンツーペンギンが水に飛びこんだと思ったら、ビュンビュンと泳ぎ始めた。
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ジェンツーペンギンはペンギン随一のスピードで泳ぐというが、スピードだけでなく、遊泳軌道を急激に変化させるので、写真を撮ろうにもピントが合う合わない以前に、あまりに速過ぎてカメラを向けられない。それ以前に目が追いつかないのだ。たった30~40㎞程度のスピードだというのに…
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来た!! と思ってカメラを構えても、シャッターを押した頃には行きすぎてる… こんなのばっかり。

もちろんこれも、餌を採るワケでも、外敵から逃れるためでもないから、ペンギンたちからすれば暇つぶしみたいなものなのだろうけど。

外敵と言えば、野生のジェンツーペンギンの天敵はヒョウアザラシ。
水槽と違い、広さに限りのない海の中で、4m近い巨体で追いかけ、追いつき、捕食しているワケだ。
ペンギンたちだって、命がけだから、水槽で泳ぐよりさらに速く泳いでいるはずなのに。

自然ってスゴイよね、いろいろ…
何だこのまとめ方…(汗)

長崎ペンギン水族館の気になるペンギン [その他]

少しだが魚もいる長崎ペンギン水族館だが、そこで気になるものと言えば、やはりペンギンだ。
国内最多の8種類が見られる… とは言っても、ここでしか見られない種類がいるワケではないのだけど、やはりペンギンが主役の水族館である。面白いものがいくつか見られた。

最初のひとつは、オウサマペンギンの雛。

オウサマペンギンの雛を見るのも初めてではなかったけれど、こんな小さいのを見たのは初めて。
8月に孵ったものだそうで、2羽いた。
オウサマペンギンの雛というと、モサモサ膨らんだ羽毛のせいで、成鳥よりも大きく、成鳥のような綺麗な色柄もない巨大な毛玉、みたいなイメージだったので、生後1ヶ月程度では可愛い感じなんだなぁ、という発見? があった。
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親の足下に潜り込めるほど小さくはないんだけど、それでも無理矢理(笑)

また、雛の親は周囲の個体やジェンツーペンギン、ガラス掃除にやってきた飼育スタッフなど、近づく相手に威嚇するのに忙しそう。
何事にも無関心な印象のオウサマペンギンも、この時期は過敏になるんだなぁ、というのが2つめの発見。

ペンギンの雛の羽毛は水をはじかないので、水に入ることはできない。
そのためか、雛がいる周辺は、水を撒いて掃除することができないようで、2ペアが子育てをしている周辺は、足下の糞汚れが目立つ。
ガラスで仕切られた向こうのことだから、臭いはしないけれど、ガラスの向こうはなかなか強烈なんだろうなぁ、と。
しかし、雛はと言うと、その汚れの上に寝転がって眠ってしまうのだ。
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成鳥と死体… ではなく、豪快に眠る雛(笑)
海で海獣的生活をする鳥だけに、イルカなどと同様、嗅覚に頼る生活はしていないのかも知れないけれど… とりあえず、臭いはあまり気にならないらしい… というのが3つめの発見(笑)


オウサマペンギンも印象的だったけれど、ここでもっとも魅力的で強く印象に残ったのは、日本の水族館ではもっともありふれた存在のフンボルトペンギンだった。
長崎ペンギン水族館でも一番数多く飼育されているが、ありふれた種類でも見せ方が違うだけで、ずっと眺めていたくなるほど魅力的に見えるというのも発見だった。
それほどまでにフンボルトペンギンを魅力的に見せているのが、ペンギンビーチだ。

10羽が館内の展示場から歩いて砂浜まで出勤する。
脱走できないよう、周辺は網で囲われているし、常に番をしてるスタッフ氏もいるのだけど、ビーチも海も、広い展示場よりさらに広い。たったの10羽が過ごすスペースとしては、あまりにも贅沢な環境だ。

ペンギンたちにとっても楽しい場所なのか、展示場から外へ出る扉の前では、早く出せ!! と言わんばかりの押し合い状態。
ビーチまで辿り着くと、途端に勢いよく走り出して、海へ突っ込んでいく。

やはり楽しいのだろうか?
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一度海に入ったペンギンたちは、餌の時間以外では上陸することはなく、勢いよく泳ぎ回ったり、プカリプカリと漂いながら羽や毛のメンテナンス等々、それぞれの時間を過ごしていた。
ペンギンに追われているのか、時々、小魚たちが跳ねるのが見える。
実際の所はペンギンに聞いてみなければ分からないのだけど、見た目にはとても楽しそうで、フンボルトペンギンの飼育環境としてはこれ以上はないのでは? とすら思えてくる。
念のために言っておくが、通常の展示場だって決してつまらないものではないのだけど、ペンギンビーチが魅力的すぎるので、かすんで見えてしまうのだ。

そうでなくとも楽しいペンギンビーチだが、餌の時間は特に要注目だ。

海に入ってしまうと、どこにいるか分からなくなるペンギンが一斉に集まってくるのはこの時しかないのもあるが、それ以上に息づかいが聞こえてきそうなくらい、ペンギンたちが近くに来るからだ。
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餌を持ったスタッフ氏を追いかけて、砂浜を右に左にと走り回るのだけど、ペンギンと観客を隔てるものは、砂浜に置かれた1本のロープだけ。
人はロープの内側に行かなくても、餌に夢中のペンギンたちはロープの外に出てくる。しゃがんでいると、ぶつかってくるんじゃないか、というほどの近さなのだ。

海に向かって餌を投げると、ミサイルみたいな勢いでそれを追い、慌ただしく砂浜へと戻ってくる。
急いでいるペンギンは、トボガン(雪や氷の上を腹ばいで進むこと)よろしく砂浜の上を翼でバタフライをするみたいに駆け上がってくる。
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そのバタバタした必死さ? も、ついつい顔がにやけてしまうほどに可愛らしい。

3(15)時になるとペンギンたちは帰る時間… なのだけど、帰りたくないのか、砂浜に上陸しなかったり、上陸しても海に逆戻りしたりと、なかなか集合しない。
館内に戻るペンギンたちを見送って、オレも水族館を後にしたのだけど、この水族館にいた時間の半分くらいは、このフンボルトペンギンを見ていたような気がする。
天気がよくて気持ちがよかったのもあるけれど、よく見知ったフンボルトペンギンがこんなに楽しませてくれることが分かったことも大きな発見だった。

ペンギン好きでない人にもオススメです!!

ドルフィンライダー@エプソン品川アクアスタジアム [その他]

水族館が超絶混雑する夏休みシーズンも終わり。
サンシャインやエプソン品川など、近くの水族館を除いて、この2ヶ月、ほとんど水族館に近づくことをしなかったが、お陰でこのブログも強烈なネタ切れ。
もっともアクセス数が伸びるこの時期に、ほとんど更新できないという体たらく。
それでも時節柄か、連日多くのアクセス数を数え、ありがたいことです。

さて、久しぶりの更新は、エプソン品川アクアスタジアムの話。
そこしか行ってないから、ということではないよ。念のため(笑)

エプソン品川アクアスタジアムと言えば、魅力の多くを占めると言っていいのがハイレベルなイルカショーだ。
それはこのブログでも何度か書いている通り。
その素晴らしさは、イルカたちの技術的な部分ももちろんながら、それ以上にトレーナー達がイルカ同様のパフォーマンスを見せてくれる点も大きい。
多分それは、イルカが単体でジャンプを披露するよりも、同じ種族である人が一緒に跳んでるのを見た方が、その凄さをよりリアルに感じられるからなんだろうと思う。

多彩な水中パフォーマンスはエプソン品川アクアスタジアムのショーならではの魅力となっているが、中でもスゴイと思わせてくれるのが、サーフィンライド。トレーナーがイルカの背に乗って(立って)プールの中を駆けめぐるヤツだ。
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トレーナーを背に乗せたイルカは、かなりのペースでプールの中を所狭しと駆けめぐる。勢い余って(トレーナーが)観客席の方に飛び出しちゃうんじゃ…、とか、プールの周辺のアクリルに激突しちゃうんじゃ… なんて心配をしたくなるほどのスピード感だ。
このサーフィンライド、他の水族館で見られる所は意外と少ない。あってもエプソン品川よりも広いプールで行われていることが多いので、それほどの凄さ(怖さ)を感じることがない。
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イルカの背はツルツル滑りそうだし、足には強い水流もかかってくるはずだ。泳ぐイルカの背に立つなんて、きっと難しいんだろうと思うのだけど、エプソン品川のトレーナーは全員、それができる。
ベテラントレーナーともなると、イルカと足がくっついているんじゃないかって思うくらいの安定感。バランスを崩して落ちてしまうことはほとんどなく、むしろ、イルカの疲労を気遣って降りる方が先だったりするくらいだ。

難しそうなイルカライドを、事も無げにやり遂げてしまうトレーナーを見ていてふと思った。スピードコントロールや、行く先(方向)はイルカ任せなんだろうか? それとも、トレーナーがコントロールする術があるのだろうか、ってね。

イルカからすれば、いつもやっていることだし、まっすぐ泳ぎ続ければ壁にぶつかることも分かっているので、ある程度はそうならないよう泳いでくれるというが、それでもやはり、行きたい方向やスピードなど、トレーナーの意志を伝えることは必要だ。

その意思伝達は、足の裏での微妙な体重移動などで行っているそうだ。
背中に足が設置しているサーフィンライド時ならともかく、足裏を押されて水中や水面を進むプッシング時は、イルカの吻先が足裏の一部分に点でしか接触していないはずだが、それでもきちんと意思伝達はできるのだという。
イルカってスゴイよね!!
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つまり、これら2つの技は、移動速度こそ全然違うけれど、基本は似たようなものだということ。

とは言え、接触面の少ないイルカよりも、足裏全体で接触できるオキゴンドウの方がやはり意思伝達はしやすいらしい。
ただし、能力的にはオキゴンドウにできることは、バンドウイルカにもできるという。その逆もまた然り。

サーフィンライドの難易度だが、それほど難しくはないのだとか。
話を聞いたトレーナー氏によれば「普通に運動神経があって、人を乗せることのできるイルカなら、1日もあれば乗れるようになりますよ」とのこと。
将来、イルカトレーナーを目指す人にとっては心強いひと言かも知れないが、話を聞かせてくれたトレーナー氏は、とんでもないバランス感覚を持った、運動神経の塊みたいな人だ。そんな人が言う“普通”だからして、常人にはやはり難しいのだろうと思う。
イルカの背中はやはり安定感のある場所ではないそうだが、それも乗るイルカの体格が大きければ大きいほど安定感は高いのだとか。
オキゴンドウとバンドウイルカの差もさることながら、同じバンドウイルカでも50㎏違えば、その安定感は格段に違ってくるらしい。
とは言え、それがオレなら… 1年かかっても乗れるようにならないだろうなぁ…

プールの中を縦横無尽に駆け抜けるサーフィンライドは、見ているほど怖くはないそうだ。
そのトレーナー氏は、サーフィンライドよりもロケットジャンプが怖かったと話してくれた。水中から飛び出した先が見えず、どこにどう飛び出すのか分からないため、慣れるまではかなり怖かったらしい。
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サーフィンライドもロケットジャンプも、イルカの力を借りての技。
そのため、トレーナーの体重は軽い方がいいそうで、重くなるほどスピードや飛距離に影響するらしい。
エプソン品川のトレーナー達は皆、驚くほどスリムだが、それもあのショーの実現には必要不可欠な要素なのかも!?

そもそも、イルカショーの意義は、イルカの能力の素晴らしさを伝えることにある。
しかし、エプソン品川のイルカショーは、イルカよりもトレーナーの能力の高さに圧倒されて、イルカの活躍を忘れがちになってしまう。
だけど、そのドルフィンライダーたちの素晴らしい活躍も、イルカの高い能力があったればこそ。
そんな小難しいことを抜きにして、純粋にエンターテイメントとしても十分に楽しいのがエプソン品川のショーだ。
あのショーを観ると、トレーナー達の芸達者ぶりに驚かされるのと同時に、“イルカってこんなことできるんだ!!”という驚きも得られるはずだ。
まだ観たことがない人は、是非、観に行って観て欲しいオススメのイルカショーだ。

名古屋港水族館のペンギンは今が旬!! [その他]

ペンギンを展示している水族館は多い。
また、施設やその規模など、凄い展示を行っている所も少なくない。
名古屋港水族館も、そんなスペシャルなペンギン展示を行っている園館のひとつと言っていいだろう。
南極の環境が再現された水槽環境もゴージャスそのものだし、規模や個体数もさることながら、飼育されているのがあまり見られない(亜)南極ペンギンのみという部分がその理由だ。

その名古屋港のペンギン水槽は今まさに旬なのだ。
屋内施設なのに何故? と思うかもしれないが、それはあの水槽が南極の日周条件を再現したものだから。
南半球の南極は、日本とは季節が逆。つまり、今時期は真夏。だから、名古屋港のペンギンプールは今がまさに夏真っ盛り。
あのペンギン水槽が1年でもっとも明るいのが今というワケ。
すべてのライトが常時点灯しているため、水の中までくっきり明るく、陸上にいるもの、水中を泳ぐもののすべてが、しっかりくっきり見える。
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写真を撮るなら最高のシーズンなのだ。
2月はまだ明るい(12、1月よりは少し暗くなる)けれど、3月を過ぎると少しずつ暗くなり始めるので、ペンギンたちを綺麗に見たいという人は、今の内に足を運んでおくといいだろう。
もっとも、水族館のペンギンファンからすれば、常識かも知れないけれど…

旬の理由はもうひとつあって、夏場はペンギンたちの繁殖シーズンでもあること。
雛の姿や、育児の様子が見られるのも今頃なのだ。
オレが行った時にも、ジェンツーペンギンとアデリーペンギンの雛が見られた。
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アデリーペンギンの雛は成鳥の可愛らしさが嘘みたいな真っ黒の毛玉みたい。最初、後ろを向いているのかと思っていたんだけど、よく見たら正面を向いていた。

一方、ジェンツーペンギンの雛ときたら、ふわふわでいかにも可愛らしい。
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卵から孵ってある程度の時間が経っているようだけど、まだまだ可愛い。
側にいる親鳥に盛んに餌をねだっていて、その度に吐き戻してやってる親鳥を見てると、大変だなぁ、と。
時間になれば餌をもらえる飼育下でも大変そうに見えるペンギンの子育てだが、餌を捕りに行かなくちゃならない野生化では、ホント、命がけなんだろうなぁ。

南極の日周条件の再現が効いているのか、名古屋港水族館はジェンツーペンギンの繁殖実績では国内のトップクラス。名古屋生まれの個体が全国の水族館で展示されている。
名古屋では毎年のように生まれるジェンツーペンギンが、余所ではそれほど増えていないのは、やはりこの光条件が効いているのだろうか?

その名古屋港でも繁殖成功例がないコウテイペンギン(産卵例はあるらしい)は、今が換羽シーズンに当たるようで、モサモサで汚い状態(笑)
あと少しすると、すべて生え替わり、綺麗な姿を見ることができるだろう。
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コウテイペンギンたちは換羽シーズンということもあってか、見てる間、顔を少し動かした以外、動くことはなかったけれど、ジェンツーやヒゲ、アデリーペンギンたちは本当によく動くし、また、その動きがおかしく、可愛らしいので見飽きないね。

ペンギンの写真を撮るのに夢中になっていてふと気付いた。
オレはステラに会いに来たんだ、って。
開館直後に入館し、13時頃までいたんだけど、3時間半ほどいてシャチとペンギンしか見た気がしない。
時間の配分がおかしいんだろうか?

アクアスのペンギン館 [その他]

西日本の水族館で“ペンギン”といえば、海響館の「ペンギン村」というイメージができつつあるような気がする? けれど、アクアスにもそれに劣ってない「ペンギン館」という施設があることをご存じだろうか?
規模こそ海響館のペンギン村ほどではなかったけれど、それでもペンギンの専用施設としては最大級。アクアスらしく? これまたたっぷりとお金のかかっていそうな、贅沢な作りの施設になっていた。
それなのに話題になりにくい(気がする)のは、アクアスのペンギン館のオープンから約1年後、より大きな規模で海響館のペンギン村がオープンしたため、きっと、それにオイシイ所を持って行かれてしまったからだ(笑)

見られるのはフンボルト、オウサマ、ジェンツー、イワトビの4種と、日本の水族館の定番種。国内調達されたものだから、そこは余所の施設と変わらない。
屋外のフンボルトペンギンの展示スペースから始まり、その隣に亜南極種の屋内飼育室が並んでいる作りで、飼育スペースを取り囲むように下りの通路が設置されていて、その先に水中から見上げられる観覧スペースへと続く導線になっている。
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1Fの観覧スペースはとても広くて、水槽からこぼれる光がフロアを照らす。
ペンギンが頭上で泳ぐのを眺めるため、オーバーハングした部分の真下にはベッドが置かれていて、そこに寝そべって上を泳ぐペンギンを眺められる。
でも、オレが以前、何かの写真で見たものは、ちょっと高級そうな革張り? のソファーベッドと思しきものだったのに、実際、そこにあったのはくたびれた茶色のタオルケットでくるまれたダブルベッド。大勢の人が入れ替わり立ち替わり寝そべったり、子供が飛び跳ねたりして、最初の状態を維持できなくなった結果、今の状態になってしまったということなのかも知れない。
色の影響なのか、汚らしい感じがして寝そべるのをためらってしまってけれど、“細かいことは気にしないぜ!!”という人は、寝そべって頭上のペンギンを堪能してみて欲しい。
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コンクリートの壁に、青いフロアカーペット。特に屋内側のペンギンプールは適度に暗くて、そこにダブルベッド… 何だか、ラブホみたいな雰囲気… と言えなくもない!?(笑)

アクアスのペンギンプールの最大の特徴は、プール内に水門があって、屋外と屋内をプール内でつなげられること。気温、水温の下がる冬場は、水門が開放され、屋内にいる亜南極種が屋外に出てこられるようになっているのだ。
11月の下旬に水門が開放され、ペンギンたちの行き来が自由になっているのだけど、普段は屋内で暮らすペンギンたちもやはり明るい屋外が気持ちいいのか、外に出てくる個体が多いように思えた。
屋外では、飼育スペースと通路は、高さ1.2mほどのガラスの仕切りで区切られているだけなので、ペンギンとの距離感が近く、観客のすぐ目の前、手を伸ばせば届きそうな位置でくつろぐペンギンたちを見ることができる。
ガラス越しじゃないジェンツーやオウサマは意外と貴重な上、やはりその圧倒的に近い距離感が嬉しい。
また、屋外飼育施設はほぼ常時、スプリンクラーが作動していて、糞がそこにとどまらないようになっている。つまり、屋外のペンギン飼育設備にありがちな、あの臭いがほとんどないのだ。掃除がラクになる面もあるのだろうけど、これもひとつの観客サービスと言えるんじゃないかな?

個人的にお気に入りの観覧ポイントは、通路にあるカプセル型の観覧窓。
水中を泳ぐのが見えるのだけど、カプセルは水中にかなり飛び出ていて、ちょうどそこを泳いでいくので、泳ぐペンギンと目が合う!!
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それだけでも結構「お~!!」ってなるんだけど、屋外プールの観察窓は、写真を撮るにもピッタリなのだ。
明るいから、シャッタースピードが上げられる。いや、ペンギンのあのスピードを追いかけるには、ある程度のシャッタースピードが必要なんだけど、明るい屋外プールならそれが可能になる、というのが正しいかな。
今回、オレのターゲットはオウサマペンギンだったんだけど、あまりのスピードにカメラどころか目が追いつかないほど。
しかも、泳ぎは直線的ではなく、突如として急旋回をしたりするから、写真に収めるのは相当大変。それにしても、水中であんな曲がり方をして身体は平気なんだろうか?
大きいプールで飼われているペンギンっていうのは、ホント、スゴイ!!
そんな凄さが垣間見られるという意味でも、アクアスのペンギン館はスゴイのだ。

アクアスにはたった1回行っただけのオレが言うのも何だけど、ペンギンを目当てに出掛けるなら、寒い時期が絶対にいいと思う。
もちろん、その理由は屋内飼育が当たり前の種類が屋外に出ているからだ。
陸上での距離感や、水中での圧倒的なスピードも、すべて屋外プールで見たものだ。
普通に考えれば、屋内プールもかなり充実した展示水槽だと思うのだけど、やはり日の光は生き物をより魅力的に見せてくれるもので、屋外にいる姿を見てしまうと、どうしてもそちらがいいと思ってしまうのだ。

ペンギン展示施設という意味では、日本で5本の指に入るものであること。
それを目的に出掛けても満足できること。
とりあえずこの2つは、間違いのない事実である!!

水族館ができるまでの戦い 水族館ナイトinサンシャイン水族館 [その他]

サンシャイン水族館のリニューアル後はもちろん、その様々な過程で、プロデューサーの中村元氏がTVや雑誌など幅広いメディアに登場。自らが手掛けた新生水族館のプロモーションに勤しんでおられた。
まだオープンするよりずっと前、リニューアルを扱ったTVの特集? で、マンボウの展示について激論が交わされている様子が映し出されたことがあった。
「マンボウの展示はやめるべき!!」とする中村氏に対し、「絶対必要です!!」と反論する水族館のスタッフ氏。その時の会議室の様子は画面を通してもスタッフ氏の苛立ちが伝わってくるような、かなり険悪な感じだったことを憶えている。

そのやりとりを見ていたオレも、「マンボウなんて要らないんじゃない…」と思った。
サンシャイン水族館にマンボウがいなくてはいけない理由はないからだ。だが、同様に、いなくていい理由も見当たらない。
マンボウは不要? それを言い出すと、何もかもが必要ないような気がしてくる。
そもそも、池袋のビルの上に水族館があること自体がおかしな話なのだから、海に面した余所の水族館のような、地域性に起因した展示理由なんてあるワケないのだ。
そう考えると、マンボウがいるのがサンシャイン水族館なのなら、それは必要なんじゃないか? みたいに思えてきた。
TVで見た会議以降、その話がどういう決着を迎えたのかは知らないけれど、結局、新しくなった水族館でも今まで通りマンボウは展示されてた。
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きっと、あらゆる生き物で同じような“戦い”が繰り広げられたんだろうなぁ、と想像するのだけど、自分の言葉で情報を発信できる中村氏とは違い、片方の当事者である水族館スタッフ氏の思いや考えを聞くことはできない。オレとしては、そここそが是非とも聞いてみたい部分だったんだけど…

だが、そんな機会が訪れた。
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リニューアルオープン後、水族館で開催された水族館ナイトで、中村氏と戦いを繰り広げたであろうスタッフ氏が話し手として壇上へと招かれたからだ。
トークショーという公共性の高い場で、しかも時間にも限りがある中では、オレが期待?
したような戦いの遍歴は流石に聞けなかったけれど、飼育スタッフ氏の話の端々にそのプライドや意地が垣間見えるようで、非常に面白かった。
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戦いのステージ!? サンシャインラグーン

水族館の飼育スタッフの仕事は、担当生物の飼育、管理はもちろん、担当水槽の作成など、飼育以外の仕事も多いけれど、基本的には表舞台に出てくる機会の少ない裏方的作業が大半を占める。
そのせいか、職人的な雰囲気の人が多いように思う。その分野では、圧倒的な“技”を持っている部分でも共通しているし。

飼育スタッフに限った話ではないけれど、仕事でも何でも長い経験を持つ人なら、自分の“技”や技術に自信を持っているだろうし、それがプライドの拠り所になってることも多いだろう。
自分の技術に絶対の自信を持つ職人気質の人ほど、その人が認めない相手の話や言うことを聞いてくれることはない。
しかし、飼育スタッフの場合、仕事人である以前に、その水族館に勤めるサラリーマンでもあるため、会社の方針や上司が決めたことには従わざるを得ない。
それでも、そうした決定の中には、受け入れがたいものもあるのだろう。
恐らく、サンシャイン水族館のリニューアルでプロデューサーとしてやって来た中村氏は、飼育スタッフ氏たちからすれば、そんな“受け入れがたい存在”だったに違いない。
本来、リニューアルという同じ目的、ゴールに向かっている仲間のはずなのだけど、片や水族館における集客やマーケティングのプロ、もう片方は飼育や生き物のプロ。それぞれの立場で物の見方はまるで違っていたはずだ。しかも、そのどちらの意見もその立場からすれば、絶対的正解なのだろうから、相手の意見をすんなり呑めるはずなんてなかっただろう。
オープンに至るまで、あらゆる戦いが繰り広げられていたことは間違いなさそうだ。
館内の雰囲気や水槽の形、見せ方は大きく変わっているけれど、展示生物自体は大きく変わっていないのは、もしかするとスタッフ氏たちの抵抗が強く、中村氏が負けてしまったのかも!? なんて邪推してみたり…
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戦いのステージ!? クラゲトンネル

サンシャイン水族館のスタッフ氏に個人的な知り合いはいないけれど、酒でも飲みつつ話を聞けば、もっと濃い話が溢れ出てくるんじゃないか… 壇上で話している飼育スタッフ氏は、時間の都合で、エンジンが暖まりきる前にステージを降りていってしまったが、オレにはそんな風に見えた。
リミッターがかかっているような飼育スタッフ氏同様、中村氏の話もやはりクライアントである水族館でのトークショーとあってか、やはり出力控えめな印象。こちらも酒を片に話を聞けば、もっといろいろ聞けそうな予感(笑)

やっぱり、水族館を作るというのは、ハード、ソフトの両面で大変なことのようだ。

水族館ナイトの様子
http://www.ustream.tv/recorded/16516628 (1日目)
http://www.ustream.tv/recorded/16534363(2日目)
http://www.ustream.tv/recorded/16552867(3日目)

沖縄美ら海水族館(海洋博公園)ウミガメマニアックス [その他]

南知多ビーチランド編でウミガメの話をした時、珍しいクロウミガメの話をした。
コメントを寄せてくれた人の情報では、須磨海浜水族園にもいるそうだが、それでも国内3カ所でしか見られない激レア種。
そんなクロウミガメも、美ら海水族館のウミガメ館で見ることができる。
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沢山のウミガメが泳ぐメインプールではなく、脇にある小さなプールに1匹で入っている。

クロウミガメも珍しいのだけど、同じくらいか、それ以上に珍しいのがヒメウミガメだ。
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国内では美ら海水族館以外に、名古屋港水族館の隣にあるウミガメの繁殖研究施設にいる(らしい)のみという、これまた激レア種。
美ら海水族館のウミガメ館では、メインプールで泳いでいるが、1匹しかいない。
クロウミガメのような稀種ではなく、コスタリカなどでは繁殖のため浜を埋め尽くすほどの数で集団上陸したりするようだが、日本近海では少なく、上陸例もないのだそうだ。
ウミガメ館では3種類のウミガメと混泳しているが、その他の種類より体が小さく、甲羅がより円形に近いのですぐに分かるはずだ。
ヒメウミガメ、クロウミガメという激レア種がいるので、美ら海水族館では日本の水族館で見られるすべての種類のウミガメを見ることができる。南知多ビーチランドと並ぶ、ウミガメマニアなら行かないワケにはいかない水族館なのだ。
南国の太陽が降り注ぐ屋外のプールで泳ぐウミガメたちは、心なしか他の水族館で見るものよりも気持ちよさそうに見える。多分、オレの気持ちの問題だけど(笑)

オレが行った時のウミガメ館では、ウミガメ展が開催されていて、案内や解説のためにそこにいた飼育スタッフの人にいろいろ話を聞くことができた。
その前の日、その飼育スタッフ氏がプールの中のタイマイのエコー検査をしていたのを見ていたので、繁殖について話を聞いてみた。
ウミガメプールの外側には、小さな砂浜が付属しているのだけど、飼育下のウミガメたちはそこに上陸し、産卵を行っているらしい。
アカウミガメやアオウミガメの繁殖は難しいことではないそうで、産卵はすべての卵を1度に産みきるのではなく、何度かに分けて行うことが普通らしく、そのため、産卵が行われることも別段珍しいことではないのだそうだ。
だが、タイマイはそうはいかないとのこと。水族館生まれの個体が展示されていたりするから、アカやアオと同じようなものなのかと思いきや、飼育下での繁殖成功の鍵を握るのは“いいペア”の存在にかかっているのだとか。
美ら海水族館には、その“いいペア”が揃っているようだ。
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美ら海水族館生まれのタイマイ

エコー検査も、検査したメスは卵を持っていて、その成長度合いをチェックしていたものなのだそうだ。それによって、おおよその産卵時期が見込めるらしい。

ウミガメプールの周辺には、水族館生まれと思しき仔ガメが沢山いたが、それらはいずれ、海に放たれるのだろう。
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野生のウミガメを取り巻く環境を考えると、少しくらい大きくても安泰ではないんだろうけど、小さな仔ガメよりも力強く大きくなってくれそうに思うのは、オレがウミガメのことをよく知らないからだろうか?

繁殖の話とは別に、もうひとつ興味深い話が聞けた。

オレがもっとも見てみたい生き物のひとつでもあるオサガメのこと。
美ら海水族館では(多分、美ら海水族館になる前の話だと思うが)、オサガメを飼育していたことがあるのだそうだ。
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写真は南知多ビーチランドで展示されていた剥製

定置網にかかったものが運び込まれ、3年ほど飼われていたとか。
オサガメは飼育が難しいと言われているが、その理由は主に2つ。
まず、壁を認識しないこと。これは壁を認識しないというより、急旋回が得意ではないといった感じだろうか? まぁ、オサガメに限らず、ウミガメはどれも壁の目前でターンしたりすることはないが。
2つめは、甲羅を持たない体がスレやすいこと。オサガメはレザーバックと呼ばれるように、一般的なカメのような硬い甲羅がなく、全身が皮で覆われている。イメージとしてはスッポンのような感じだろうか? 滑らかな皮膚状の体で、壁への衝突を繰り返せば、やはりダメージは蓄積していくのだろう。
加えて、オサガメは“動きが速すぎる”くらいとにかく泳ぐのが速いそうで、そのスピードで止まることなく泳ぎ続けるらしい。つまり、衝突時の衝撃も大きいということ。それらが、状態を落とす要因になってしまうようだ。

話を聞かせてくれた飼育スタッフ氏も、実際に生きたオサガメは見たことがないそうだが、恐らく、ウミガメ飼育スタッフの間に伝わる経験談は、当たり前の話ながらとてもリアルで、プールを泳ぐオサガメを想像するには十分だった。
だが、最近は沖縄周辺でオサガメが捕獲される例はなく、最後に捕獲されてから、既に何年もの月日が経過しているらしい。
絶滅が心配されている種類だけに、とても気にかかる情報だ。

オサガメは自然下ではクラゲを主食にしていると言われている。
あんな巨体を、あんな栄養のなさそうなものでよく維持できるもんだと驚かされるが、同時に、浮遊したビニールを食べてしまうことも多いのだろうなぁ、と。
オサガメは知らないが、ウミガメは何でも食べようとする生き物だ。当然、ビニールだって食べようとする。きっと、オサガメだって同じようなものなのだろう。
それを消化器官内に詰まらせるなどして、死ぬカメはかなりの数に上るという。

一方、我々の生活の中で目に触れ、手にするビニールの数も膨大だ。
例えば、コンビニでおにぎりを買って、コンビニの前に止めてあるクルマまで持ち運ぶのにビニール袋は必要?
そのおにぎりだってビニールでくるまれているし。

それらのビニールを使うなとはオレには言えないけれど、もし、そうしたビニール類を使った時は、絶対に飛んでいかないゴミ箱などにしっかり捨てるように心掛けて欲しい。
海の中を漂うビニールやプラスティックのゴミはおびただしい数になるそうで、水深5000mにもそうしたゴミが沈んでいるのだそうだ。
最悪なことにそれらは腐らず、分解もされず、生き物を殺す原因にもなる。まぁ、そこはビニールを始めとする樹脂、プラスティック素材の美点でもあるんだけど。

このブログを見てくれている人は、少なからず生き物が好きな人だと思うのだけど、自分が使ったものでなくても、風に舞っていたり、海のそばに落ちてるビニールは拾って、絶対に風などで飛ばされない場所でちゃんと処分するようにして欲しい。
そうすることで、死ななくていいウミガメや海鳥、海獣類を死なせずに済むことにつながるはずだから。

南知多ビーチランド・ウミガメマニアックス [その他]

南知多ビーチランドは、ふれあい日本一と謳っていたり、とにかく海獣が売りの水族館というイメージがある。
もちろん、それは間違いじゃないんだろうし、実際さまざまな種類の海獣たちを見ることができるんだけど、中庭にいる沢山の海獣類たちの中に、ウミガメのプールがあって、不思議なことに、そのウミガメのラインナップがやけにマニアックなのだ。

ウミガメといえば、南知多ビーチランドから1時間ほどの距離にある名古屋港水族館でも飼育や繁殖に力を入れているけれど、マニアックさという意味では名古屋港水族館を上回っていると言っていい。
まず、滅多に見られない種類のカメがいること。
通常、水族館のウミガメというと、アカウミガメかアオウミガメがほとんど。あとはせいぜいタイマイがいる程度、というのが普通だ。
しかし、南知多ビーチランドにはそれらに加え、激レアのクロウミガメがいる。
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クロウミガメは南知多以外では、オレが知る限り、沖縄海洋博公園(美ら海水族館)で1匹が展示されているのみ。
※須磨海浜水族園でも展示されているそうです。コメントに書き込みをいただきました。

日本では滅多に捕れないとても希少なカメらしいのだけど、ここには屋外のプールだけでなく、屋内の水槽の中にも入っている。
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クロウミガメという名前とは裏腹に、外のプールにいる個体も、沖縄にいるものも、白っぽい色をしていて、クロウミガメ? という感じなんだけど、屋内のサメの水槽にいる1匹はちゃんと黒っぽい色をしていて、なるほど~!! と思わされる。

見るだけでもスゴイ(はず)のに、プールにいる個体には餌を与えることまでできてしまうのだ。観客にいつも餌をもらっているカメたちは愛想がよくて、プールの縁に立つとこちらに近寄ってくる。しかもそれが激レア種なのだから、ウミガメマニアにはたまらないだろう。

屋外のプールではクロウミガメはもちろんなのだけど、是非見てみて欲しいのがハイブリッドのウミガメたちだ。
どうしたワケかアカウミガメ×タイマイ、アカウミガメ×アオウミガメの2タイプがいて、それがまた1匹だけではなく、それぞれ何匹かずついるのだ。
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タイマイ×アカウミガメ
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アオウミガメ×アカウミガメ
野生由来のものなのだろうけど、何でこんなものがこんなにいるの? という驚きと、滅多に見られるものではないという両面でビックリできる。
面白いのは、それぞれの特徴、形質が表現されていて、どの種類とどの種類のハイブリッドだということがちゃんと分かること。
片親がアカウミガメということもあり、甲羅や体はそれを彷彿とさせる色をしているのだけど、頭はアカウミガメほど大きくない。
それでもタイマイクロスの方は甲羅の縁がギザギザした少し頭の小さいアカウミガメといった感じで、甲羅は普通のアカウミガメよりも滑らかな感じで柄も綺麗。一方、アオウミガメクロスは赤みがかった色のアオウミガメといった感じで、頭が小さくスマートな印象。本来のアカウミガメより“カッコいいんじゃない?”なんて思ってしまった。
食性の好みとか、性質とかはどんな感じなんだろう? 聞いてみればよかった。

レアなウミガメのほとんどは屋外のプールにいて、上からしか見えず、天候などの条件にも影響を受けてしまうから、横から水中の姿を見られればいいんだけど…
まぁ、カメにとっては、太陽光がダイレクトに降り注ぐ屋外飼育の方いいんだろうけどね。

でもまぁ、日本中でたったの5種類しか見られないウミガメの内、4種類が見られて、さらにここにしかいないだろうハイブリッドまで。
ウミガメ好きなら避けて通れない水族館なのは間違いなさそう。餌やりもできたりするし、ウミガメが好きだという人にもオススメです!!
ご用の方はmistralaquqrium@gmail.comまでご連絡下さい。
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