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おんねゆ温泉 北の大地の水族館(北海道) [水族館レポート]

昨年7月7日にリニューアルオープンした、北海道でもっとも新しい水族館が「おんねゆ温泉 北の大地の水族館」だ。

小規模な水族館ながら、2012年7月にオープンして以降、北海道の水族館の話題を独占。オープン半年にして、水族館のある北見市の人口を上回る17万人を集客し、冬場になって、その伸びも幾分弱くなったというが、依然、記録を伸ばし続けている大注目施設だ。

プロデュースを手掛けた中村元氏によれば「日本一の貧乏水族館」だそうで、総予算3億5000万円というプロジェクトだったとか。その予算は水槽や展示など館内のリニューアルだけでなく、新しい水族館を建てることを含めてのものだったそうで、日本一かどうかはともかく、近年の水族館としては驚異的に少ない予算であることは間違いない。
例えば、中村氏がプロデュースを手掛けたサンシャイン水族館のリニューアルには、約30億円が投じられていることを考えれば、どれだけ少ない予算が想像がつくだろう。
しかし、その少ない予算でできた水族館は、ちゃんと営業を開始し、それどころか北海道では“第2の旭山動物園”なんて言われるほどの大成功ぶり。

水族館で展示される魚や水槽ももちろんながら、それ以上に、総額3億5000万の水族館がどういうものなのか、ものすごく興味を引かれた。
だって、宝くじが当たれば、同じものが作れてしまうワケだからね。

ひとつ前のブログに書いた通り、オレが行ったのは1月の半ば。
そのため、水族館の周辺はどちらを向いても雪ばかりで、どんな場所なのかは分からなかったけれど、オレンジ色の建物は雪の中でもしっかり存在感があった。
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予算の規模が小さいのだから当たり前の話なのだけど、水族館の規模は小さい。
しかし、「北海道の水の冷たさ」を感じさせる3つの水槽の強いインパクトが、規模の小ささを帳消しに、というか、力ずくで納得させてくれるような感じ。
そのひとつが、入ってすぐ、順路の最初にある滝つぼの水槽(生命がきらめく滝つぼ)だ。
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深いブルーの背景を持つ背高の水槽で、観客の頭上にオーバーハングするハーフトンネルの水槽だ。
水槽の上には滝があって、水槽を見上げる観客の頭上に勢いよく水が降り注ぐ作り。
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強い(水の)圧力があるだろうと思うのだけど、水が落ちる場所には魚たちが集まっていて、水槽の中のマスたちは、こうした場所で暮らしているんだろうなぁ、とか、こういう場所が好きなんだろうなぁ、と想像することができる。
暖かいとは言え、最高気温がマイナスの時期に行ったので、水の冷たさよりも館内の暖かさに幸せを感じていたけれど、水を介してフロアを照らす明かりが綺麗で、ずっと上を見上げていたくなる水槽だった。


お次に登場するのが、凍る水槽として、今時期注目度がさらに高まっている四季の水槽。
我々のツアーも、この水槽を見に行ったと言っても過言ではないほど、今時期のおんねゆ水族館を代表する水槽だ。
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水中から水面に張った氷を眺めたり、氷の下で春を待つ魚たちがどう過ごしているのかを見ることができる水槽で、我々のツアーが行く前日に完全氷結宣言が出され、その注目度がさらに高まっていたようだ。
実際、地元の人と思しき観客にも、水槽の氷の話をしていた人がいたし。
余談ながら、その人が「凍ってないよ!!」と眺めていたのは、先の滝つぼの水槽だったのだけど…

だが、我々が到着した日の温根湯の気温は-3℃。それまで連日-20℃を下回る冷え込みが続いていたそうだが、ツアーがやって来る日になってそれまでの冷え込みが嘘のように気温が上がり、加えて今年は地下水の温度が高いそうで、全面氷結していたはずの氷は少し溶けてしまっていた。
それでも、水中から水面の氷を眺めたのは初めての経験だし、文字通り、氷水の中にいる魚の姿を観察するのも初めて。
水底でジッと動かないのかと思っていたんだけど、陽の出ている時間には、意外と泳ぎ回るということも初めて知った。
夏場は強い水流によって川の流れが再現されているそうだが、中の魚たちはその流れの中で、力強く泳ぐ様を見せてくれるという。
人工の、小さな池に過ぎない展示水槽ながら、魚たちの力強さとか、生命力みたいなものを夏と冬でそれぞれ濃厚に感じさせてくれる展示になっている。
パッと見では、別段珍しい魚が入っているワケでもないので驚かないけれど、水槽前にしゃがみ込んでじっくり眺めていると、ジワジワと感動させてくれる。
何より、朝日を浴びて輝く氷を、水中から見上げた時の綺麗さを知っている人はあまりいないはず。あのキラキラ感は、ずっと眺めていたくなる。


そして3つめがイトウの水槽。
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おんねゆ水族館最大の水槽にして、フラッグシップ水槽でもある、凍る水槽と並ぶ象徴的な展示水槽だ。
今日び、イトウなんてどこの水族館にでもいるし、それ自体で驚くことはないのだけど、ここの水槽にいるものは、普通に見られる養殖ものではなく、天然ものなのだという。
温根湯の周辺には、北海道でもほとんど見られなくなったという天然のイトウがまだいるらしく、それが展示されている。
そのためか、どの個体も1mを超す大きさがあり、大きな個体であるにも関わらず、顔つきも飼育個体らしからぬシャープで凛としたもの。

10℃ほどの水温ということもあってか、活発に泳ぎ回ることはないが、この水槽を見学するツアー客を撮ろうと、取材のカメラがいくつか入ってきた時、取材チームの照明機材に驚いたのか、群れ全体に緊張感が走っているのが見てとれた。
すると、慌てて逃げようとする個体が出てくるのだけど、そんな時に魚同士がぶつかったりする音の“ドンッ!!”という音圧、水槽の底に沢山入っている大きな石が、魚に吹き飛ばされて転がったりするのを見せつけられると、そこに大きな魚がいるんだということが感覚的に伝わってくる。
あまり健全な方法とは言えないけれど、そこにいるイトウの大きさを強く感じることができたのは収穫だったと言えるかも知れない。

この水槽は豊富な地下水を常時注入する新水垂れ流し方式で、専用のろ過槽がない。
それも予算を圧縮するための方策だったようだが、水の濁りや、魚が暴れた際に舞う沈殿物の多さはやや気になった。
濁りについては、水槽内にそびえる木をぼんやりとさせ、幻想的な感じとなっていたり、また、水槽の奥が見えにくくなるので、奥行き感の演出にもひと役買っているのも事実だが、その先に出てくるピラルクーの水槽など、余裕のあるろ過システムが構築された水槽は、光り輝かんばかりのクリアな水をたたえている。そんなのを見てしまうと、イトウ水槽にもろ過槽が欲しいなぁ、なんて思ってしまうのだけど…
北見市長にお願いしようかしらん!? 多くの集客を実現したご褒美に、ろ過槽を買ってあげて、って(笑)

この水族館、夏場にはまた違った味わいがあるんだろうけど、氷が作り出す水景の美しさは冬ならでは。
夏を知らないので、どちらがいいとは言えないけれど、氷の水槽は間違いなく一見の価値があることは断言できる。行けるなら、氷がある間に、足を運んでおくことをオススメしておきたい。
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