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サメ水槽のメンバーチェンジ@沖縄美ら海水族館 [サメ]

沖縄美ら海水族館のサメ水槽(サメ博士の部屋)のメンバーが変更された。

水槽のメンバーチェンジなんて普通のことだろ!? と思うだろう。しかし、大型のサメを展示したあの水槽のメンバーチェンジは普通のことではない。
何故なら、魚の入れ替えが簡単ではない、というか、とても困難だから。
そのため、いつ行っても比較的変化の少ない水槽だった。
しかし、それがガラリと変貌を遂げた。ほぼすべてのメンバーが入れ替わった。

美ら海水族館へは10年通い続けているけど、ここまで大きな変化は初めてだ。

新たにサメ水槽にやってきたのは、ツマジロ、クロトガリザメ、そして7/6のブログに書いた水族館産まれのイタチザメだ。
それによって現在のメンバー(サメ)は、イタチザメ、ツマジロ、クロトガリザメ、オオメジロザメ、以前からいたドタブカ、ヤジブカのメジロザメ科のみ6種類。イタチザメを除く5種類はすべてCarcharinus(メジロザメ)属という、実にメジロザメ率の高い水槽になっている。
イタチザメの話は、7/6のブログを見てもらうとして、他のサメについて。
ツマジロは2017年に水族館に搬入され、大水槽を泳いでいたもの。
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搬入時1mに満たなかった小さな体が2年の歳月を経て見違えるように逞しくなり、晴れて? サメ水槽の住人となった。

大きくなり、大水槽でもそれなりに存在感はあったけれど、大水槽に比べると小さいサメ水槽ではその存在感は強烈なほど。
そしてそれがものすごくいい(見やすい)位置を泳いでくれるので、水槽の前に立つだけでその姿をしっかりじっくり見ることができる。
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成長した姿をあらためて、これまで以上に間近で眺めると、そのあまりの美しさにため息しか出ない。
ホント、綺麗なサメであることを今さらながらに強く実感させてくれる。

ツマジロと同じく、大水槽からの引っ越してきたのはもう1匹、クロトガリザメもだ。
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こちらはツマジロより遅れること約1年後に大水槽に搬入され、最初はそのあまりの小ささにその姿を見失うこともしばしばだったのに、サメ水槽を泳ぐその姿を見て“こんなに大きかったの!!”と、立派なサイズ感にひたすら驚かされた。
このサメを大水槽から取り上げた飼育スタッフ氏も、ここまで大きいとは思っていなかったらしく、捕まえた時の想像以上の大きさに驚かされたのだとか。
まぁ、それはともかく、こちらもその美しいフォルムに感動させられるだろう。
ツマジロみたいな堂々とした体躯、という感じではないけれど、“トガリ”とその名に付いているように、シャープで細身なスタイルはこのサメならではだ。

これら3匹は、1カ月ほど前までジンベエザメの泳ぐ大水槽で暮らしていた。
そこからどうやって3匹のサメを取り出すのか。気になるところだろう。
ジンベエザメや複数のマンタが泳ぐ水槽でもあることから、大きな漁網などで仕切ることはできない。
ならばどうするか。
飼育員が網を持って潜水し、捕まえるのだそうだ。
もちろん、人海戦術的なこともあるようだが、いかに水槽とは言え、泳ぐサメを泳いで捕まえるってスゴイ。これもまた引っ越しにまつわる驚きのエピソードだった。

メンバーチェンジと言えば、以前、この水槽には飼育40年の伝説のオオメジロザメが展示されていたが、その姿が見えなくなっている。
とは言っても、死んでしまった、とかではもちろんない。
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Mr.美ら海(オオメジロのことね)は、数多の同居魚を襲ってきたという伝説の持ち主である。もちろん、サメもその例外ではなく、新たに引っ越してくるツマジロやクロトガリザメ、水族館産まれのイタチザメは当然一緒にすることはできない。
というワケで予備槽に移動されたのだが、Mr.の移動はやはり大変らしい。
3m級の大きさもさることながら、やはりその性質上、少なからず危険性があるらしく、その移動は“できればやりたくない”作業なのだそうだ。まぁ、当たり前だよね。

サメ水槽が今の状態となるまでには……
オオメジロ(Mr.)、レモンザメの移動→生け簀よりイタチザメ搬入→大水槽からツマジロ、クロトガリザメを移動、ということなんだけど、そのひとつひとつのステップの裏側に大変さがあって、それらを経て今のサメ水槽になったと思うと、何だか感慨深く思えてこないだろうか?

余談ながら、新生サメ水槽にも小ぶりなオオメジロザメがいるけれど、これは新たに搬入されたものだ。
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まぁ、そんな話はともかく、大水槽時代よりも見やすくなったツマジロやクロトガリザメは是非とも見てみて欲しい。
美ら海水族館でしか見られない(ツマジロ)こともあるけれど、とにかくその圧倒的な美しさを堪能しやすくなった分、その魅力はより伝わるようになっているはずだから。
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水槽生まれのイタチザメ展示開始@沖縄美ら海水族館 [サメ]

先月末頃、と言っても1週間ほど前の話だが、美ら海水族館に行ってきた。
半年ぶりながら、水槽を泳ぐ顔ぶれには多少の変化が見られたが、とりわけサメ水槽は大きな変貌を遂げていた。
新たに展示されたサメの中に1匹のイタチザメが。
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サイズは2mほどと、この水槽で展示されるイタチザメにしては小ぶり。
だが、この個体、ただのイタチザメではない。“特別な”個体なのだ。

話は遡って2017年3月初め頃、美ら海水族館に大きなイタチザメが搬入された。
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過去最大級の重さだというその個体は、どうやら妊娠しているらしい、とのことだった。
お腹の子がいつ、どうやって産まれてくるのか。ほとんど知られていないイタチザメの繁殖様式の解明という意味でも、きわめて貴重なサンプルでもあった。
出産は搬入から3週間と少し経った2017年3月23日。約30匹の仔が産まれ出てきた。
残念ながら、オレはその場に居合わすことはできなかったのだけど、イタチザメの出産が世界で初めて水槽で観察された歴史的な日として記憶されている。

回収された仔ザメたちは、水槽横の予備槽に収容され、黒潮探検の通路からも見ることができた。
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細長く、ヒョロッとした仔魚。全長こそ80㎝くらいあったけれど、4m近い巨体の母親個体と比べると、同じ魚とは思えないくらい弱々しく、そして可愛かった。
当時、飼育スタッフ氏が「ぬいぐるみみたいな目してて、ホントに可愛い!!」と、頬を緩ませながら話してくれたことを思い出す。

その当時の仔魚は、ゆらゆらと立ち泳ぎのような泳ぎ方をしていた。
イタチザメの産まれて間もない幼魚は、時折、水族館でも展示されることがあるが、これまでオレが見たことがあったものはいずれも立ち泳ぎのような泳ぎ方をしていたので、こんなものなのかな? なんて思っていたのだけど、やはりそれは正常な状態と言えるものではなかったようだ。
その後、遊泳状態が通常の状態になると、途端に成長速度が高まり、体つきもしっかりとしてきたのだという。

出産から約1年半後の2018年7月、図らずもこの幼魚と再会。生け簀ツアーでのことだった。
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水面付近に姿を現した小ぶりなイタチザメが、水槽産まれの個体であることには気づけなかったくらい、大きく、たくましく成長していた。
実を言うと、成長させるのは無理なのだろうと思っていたし、もういないものだと思っていたので、それが水槽産まれの個体であることを聞いた時には、ものすごく驚いたのと同時に、とても嬉しかった。
飼育スタッフ氏によれば、過保護なくらい、手塩に掛けて育てられたのだそうだ。

そしてその遭遇から半年後、今度は水槽で再会。
生け簀の時とは違い、今回はすぐにピンときた。この個体、もしかして…!? と。
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サメ水槽を泳ぐイタチザメは、これまで展示されたものも、水面付近の壁に沿うように泳いでいることが多く、水槽生まれベイビーもそれは同じ。
だから、見やすい位置を泳いでくれる他のサメたち(それらがやたら魅力的なこともあるけれど)に目を奪われ、やや目に入りづらい。
同様に、アクリルの近くには来てくれず、水面付近しか泳いでいないので、綺麗に写真を撮るのはかなり困難だ。

先にも書いたように、サイズは約2m。
生後2年で2mは、大型種の幼魚とは言え、かなりの成長速度なのだそうだ。
水槽に移った今も、餌はよく食べているようなので、この先もそんな成長が続けば、次に会う時にはこれまた驚きの大きさになっていて驚かせてくれるのかも。

いずれにしても、産まれ出た瞬間から2年間、その成長が観察された唯一のイタチザメである。
この個体が教えてくれることはこの先も数知れないほどあるのだろうと思う。
それがこの個体が“特別な1匹”である理由だけど、それにしても、その成長の要所要所で遭遇できるオレも、この個体とよほどご縁があるらしい。
自分で言うのも何だけれど、何かスゴイなぁ、と思っちゃったよ(笑)

このイタチザメも含め、新生サメ水槽、今までにも増して素敵になってます!!
美ら海水族館に行った際にはお見逃しのないよう、強くオススメしておきたいと思います!!
サメ水槽の話も、またいずれ。
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記録に挑戦!? サメ(板鰓類)の話 [サメ]

4月4日、仙台うみの杜水族館で飼育、展示中のヨシキリザメが、同館が持つヨシキリザメの飼育記録、252日を更新した。
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今日の時点で262日めに突入しているはずで、このまま順調にいけば、1年に届く!? そんな期待が持ててしまう快挙だ。

マンボウ展示を目的とした比較的大きな水槽で、全長1mにも満たない小さな個体をたった1匹。他には賑やかし役? のサバが少しいるくらいという、とても贅沢な環境で飼われている。
水流なども調整されているそうなのだけど、そういうのも含め、現時点ではヨシキリザメの飼い方としては、これがもっとも正解に近い、と言えるのかも知れない。

そもそも、ヨシキリザメに限らず、野生の生き物の正しい飼い方を知っている人は誰もいないし、100%の正解もないのだろうと思う。
でも、それが正しければ(間違っていなければ)、成長した個体が繁殖し、その産まれた個体が成長し、繁殖する。
そんなサイクルが確立された時、あらためてそれが“正しい飼い方”だったと言えるようになるのかも知れない。

仙台うみの杜水族館のヨシキリザメは今、その正解に向けた答えを探している最中で、現時点ではもっとも正解に近い環境や日常の管理は、これまでに飼育されてきた個体によって積み上げられてきたデータやノウハウから、手探り状態であれこれ試してきた中で辿り着いたものだ。

オレはそんなチャレンジを遠くから眺めているだけでしかないのだけど、時々こうして聞こえてくるチャレンジの一端を目や耳にする度、とんでもなくワクワクしてしまうのだ。

水族館から聞こえてきた、オレをワクワクさせて仕方ない話はいくつもあったけれど、ヨシキリザメ記録更新を記念? して、サメを中心とした“チャレンジの記憶”を振り返ってみたい。

かつて、ヨシキリザメの飼育記録を保持していたのは葛西臨海水族園だ。
ヨシキリザメは更新されてしまったけれど、葛西臨海水族園は他にもとんでもない記録を保持している。
サメに限れば、あのミツクリザメの記録保持者でもある。
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2014年に打ち立てられた15日が現在のレコード。
たった15日!? と言うなかれ。
大抵、水族館に搬入されても1~2日で展示終了してしまうミツクリザメを2週間以上も展示を続けただけでなく、その間、ちゃんと泳ぐ姿も見せてくれていたのだ。
残念ながら、摂餌には至らず、飼育記録というよりは展示記録だが、輸送方法や魚の取り扱い方など、活かすための方法が編み出されたのだろう。
この記録をさらに伸ばしてくれることを期待したい。

大記録と言えば、先月(3月)、飼育25年めに突入した、沖縄美ら海水族館のジンベエザメ、ジンタだ。
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ジンベエザメの展示を行う施設は、海外まで含めれば結構あるような印象だが、それでもこんなに長く同一の個体を飼育、展示しているのは美ら海水族館だけ。
今回も自らが持つレコードを更新することになった訳だが、今後、この記録に追いつく施設は出てくるのだろうか? そんな風にさえ思えるくらいの大記録だ。
95年の飼育開始時に4.6mだったものが、現在は8.7mとなり、数年前には性成熟に達したことも確認されている。
つまり、現時点でもっとも正解に近い飼い方の結果であると言え、同じようにすれば、うまく飼える可能性が高いということでもある。

サメではないけれど、伊勢シーパラダイスのノコギリエイもとんでもない記録を更新中だ。
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今日の時点で飼育日数11529日め(31年半くらい)を迎え、未確認ながら恐らく世界記録だろう、とのこと。
余談ながら、伊勢シーパラダイスの魚類担当チームの誰よりも年長らしい(笑)
仙台のヨシキリザメと同じように、30年前に水族館にやってきた当時、飼い方が分からない中で色々なチャレンジがなされた結果、今日に続く記録へとつながった。
“たまたま生きちゃった”訳ではないのだ。

ノコギリエイはこの先、新たな個体の輸入が期待できないものとなってしまったこともあり、この記録がどこまで伸びるのかに注目すると同時に、いつまでも続いてくれることを願うばかり。

伊勢シーパラのノコギリエイも凄いのだけど、それ以上の記録を持つサメが1匹いる。
美ら海水族館で現在も飼育、展示が続けられているオオメジロザメだ。
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沖縄海洋博が終わった頃に搬入されたものが、今でも生き続けていて、飼育日数は今年で41年め。まさに美ら海水族館の生き証人とも言うべき存在だ。
ちなみに、この個体、美ら海水族館(当時は海洋博記念水族館)が飼育を手掛けた最初の個体である。
長く飼われているだけでなく、繁殖にも度々成功し、現在、油壷マリンパークで飼われているものも、この個体の血を引いている。
そもそも、オオメジロザメって何年生きるの? という疑問さえ超越するような記録だが、とりあえずとんでもなく凄いことは間違いない。
生き物なのだから、いつかは死ぬ日も来るのだろうけど、今なお新たな武勇伝が伝わり聞こえてくることを思うと、この個体に限っては、そんなことはないのかも? みたいにすら思えてしまう。

とりあえず、目指せ、50年、といったところかな?
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小笠原の天然? 水族館 [サメ]

自然豊かで、透明度が高く、サンゴに色鮮やかな魚が沢山いて…… 
そんな海のことを、TVや旅行ガイドなどでは“天然の水族館”なんて紹介しているのを見掛ける。
ステレオタイプと言うのか、もうちょっといい言い方ないの? と思っていたのだけど、小笠原には“天然の水族館”と呼びたくなるような場所があった。

そこは大村の街からもほど近い桟橋で、水産センターの裏手あたりにある“とびうお桟橋”。
イルカウォッチングやダイビングなどの船や、漁船などが係留されている小さな港。
周辺の景色や、水が綺麗なことを除けば、一見、どこにでもありそうな港だ。
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小笠原に行く前、いろいろ調べていた中で、とびうお桟橋でシロワニが見られることがあるというのを見掛けた。
それを知って、そこに行くことが水産センターに次ぐ重要な? 目的となったものの、相手は自然の魚である。運が良ければ見られるのかも? くらいのつもりで期待はしてなかった。

いざその場に行ってみると、海を覗き込んでる人たちが何名か。
オレも海を覗き込んでみると……

いた!!
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まさかこんな場所に、まるで飼われた魚みたいに、ワイルドのシロワニがいるとは思わなかったので、本当に驚いた。
ここまであっさり見られるとは思わなかったので、サメの姿を見つけてから慌ててカメラの準備をしたくらいだ。

シロワニの他にも、ロクセンスズメダイやテンジクイサキ(ミナミイスズミ?)、ボラが集まっていた。
そんなところに、海面を眺めていた観光客がご飯粒とかパンを投げ始めた。

世界遺産の島で、野生の魚に餌付けなんかするなよ!! と、苦々しく思ったのだけど、どうやら、宿泊施設などで餌やりができると案内? しているらしい。
9時(21時)が近くなってきた頃、お客を引き連れて地元のガイド? 宿の人? が入れ代わり立ち代わりやってきては解説を始め、そういう人もご飯粒やパンを投げ入れる。
思っていた以上に“観光地”となっているようだ。

次々にパンやお菓子、ご飯粒などが撒かれるため、魚の数は増えていく。
しばらくすると、マダラエイが何匹か現れ、ネムリブカも登場。
餌付けされた小魚が多く集まることで、サメやエイもそれを狙って集まってくるのだろう、そう思った。
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でも、真相は違った。

魚たちはサメの口元も平気で横切るし、ネムリブカもシロワニの口元をまるで気にしない。

その理由は、サメやエイたちの餌も用意されていたから。
何と、バケツにいっぱいの魚のアラを持ってきている人がいて、それが撒かれ始めた。
するとサメやエイたちは盛んに索餌行動を見せ始め、豪快なフィーディングタイムが始まってしまった。
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魚のアラを持ってきた人も、その様子を見ていた人に解説を行っていたから、観光に関わる仕事をしている人なのかも知れない。
アラが与えられるのは、それがある時だけで、毎日ではないとのこと。
オレが行ったのは、ちょうどその給餌日? だったようで、魚の集まりがやけによかったのもそのせいらしかった。
翌日にもシロワニを探しに行ってみたが、魚の数はずっと少なく、シロワニやマダラエイの姿は見掛けたものの、オグロオトメエイやネムリブカは現れなかった。

その場に比較的長い時間いたので、次々にやってくるガイド? たちの解説が聞こえてくる。
ただ、その内容は、間違いとまでは言えないものの、正確でもないことが多く、惜しい!!
あれがもし有料なのだとしたら、オレには不満に思う内容だが、説明を聞いてる人たちは“ふーん”みたいな感じだったので、それでもいい… んだろうなぁ。
いろいろ聞こえてきた中では、アラを撒いてた人の解説だけが参考になった。
餌を与えているだけあってか、個体数の把握、識別などもできていそうな感じで。

サメやエイを始め、魚が多く集まるのは夜。
しかし、海に向かってオレンジ色の街灯が灯り、水中もしっかり見える。
そういう意味でも、信じられないくらいに観察しやすく、水族館みたいに感じる部分でもある。しかも、水に入ることもなく見学できるし。
でも、そこにいる魚はすべてワイルド。
小笠原、スゲェ!! そうとしか言いようがないよね、まったく。

シロワニは3~4匹いるようで、水温が下がる時期になると集まってくるらしく、夏場はこの場所では滅多に見られないとのこと。
見られるのは夜がメインだが、昼間もその周辺にいるようで、見える位置を泳いでくれることは少なかったが、それでも時々、その姿を見せてくれてた。

とびうお桟橋には2晩、昼間も3回ほど覗きに行ったが、見られた魚は、

シロワニ、ネムリブカ、マダラエイ、オグロオトメエイ
ネズミフグ、テンジクイサキ(ミナミイスズミ?)、ロクセンスズメダイ、アカヒメジ、ボラ、ダツ(種類不明)
リュウキュウヤライイシモチ、スミツキアトヒキテンジクダイと思しき群れ
昼間にはトゲチョウチョウウオ、セグロチョウチョウウオなども見られた。
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シロワニは個人的に、小笠原を象徴する魚のひとつ。
水産センターでは飼われていないが、それが見られたのは本当によかった。
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凄いぜ!! 沖縄美ら海水族館・サメ編 [サメ]

沖縄の梅雨が明けた……

という訳で今年も行ってきました沖縄美ら海水族館。
まるで帰省みたいに、何がなくとも行くのが恒例化している。
今回はいろいろと目的もあったのだけど、行ってみると、目的以外にもとんでもないラッキーに遭遇できた。

沖縄に着いた日、何気なく美ら海水族館のHPにアクセスしてみると「ツマジロの展示開始」との見出しが目に入った。
ええ、驚きましたよ。
でも、いつもと違うのは、その時のオレは沖縄にいて、数時間後には確実に見られること。
当選した宝くじを拾ったような、予期せぬ強烈ラッキー。こんなこともあるんだなぁ……
ツマジロはその名の通り、ヒレ先が白いメジロザメで、日本の水族館では展示されていない種類だった。
シンガポールの水族館にいることは分かっていたから、いつか、とは思っていたけれど、図らずもそれを目的にシンガポールに行く必要はなくなった。

目的のツマジロに会うべく、急ぎ、サメ水槽へ。
でも、ヒレ先が白いサメは見当たらない。その水槽で見たことがなかったサメの姿が何匹かいたので、もしかしたらこれがツマジロなの? とも思ったり。
何しろ、生きた姿を見たことがないサメだから、違うサメを見ていても、それがツマジロではない!! という確信が持てなかったのだ。
何となくモヤモヤしたまま、大水槽の前を通りがかった時、グレーの小さなサメが泳いでいるのを見つけた。
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もしや!! と近寄ってみると、その小さなサメこそがツマジロだった。
名前の通り、ちゃんとヒレ先は白く、他のメジロザメ類とは明確に見分けられることが分かった。
2匹いるツマジロはいずれも1m未満の大きさで、あの大水槽ではあまりに可愛いサイズ。
でも、それなりに大きくなる種類だから、成長するとまた違った印象になるのだろう。
簡単に見られない種類だから、この先の成長に合わせて、それまで知らなかったいろいろなことを教えてくれそうだ。

今回の美ら海水族館では、サメ関連での話題はツマジロだけではなかった。
サメ水槽には、新たにクロトガリザメとドタブカ、アカシュモクザメが仲間入りしていた。
アカシュモクザメは以前、大水槽を泳いでいたものだが、クロトガリザメとドタブカは新顔。個人的には、ドタブカを美ら海水族館で見たのは今回が初めて。

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クロトガリザメ
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ドタブカ

言葉にするとたったこれだけの3種のサメだが、その展示まではかなり苦労の連続だったそうだ。
というのも、クロトガリザメは沖合に暮らすサメだからか、輸送に極端に弱く、運ぶと途端に弱ってしまい、そのまま…… ということが多いらしい。
採集は難しくないのに、水族館でほとんど見掛けない理由は、運べないに近いほどの輸送困難種であることが理由なようだ。
つまり、今回の個体は、そのきわめて困難な輸送に耐えた価値ある1匹。そう聞くとありがたみが増すような気がしてくる(笑)

また、これらのサメが搬入された水槽には、そこの主でもあったオオメジロザメがいたはずだが、その姿が見えなくなっていた。
新入りのサメを襲う可能性が高いため、移動したとのこと。
しかし、相手は3m級の超危険ザメである。おとなしく移動してくれる訳ではなく、その移動には危険も伴う。加えて、飼育記録更新中の“美ら海水族館の顔”でもある。
つまり、水族館にとってきわめて大切な個体だから、その移動に万が一は許されない。
それらの作業が無事に行われたからこその新顔展示であり、一連の作業を見ていた訳ではないけれど、凄く大変だっただろうことだけは想像できる。やっぱり、ありがたみ、という言葉が相応しい新展示なのだ。

ツマジロも含め、メジロザメ類はどれもこれも、同じような色、形をしたものばかり。
それがどんなに珍しいものだとしても、サメに特別な関心のない人には、“ただのサメ”でしかなくて、見た目から得られる満足度は残念ながら、そう大きなものではない。
また、それが集客に結びつくかというと、正直、難しいところもあると思う。
でも、それでも、さまざまな苦労を乗り越えて、こういう“分かりにくい凄さ”に挑戦してくれる水族館って、個人的にはホント、大好き!! オレみたいな者からすれば、ただただ有り難い限りだ。

それはともかく……
個人的に興味深く思ったのはアカシュモクザメ。
別に珍しい種類ではないし、同じ個体を大水槽で、もっと小さい頃から見ているけれど、気になったのはその泳ぎ方。
体を斜めに傾けて泳いでいたのだ。
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シュモクザメの体型からすると、流体力学的に理に適った泳ぎ方なのだそうだ。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20150204/434322/072500013/?n_cid=nbpnng_fbed
この記事に書かれていたのはヒラシュモクザメだったが、アカシュモクザメもやるんだ!! 泳いでいる姿を見た時、上記の記事のことを思い出したのだけど、考えてみれば、ほぼ同じ体型をしているのだから、アカシュモクザメが傾いて泳ぐのも不思議ではないのだろうけど……
意識したことがなかったせいか、斜め泳ぎを見たのは初めて。今後は、余所の水族館でもしっかり意識して観察してみようと思う。

これら新入りのサメたちが泳ぐ水槽では、3月末にイタチザメが出産した。
子を産んだのは、妊娠した状態で搬入されたメス個体。
生まれた仔を見るのは、今回の目的のひとつだったのだけど、仔魚を見ることができる黒潮探検(大水槽上観覧通路)が閉鎖されており、オレが行った7月頭の時点ではまだ開放されていなかったので、残念ながら水槽生まれの仔魚を見ることはできなかった。
しかし、それを生んだ母親個体は今回初めて見ることができた。
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大型のイタチザメ、それもメス個体はこれまで何匹か見ているけれど、この個体は“分厚く”“太い”。かなりの迫力体型。
産後も食欲が落ちることなく餌を食べ、すぐに体型も元に戻ったのだそうだ。
もちろん、餌の与え方なんかにものすごい工夫がされているからなのだけど、オレが行った日も、餌を食べる姿を見せてくれた。

現在は大型のオスがいないので、今後の繁殖は現実的ではないけれど、そういう夢をリアルに感じさせてくれる個体であることは間違いない。

という訳で、今回の美ら海水族館、ほとんど何も見ないで、サメとイルカに終始してしまった。

イルカ?

はい、次回はイルカ編に続きます!!

ホオジロザメ降臨@沖縄美ら海水族館 [サメ]

奇跡が起きた。
2016年が明けて5日。沖縄美ら海水族館にとんでもないものが搬入され、展示された。
ホオジロザメである!!
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大変残念ながら、個体の死亡により、既に展示は終了してしまったけれど、展示されていた4日間は、TVや新聞などでも報道されるほどの高い注目を集めた。
オレの肌感覚だけど、その数日はサメ好き、水族館好きの色々な感情が渦巻いた、ちょっと異様なほどの騒ぎだったような気がしている。

とてつもない幸運に恵まれ、オレは見ることができた。
ガキの頃からの“夢”が叶った。
水族館へやって来てくれたサメ、そしてそれを展示してくれた水族館、そしてその関係スタッフ氏には深く感謝したい。
しかしながら、誰よりもガッカリしてるだろう関係スタッフ氏たちや、間に合わず見られなかった人たちの気持ちを思うと、喜んでばかりもいられないなぁ、みたいな気分でもある。

水族館へと駆けつけ、その姿を目の当たりにした時は、ひたすら信じられない気分だった。
あのホオジロが目の前を泳いでいるのだ。実物を目にして、それを見られた感動や喜びが沸き上がってくるまで、しばらく時間が掛かったくらいだ。
どうやら、話を聞いた水族館のスタッフ氏も、同じような気持ちだったらしい。

オレにとって、ホオジロザメは小さい頃からの憧れだったから、本やTV、最近では様々な動画や映像など、それこそ人一倍そういうものに接してきたと思う。
しかし、やはり実際に目の前で生きて泳ぐホオジロザメは、そうして培われたオレの中でのイメージと同じではなかった。
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まず、極端なほど三日月型をした尾ビレや、同じ水槽を泳ぐオオメジロやイタチザメとも大きく異なるミサイルみたいな体つき、著しく隆起した尾柄キール等々、知っていたつもりだったそれらが、いちいち“こんな風になってたんだ!!”と驚きと感動を与えてくれる。
やはり、生きた姿を見せる水族館(動物園)は必要なんだ!! と強く思った。
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イタチやオオメジロとは違い、常に半開きの口も、高速遊泳魚ならではだ。
3.5mのオス個体で、長く伸長したクラスパーから、成熟に達したものと推測されている。
メスほど大きくならないオスとは言え、たった3.5mで成熟するのか!! というのも新鮮な驚きだった。
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しかし、圧倒的な遊泳力を可能とする体は、水槽での飼育を難しいものにする。
先にも書いたように、4日でもそれが生きて展示されたという時点で“奇跡”なのだ。

まず、泳ぎ続けなくては呼吸できないものを、泳げない状態で水族館に運ぶこと自体が難しい。サメが漁獲された読谷から、水族館がある本部まではどんなに急いでも1時間以上掛かる。その間、呼吸を止めずに輸送できる方法があったこと。
そして、3.5mもある巨体である。それを網から船へ、船からトラックへ、トラックから水槽へと、数度の積み替え作業も必要なのだ。もちろん、サメはおとなしくはしてくれない。暴れれば暴れるほど、生存率は下がるから、できるだけダメージを与えないよう、そうした作業が完了したこと。
まず、生きたまま水族館まで到着できた時点で、奇跡だったのだ。

しかし、水槽へと搬入されて以降も、と言うかむしろ、本当に大変なのはそこからだったらしい。
水槽の壁に触れると、泳げなくなり、沈んでしまうのだそうだ。
これは外洋性の生物によく聞かれる話で、例えばスジイルカなどもプールに入れると泳げなくなると聞いたことがある。
もちろん、沈む=窒息死だから、何とか引き揚げて泳がせなければならない。でも、そこは大型のオオメジロやイタチザメが泳ぐ「危険ザメの水槽」である。
ダイバーが入って引き揚げることはできない。
そこで、網や棒で何とか引き揚げ、自発的な遊泳を引き出し、さらに壁に近付かないように誘導するのを続けた結果、何とか泳げるようになり、水槽をグルグルと旋回遊泳するようになった。文字にするとこれだけだが、やはり無理なんじゃないか… と現場も弱気になりかけるほどの必死な作業だったようだ。
1度は泳げなくなったサメが、再び泳ぎだしたこと。それもまた奇跡である。

動画 https://youtu.be/1FBhsaRENZ4

さらに、新入りのホオジロよりも大きなイタチザメとぶつかることから、イタチザメを水槽から取り出したり、落ち着かせるように水槽を暗くしたりと、とにかくできうる限りの対策が取られた。
オレが行った7日には、遊泳も安定し、素人目には“もう大丈夫なのでは!?”と安堵感もあったのだけど、飼育スタッフ氏に言わせれば「油断はできない」状態だそうで、搬入後、24時間体勢で観察が続けられていたそうだ。
午後3時半、危険ザメ水槽の餌の時間の時のこと。同じコースで遊泳を続けていたホオジロザメに、それまでとは違った動きが見られた。
餌に対する反応なのかと、心躍った。その時は何も食べなかったけれど、あと数日すれば食べるようになるんじゃないか… と、長期飼育への期待感が高まった。
しかし、その後も観察を続けていると、何故かターンする回数が増えた。
ホオジロザメは高速遊泳性に優れる反面、細かい動きが極端に不得意で、壁の直前でくるりと身を翻すことができない。
壁に激しく体をこすりつけるようにしながら、バタバタ暴れるようにして無理矢理に体の向きを変える。
壁に体を擦り続けるのは、長い目で見ればダメージが蓄積されることにもなる。
それをオレの間近で眺めていた飼育スタッフ氏は「お願いだから、おとなしく泳いでくれ」と懇願するように呟いていた。

そして、その翌日……
もちろん、それだけが理由ではないのだろうけれど、残念ながら長期飼育には至らなかった。
でも、そもそも、生きたホオジロザメが泳ぐ姿を、水族館で見られるなんてこと自体が奇跡なのだし、その奇跡も、数々の奇跡が積み重なって叶ったこと。
もう、とんでもない奇跡なのである!!
また、その奇跡の舞台が、大きなサメの扱いに長けたスタッフがいて、それを収容できる水槽がある美ら海水族館だったこともひとつの奇跡だったのかも知れない。
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いずれにしても、こんな幸運に巡り会えたことは感謝以外の何物でもないのだけれど、惜しむらくは、この個体が生きてる間に、この話ができなかったこと。
でも、とりあえず今年は、宝くじなんかは絶対に当たらないだろうな。

イタチザメを獲ってきた(気分・笑) [サメ]

もう3ヶ月くらい前の話になるだろうか。個人的にはとても衝撃的なニュースが伝えられたのは。
沖縄にUSJの計画があることは知っていたけれど、それが美ら海水族館のある海洋博公園にできる、というヤツだ。
海洋博公園は水族館も含め、お気に入りの場所だが、そこにあんなものができてしまうのは、オレとしては耐え難いこと。
オレの好きな海洋博公園は今のままでいてくれるのは、あと数年。そう思うといてもたってもいられなくなって、沖縄行きの飛行機に乗ってしまった。
理由はどうあれ、沖縄に来てしまえば、行きたい所、見たいものは沢山ある。
せっかく来たのだから、ということで、前から行ってみたかった定置網体験に行ってきた。

沖縄の朝は遅い。まだ真っ暗の中、集合場所の漁港へ。
日の出(と言っても7時だけれど)と共に出港し、仕掛けられた網へと向かった。
定置網が絞られ、引き揚げられていくのに伴い、どんな魚が獲れるんだろう!? と、オレの期待も高まっていく。
そんな時だ。水面下を白く大きなものがフッと横切ったのが見えたのは。
一瞬のことだったので、気のせいかとも思ったのだが、しばらくすると、その白い影はまた現れた。何やら大きなものが、すごい速さで動いている。
サメ? イルカ? 水面を必死で見つめていると、その“何か”が水面付近で身を翻した。その瞬間、思わず声が出た。「サメだ!!」
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イタチザメだった。それもかなり大きな。

イタチザメは水族館で何度か見たことがあるけれど、弱々しい泳ぎの小さいものか、壁際をゆっくり泳ぐ美ら海水族館の個体だけ。
こんなに大きな個体を見たのも初めてなら、そのあまりの泳ぎの速さと、急旋回を繰り返す身のこなしに「こんな速く泳ぐんだ!!」とあらためて驚かされた。
また、船の上と水の中と、離れた場所にいるにも関わらず、アクリルを介さない大きなサメというのは、凄みというか、体の奥底から静かに恐怖感が沸き上がってくるような、何とも言えない感覚だった。

網が絞られ、漁獲された魚たちが姿を現す。魚によっては、早々に船へと引き揚げられ、手早く内臓や血抜きなどの処理が施されていく。
そんな様子を眺めていると、気になるのはやはりサメのこと。
「このサメ、どうするんですか?」近くにいた海人のオッチャンに聞いてみると、「ん!? 水族館に持っていくんだよ」と言う。
ここで言う水族館とは、もちろん美ら海水族館のことだ。
シートとクレーンを使い、海人総出で引き揚げられたイタチザメは、船倉の生け簀に収容された。
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その数時間後、夕方くらいに水族館へ行ってみると、「あっ!! さっきのサメ」
水槽を泳ぐイタチザメと再開した。
水族館に運ばれることは知っていたけれど、こんなに早くに会えるとは思っていなかったから驚いたのと同時に、まるで自分が捕まえてきたサメが展示されているみたいな、何とも言いようのない嬉しさを感じた。
もちろんオレは見ていただけで何もしていないのだけどね(笑)
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それにしても、水槽でアクリル越しに眺めてみると、まぁ、デカイこと!!
約3.7mのメスで、これだけ大きなものは、水族館ではもちろん、沖縄周辺でも珍しいのだとか。
海人のオッチャンは「こんなのまだ子供よ」なんて言うものだから、沖縄、スゲェ!! と驚いていたんだけど、沖縄本島周辺に大型のイタチザメはほとんどいないらしく、それに遭遇できたことはかなりのラッキーだったような。

この新入りイタチザメ、スゴイのは大きさだけじゃない。
水族館でもイタチザメは時々搬入されることがあるけれど、飼育が簡単ではない種類で、短命なことも多い。また、生きていても壁に体をこすりつけるように泳いでいることが多く、少なくとも水槽では海での生態を感じることはあまりない。
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しかし、この新入りイタチときたら、危険ザメの水槽の中でも体は一番大きいというのに、水槽内をスイスイと泳ぎ回る。壁に体を擦ったり、ぶつかったりすることもない。
オレのイタチ、凄いぞ!! あとは餌を食べるようになってくれさえすれば… なんて思ってたら、比較的すぐに餌も食べ始めたらしい。
残念ながら、オレは餌を食べるところを見ていないのだけど、今では普通によく食べているとか。壁に体を擦らず、餌もきちんと食べている… つまり、すぐに死んでしまうことはなさそう、ってことだ。

美ら海水族館といえばジンベエザメ、というのが一般的なイメージだけど、珍しさや希少性では、巨大イタチの方が上だ。
そもそも、イタチザメは幼魚が時々、水族館に搬入されることがあるくらいで、水族館では珍しい部類。しかも、長期飼育が難しく、生きた姿を見るのは意外と簡単ではないのだから、これだけ調子がよくて綺麗で、しかもこんなに大きいとなると、これを見るために沖縄に足を運んでもいいと思える価値がある!! とオレは思っている。
個人的にイタチザメは特別好きな種類ではないのだけど、水族館にやってきた経緯もあって、この個体は特別(笑)
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多くの人に見てみて欲しいし、それでその美しさに感動してみ欲しいと思う。

動画
https://www.youtube.com/watch?v=Pn1CRA-9y98

茨城のサメ騒動について [サメ]

サメは何億、何千万年変わらずに海に暮らし、そこで餌を獲り、繁殖をし、代を重ねてきている。
海にサメがいる。当たり前の話であり、まったく驚くに値しないこと。
それがどうだ。ここ数日、茨城の海水浴場にサメが現れたとTVのニュースを賑わせている。しかもその内容は、例によって、実にいい加減な、知らない人の不安を煽るだけのもの。たまたま点いたTVから垂れ流される、そんなニュース、否、与太話を見てしまった。
あまりにいい加減でちょっと腹立たしかったので、仕方がなく、このブログを書くことにした。

先にも書いたように、サメは海の住人。そして、我々人は陸上の住人である。
そもそも海は彼らの住処である。人が勝手に海水浴場なんて呼んでる場所だって例外ではなく、我々がそこに押し掛けているだけで、当のサメたちは、自分の住処で普段の生活をしているに過ぎない。
夏休みに海に入りたい? 海水浴場はひとつしかない訳ではないし、サメがいない別の場所に行けば済むこと。とにかく、公共の電波を使って、大騒ぎしなくちゃいけないような話ではまったくない。
TV好みなコメントをする学者(オレが見たのはサメの研究者ではないらしい)に、もっともらしく聞こえるような話をさせ、そんなことをしなくちゃいけないほどの大事件でもないのにヘリコプターを飛ばして空撮してみたり、まったくバカバカしくてうんざりする。

TVで報道されていた話をまとめると、メジロザメ科のサメで大きさは4m。16匹くらいいて、その大きさから察するに、危険なオオメジロザメの可能性もある、とのこと。
確かに、オオメジロザメには、4mもなくても海では絶対に会いたくない。
しかし、オオメジロザメである可能性はきわめて低く、その大きさも4mもないと個人的には考えている。
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オオメジロザメ@沖縄美ら海水族館

どうもTVが垂れ流している話は、オオメジロザメありき、みたいな感じがしてならない。
それが人を襲うこともある種類で、さらに河川にも侵入するという生態は、視聴者をより不安にさせる。つまり、TV的にはたまらなく“オイシイ”存在なのだろう。
4mのサメ? ホオジロザメじゃないの? 水族館の人はメジロザメって言ってる? 人食うメジロザメっていないの? オオメジロっていうのが人を食うらしい。それ茨城にいないの? えっ、いないの? だったら、いるかも知れない体のコメントしてもらって…… みたいな流れだったんじゃないかなぁ。

オオメジロザメを始めとするメジロザメ属のサメは暖かい海を好む南の海の住人だ。
ざっくり調べただけだが、茨城はおろか、相模湾でも捕獲されたという記録は見つからなかった。もちろん、TVが言うように、サメが現れた周辺海域の海水温が高く、オオメジロザメが好むくらいの水温になっているのは間違いないのだろうし、黒潮に乗ってやって来る可能性もなくはない。しかし、その周辺で捕獲例のないサメが16匹もまとまってやってくるだろうか?

しかし、オレが何よりもオオメジロでないと考える理由は、泳いでいる映像だ。
映っていたサメは細長く頭の先が尖っていた。
美ら海水族館の黒潮探検や、油壺マリンパークのバックヤードツアーに参加したことがある人なら見たことがある人もいると思うが、オオメジロの頭部先端は、角張った感じで、少なくともあんなに細長く尖った感じではない。
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少し分かりにくいがオオメジロザメを上から見たところ。

その違いはサメに詳しくない人でもすぐに分かるくらいに明確に違っている。
泳いでいる姿でメジロザメ類と同定されたように、そこでオオメジロザメでないことも恐らく分かっていたはずなのだ。
水族館の人などに話を聞いた際、そういう意見も出ただろうと思うが、まともに聞こえる意見は採用されないのだろう。話が大ごとにならないからね。

それから、4mという数字もちょっと大袈裟すぎる気がする。
オオメジロだって、手持ちの資料には最大350㎝と書かれているくらいで、少なくともメジロザメ属には4mにもなる種類なんてほとんどいない。また、そのくらいになる種類でもフルサイズ級。つまり、非現実的な大きさなのだ。
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ドタブカ@しまね海洋館 アクアス

TVが言うように本当に4mもあるのならば、メジロザメ属最大種のドタブカかな? と思ったのだが、先にも書いたように筆者はそんなに大きくないと考えている。そもそも、大きさに関する目見当というのはかなりいい加減なもの。6mと謳われたものを捕獲してみたら4mしかなかった、なんていう話もサメやワニではよくあること。
今回のサメも実際のところはせいぜい2m少々といったところではないだろうか。それでもメジロザメ類としてはかなりの大きさだが。

個人的には、あの周辺海域にも多く生息しているクロヘリメジロザメなんじゃないの? と思っている。
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クロヘリメジロザメ@アクアワールド大洗

明確な根拠がある訳ではないけれど、実際、太平洋沿岸域にも多く生息し、サメが現れた海岸付近にも、普通に生息している種類で、アクアワールド大洗や鴨川シーワールドでも展示されている、水族館でも比較的馴染み深い種類だ。
このサメも上から泳ぐ姿を見たことがあるが、TVで見た映像ともよく似ている。少なくともオオメジロよりはずっと。

でも、オオメジロザメでなかったとしても、安心していいことではない。
クロヘリメジロに人が食われたという明確な記録はざっくり探した程度では見つけられなかったから、そんな記録がいくらでも出てくるオオメジロに比べれば危険度はいくらか低いのかも知れない。でも、そこは大型の捕食者であるからして、潜在的な危険性は高い。ましてや、TVで映っていたような捕食行動中は、絶対に近付かないこと!!
興奮状態にあるサメは、どんな行動をするか予測できない。“最初のひとり”になりたくなければ、間違っても近くで泳ぐのは避けるべき。

ひとつ言えることは、サメがいると分かっている海岸に近付かなければ、絶対に襲われることはない。
幸い、クロヘリメジロもオオメジロザメも、水族館で安全に見ることができる。
どんなにサメが好きだという人でも、それとの遭遇は水族館を強くオススメしたいと思う。
タグ:水族館

ヨシキリザメの話 [サメ]

水族館でも高い人気を集める存在ながら、その展示が難しいのがサメだ。
うまく飼える種類もあるが、500種類以上ある中のほんのごく一部。
しかも、うまく飼えないのはラブカやミツクリザメなどの深海ザメだけではなく、浅い海に生息するよく知られている種類にも飼いにくい、飼えない種類が数多くいる。

例えば、イタチザメ。
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海では何でも食べてしまう強力な捕食者であり、超大型で数も多いため南西諸島やオーストラリアなどでは捕殺されたりしているほどなのに、それが水槽に入ると途端に脆弱なものとなり、1年生きればちょっとした記録になるくらいに、あっという間に死んでしまう。

仙台うみの杜水族館が挑戦を開始したヨシキリザメの飼育、展示はそんなイタチザメよりもさらに困難なもの。サメを飼ったことも扱ったこともないオレが言うのも何だけど、その難しさは深海ザメに匹敵するのでは、とさえ感じているくらいだ。
とても残念なことに、大水槽を泳いでいた2匹は、残念ながらオープンを前に死んでしまったようなのだけど、プレオープンの前、内覧会やプレスデーの時には確かに泳いでいたのだ。
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プレス向けの報道資料には、その展示開始を知らせるリリースが入っていたし、水槽横の魚名板のパネルにも、一番上に一番大きく表示されていたのがヨシキリザメだった。
それらは水族館の“本気”を感じさせた。偶然、いい状態で獲れたから展示してみよう、ではなく、展示するんだ!! という強い意志が見て取れたような気がしたのだ。
そのこだわりは、仙台うみの杜水族館が宮城県の水族館だから、なのだろうと思う。
ヨシキリザメは漁獲量が多く、練り製品やサプリメントの材料に多用されており、そのヒレは高級なフカヒレとなる。
三陸沖で多く獲れることもあり、水揚げは宮城の気仙沼で多い。つまり、宮城県に縁の深い水産物のひとつであり、三陸をテーマにした水槽の主役としては、まさにうってつけな存在と言えるのだ。

とは言え、そこはヨシキリザメである。
これまでの最長飼育記録は、葛西臨海水族園が1999年に達成した244日。
先にも書いたように、存在自体は珍しいものではなく、水族館へも時折搬入されることがあり、展示したことがある水族館は意外と多かったりする。
オレとしては、何としても見てみたい魚のひとつでもあったため、そんな話を聞きつける度に水族館に電話を入れるも、間に合ったことがなかった。
飼育についての可能性を聞いてみたこともあった。
しかし、帰ってくる答えは、水槽への適応性が悪い、壁を認識しない、等々、絶望的にすらなるようなものばかり。オレが飼育不能種だと考えているのも、そういう話を聞いてのこと。
唯一と言っていい、葛西での長期飼育例も「最初から広い水槽で飼い始めたのがよかったのでは」とのことだったが……
ちなみに、葛西ではマグロの大水槽で飼育を行っていた。

ただ、ミツクリザメなどの深海ザメとは違い、ある程度狙って獲れるなのだそうだ。
もちろん、仙台うみの杜水族館も再度の展示に向け、捕獲に向かっているという話も聞いたような……

今でこそ、20年以上の長期飼育に成功している美ら海水族館のジンベエザメだって、最初の1匹は10日しか生かせなかったところからスタートし、様々なトライアンドエラーを繰り返しながら、今に至っている。
仙台うみの杜水族館がヨシキリザメでやろうとしていることも、まさにそれ。
とても難しい挑戦なのだろうと思うのだけど、そこに挑戦しようと考えたこと自体、まずは評価されるべきだと思うし、応援したいと思う。
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いずれにしても、ヨシキリザメが生きて泳ぐ姿を見られるチャンスは、もっとも高い水族館であるのは間違いないだろう。
でも、しばらくは、長生きさせられない可能性が高い。見たいのなら、搬入のニュースが出たらすぐに駆けつける必要があるが、そこで見られるのはあの美しい姿なのである。
仙台に駆けつける理由としては、十分過ぎるだろう。

あとは仙台うみの杜水族館のスタッフ氏たちが、この困難なチャレンジを成功させて、いつ行っても見られる存在にしてくれることを願うばかりだ。
頑張って欲しい!!

やや速報 超激レア深海ザメ(カグラザメ)@アクアワールド大洗 [サメ]

先週金曜日(1/23)、アクアワールド大洗のtwitterに刺激的な一文が踊った。
「カグラザメを緊急展示しました」と。
奇しくも同日、あわしまマリンパークにラブカが搬入され、深海ザメのスターが揃う週末となった。残念ながら、ラブカの方は生きたままの展示は叶わなかったようだけど…

カグラザメは水族館で展示された実績はほとんどない超激レア種だ。
最近、青森の浅虫水族館に搬入され、限定公開がなされたようだが、それ以外ではオレが知る限り、沼津港深海水族館でかつて展示されたことがあるだけ。
そんなカグラザメが、近くはないけれど、それほど無理せずに行ける大洗にやってきたとなれば、これは行かなくちゃ!! となるところなのだけど、生憎、その週末は別の水族館に行く予定をしていたため、予定通り、そちらを優先した…

のだけど、週が明けて、SNSなどで見に行った人の話や写真を見聞きする度、やっぱり行きたくなってくる。
この機会を逃すと、もう2度と見られる機会はないかも知れない…
スクランブル!! というほど早くはないんだけど(汗)、時間を作って大洗まで行ってきた。

入館後、他の水槽には目もくれず、目的のカグラザメがいるはずの大陸棚水槽4へ。

いた!!
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どうやら生まれたての個体のようで、全長は1mくらい。体長は70㎝、といったところだろうか。
漁などで獲れるものは、いずれも大きなものが中心なようだから、こんな小さな個体というのも、相当珍しいのではないかと思う。
ミツクリザメやラブカのブームを引き起こす要因ともなったNHKの深海ザメの番組にも登場していたものも、5m級の超大型個体だった。
オレが知ってるカグラザメと言えば、まさにそれ。そのため、初めて見る実物は拍子抜けするほどあどけない感じで、とても“深海の主”というイメージは連想しにくい。
ただ、周りを泳ぐ同じくらいの大きさのツノザメ類と比べても、ずっと若い幼魚だというのに、体つきは意外なほどがっしりした感じで、少なくとも体格負けはしていない。
そんな部分は、大型種の幼魚であることを感じさせてくれる部分だ。
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水槽内では、壁に沿って片時も止まることなく泳ぎ続けていた。
その泳ぎは、例えばミツクリザメと比べると、遊泳速度も速く、力強い感じなのだけど、気になるのは水面近くを、やや立ち泳ぎのような体勢で泳ぐことが多かったこと。
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お陰で特徴の6枚ある鰓孔がよく見えたけれど…

生きたカグラザメを見るのは初めてなので、そういうものなのか、それがよくないことなのかは分からない。そもそも深海の生き物だから、絶好調という訳にはいかないのだろうけど、最高の状態、とも言えないんじゃないかなぁ、みたいな印象を受けた。
捕獲時にイカを吐き出したとのことで、水面付近でイカが給餌されていたけれど、くわえても飲み込まず、まだ餌は食べていないらしい。
とは言え、この先すぐに死んでしまいそうなほど状態が悪いようにも見えなかった。
このまま餌付いて、長期飼育、展示が成功するとよいのだけど。

大陸棚水槽4は、深海の水槽としては十分に明るく、写真も何とか撮れる、と思ってた。
しかし、照明は水底を中心に照らしていて、中層~水面付近は非常に暗い。
カグラザメが泳いでいるあたりは、まさに真っ暗。写真に収めるのには本当に苦労した。
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結局、その場に行って見たという証拠写真程度しか撮ることはできなかったけれど、ミツクリザメ、ラブカという、深海ザメのスーパースターに続く第三の存在と言うべき深海ザメの生きた姿をようやく見ることができたことは素直に嬉しいし、ありがたい限り。
冬になればあちこちで搬入のニュースが聞かれるようになったミツクリザメやラブカとは違い、生きて水族館に展示されることはほとんどないためか、知名度はまだまだそれほど高くはない。つまり、それらと比べると、じっくり観察がしやすいということでもある。

だからという訳ではないけれど、見に行ける人は見に行っておいた方がいいと思う。
先にも書いたけれど、生きたカグラザメが見られる機会なんて、これが最後かも知れないんだからね。
もちろん、できるだけ早く、というのもお忘れなく!!