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くしろ水族館ぷくぷく(北海道) [水族館レポート]

もう1年近く前の話だけれど……
昨年5月、イベントのお礼を兼ねて、標津サーモン科学館に顔を出した時のこと。

今回は、釧路の偵察ですか? と、館長。

釧路? 何かあるんですか?

エッ!? 水族館ができるの知らないんですか?

その時初めて、釧路に水族館ができることを知った。
「くしろ水族館ぷくぷく」として新水族館がオープンする2ヵ月ほど前の話だった。

残念ながら、オープンには間に合わず、また、オープン後ほどなくして夏休みシーズンに入ってしまったことから、釧路行きはしばらくお預け。
その頃、夏休み時期に行ったという人に、話を聞いたのだけど、“なかなかよかったですよ”と。

オープンすることを初めて知った時から4ヵ月後の9月。ようやくオレは釧路へと足を向けた。
既にオープンから2ヵ月が経過しようとしていた。

水族館は、周辺に大きなショッピングセンターなどが立ち並ぶエリアに新しくできた「釧之助本店」の2F部分。
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地元の水産会社の新しい旗艦店で、海産物を買ったり、食べたりできる施設だ。

その入り口を入ると、正面に2フロアを貫く大きな円柱形の水槽。
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水槽を正面に左へ行くと、買い物ができるエリア、右が食事ができるエリア。
水槽に沿うように配置された階段で2Fへ上がると、水族館の看板が目に入る。
賑やかな1Fに対して、2Fはややひっそりとしていて、入り口も何となく隙間みたいな感じ。
入り口の脇に置かれた券売機でチケットを買い、中に入る。

斜めに進むように配置された21本の水槽を縫うように進む順路になっていて、館内の暗さも手伝って、実際の規模以上に大きい? みたいな印象を受ける。
実際はかなり小規模なので、そのまま出口まで辿り着いてしまうと、あらためてその規模を実感することになるのだけど、実際の小ささよりは大きく感じられるような気がする。
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順路は色鮮やかな南の海の魚たち、クラゲ、地元の海の魚、タッチプールと続いていて、エントランスにある円柱水槽も、トラフザメやナポレオンフィッシュなどの南の海の魚が泳いでいる。
冬が長く、寒さが厳しい北海道だけに、明るく暖かい南の海の住人への憧れがあるのだろうか。全体的には南の魚が多い印象だ。

一方、地元の魚の展示コーナーはミズダコやカレイなど、下の階に行けば食用としても売られているものの他、マイワシが泳ぐ円形水槽、北海のアイドル、フウセンウオもいる。
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ひとつひとつの水槽は大きくないのだけど、やはり地元だからなのか、魅力的な個体が揃っており、オレにとっては“北海道に来た”ことを感じさせてくれるそれらの魚たちの方がありがたみを感じてしまうのだ。

また、変わった形の水槽が配置されているのも見た目には新鮮さを感じるだろうか。
半円形とかひょうたん型みたいな水槽とか、タッチプールも変わった形のアクリル製。
正直、水槽の中は見やすくないけれど、水槽の形が変わってることで、その中身を見てみたくなる効果があったりするのかもしれない?
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先にも書いたように、水槽は全部で21本。
入館してすぐの大水槽を除くと、それほど大きな水槽がある訳でもなく、規模は小さいので割とあっさりした印象。
しかし、水族館ぷくぷくがあるのは、地元水産会社が運営する販売店。
水産業が盛んな釧路だけに、水族館のついでに、美味しいものも楽しめてしまう点は見逃せないだろう。
オレに“なかなかよかった”と話してくれた人は、水族館だけでなく海鮮も楽しんだそうだが、それをするか否かで、水族館の印象も変化するような気がする。
オープンしてすぐの時間帯だったこともあり、オレは何も食べずに帰ったけれど、特別な印象とならなかったのは、それも理由かも知れない?
そう考えると、ランチや買い物のついでに行くといいかも知れない。

なお、大水槽は水族館に入館しなくても(入館料を支払わなくても)見ることができる。
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珍魚・ゾウギンザメ展示開始@サンシャイン水族館 [海の魚]

1週間前のことだっただろうか。
サンシャイン水族館で3月15日より「ゾウギンザメ」の展示が開始されることが発表された。

ゾウギンザメだと!!
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もちろん驚いた。
とんでもない級のビッグニュースなのはよく分かる。でも、どこか降って沸いたような話、みたいな印象だったし、当のゾウギンザメ自体、よく知らない魚だし……

オレはギンザメ類に憧れを抱いたことは、正直言うとなかった。
サメの名前が付いた軟骨魚類ながら、その見た目はずいぶん印象が異なっているし、オレがサメやエイに求めてる魅力みたいなものを、ギンザメ類に見出すことができなかったから、なんだろうと思う。
余談ながら、ギンザメ類はサメやエイと同じ軟骨魚鋼に属しているけれど、サメやエイが属する板鰓亜鋼ではなく、全頭亜鋼という別亜鋼に属している。
つまり、近いようでいて、それほどでもない間柄、と言ったところだろうか。

ギンザメ類に興味が薄いのは、あまりにも馴染みがないことも影響している気がする。
オレが見たことのあるギンザメ類といったら、スポッテッド・ラットフィッシュただ1種のみ。
今現在、鴨川シーワールドでギンザメが展示されているようなのだけど(それも早く行かなくちゃね)、生きた姿を見る機会なんて同じ深海の住人であるはずのミツクリザメやラブカよりずっと少ないのだからね。

そんな馴染みが薄いギンザメ類の、しかも日本にはいない種類が唐突にやってきたのである。
正直、どう驚けばいいのか分からない、みたいな感覚だった。
でも“生き物系水族館ブロガー”としては、やっぱり行かない訳にはいかないよね。
しかも、未飼育種へのチャレンジ、それも簡単じゃなさそうな魚種、等々、オレ好みなワードも並んでいるし。
なのに、公開日には行けない……
15日のTwitterには、ゾウギンザメの画像が並び、遠くからそれを羨ましく眺めていた。

そして18日、朝一で駆け付けたオレの前に、初めて見るゾウギンザメが。
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特徴的な突き出た吻もさることながら、一般的な? ギンザメとは大きく異なるチョウザメのような尾ビレが何とも印象的。
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胸ビレを羽ばたかせるような泳ぎ方はギンザメらしいところだが、突き出た吻先、大きな頭、高く尖った背ビレ、比較的高い体高など、全体的なフォルムはロングノーズ・コリドラスのような印象。
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※参考 ロングノーズ・ブロキス(コリドラスじゃないけど・笑)
こうして見るとあんまり似てないね。

でも、とりあえず、見た目からして珍しさが伝わってくるようなフォルムと、水槽の前に立つだけで目に入る適度なサイズ感など、水族館の話題の新人には素晴らしいくらいの条件が揃っている。
ゾウギンザメは卵の形もとても変わっているが、サンシャイン水族館ではその展示を目指していたそうなのだけど、いろいろ情報を集めていると、魚自体が手に入ることが分かり、今回の展示と相成った、とのこと。

ゾウギンザメはかつて葛西臨海水族園でも展示されていたことがあるそうで、その意味では、今回が日本初ではないのだけど、葛西で展示されたものは今回サンシャイン水族館で展示されたものとは別の種類。
サンシャイン水族館のものはオーストラリア産のCallorhinchus miliiという種類で、葛西のものはC.callorynchusという南米産の種類だったようなので、今回の展示は日本唯一にして日本初と言っていいはず。

ゾウギンザメは繁殖期になると浅いところまで上がってくるため、その時期に捕獲されたものは水槽でも状態よく飼育することができるのだという。
現地で畜養されていたこともあり、とてもいい状態で日本に到着したそうで、到着した早々から餌を食べ始めたらしい。
今では、アジやエビなどの餌を毎日大量に食べているのだそうだ。

状態がいいと、黒と銀が混ざったような体色になるそうで、サンシャイン水族館の展示個体はとてもいい状態であることが分かる。
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この手の魚にありがちな“早く行かないと見られなくなる”みたいな危うい感じがないことでも、状態の良さが見て取れる。
そのことをTwitterに上げたら、多くの人がリツイートやいいねをしてくれて、この魚に関心が高い人が多いことが分かった。
水族館の関係者でもないのだけど、珍しい魚に高い注目が集まることはオレも嬉しい。

サンシャイン水族館では、ゾウギンザメの繁殖を目指すと発表しているが、そんな夢のような話が意外とすんなりいけてしまうのでは? みたいな気さえしてしまう。

この不思議な感じは多くの人に見てみて欲しいと思うのだけど、状態がいいので慌てる必要はない。
これから先は、いつ行っても見られるだろうからね。
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番匠おさかな館の気になる魚 Vol.2 [淡水魚]

淡水魚専門の水族館には、ここ素敵!! と思えるような施設が多い気がしている。
単にオレの琴線に触れるだけ、ということかも知れないけれど、好きな施設が多い。
そのひとつが、大分の番匠おさかな館。
7年前に初めて行って、えらく気に入ったのだけど、その後、なかなか行く機会に恵まれず、というか、その遠さに阻まれ、気が付けば7年のご無沙汰。
昨年から、基準を満たした水族館巡りを終えることに注力してきたが、今回、その残りを片付けるため大分へ行くことになり、水族館のために大分まで来たのだからと佐伯まで足を伸ばすことにした。

2回目だから、初めての時のような感動はなかったけれど、それでもやっぱり楽しかった。
魚や水槽が綺麗な水族館は、魚好きにはやはり魅力的なのだ。

最初に気になったのはウナギ。
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最近、絶滅危惧種としてTVなどを賑わせているウナギ、Anguilla japonicaそのもの。
食材としての馴染み深さは、年々薄れてきているけれど、水族館ではまだまだ普通に見掛ける魚で、それがいたからと驚くことはない。
でも、番匠おさかな館に展示されていた個体は、とにかくデカい!!
1mは超えている長さも驚きだが、何よりその太さに驚かされた。500mlのペットボトルくらいはあっただろうか?
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この巨大さから察すると、恐らくはメス個体(ウナギはメスの方が大きくなる)だと思うのだが、こんな巨体なら卵も沢山産めそうだし、ウナギの未来のために海まで連れてって放流しては!? みたいなことを思ったり。

隣の水槽にはオオウナギも並べて展示されていたが、このウナギと変わらないくらいの長さの個体のため、その印象の薄さたるや…… 頑張れ、オオウナギ!!

お次はアカメ。
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日本に生息する唯一のラテスにして、オレの大好きな魚。
生息地として宮崎県が知られているが、大分の番匠川ではきわめて珍しいらしい。
この個体は番匠川で捕獲されたものだそうだが、餌となる小魚を追って入ってくるものが時々いるのだとか。
幼魚が確認されたことがないそうで、恐らく、番匠川には生息していないだろう、とスタッフの人が話してくれた。
そういう意味では幻の1匹、と言っていいのかも知れない。

番匠おさかな館は、その名の通り、番匠川の魚を展示した施設だが、オレ自身は、こんな豊かな自然や川がない環境で育ったので、日本の淡水魚に対する馴染みが薄い。
反面、熱帯魚店で買える魚には、小さい頃から見続けてきたこともあり、そうした日本の淡水魚より馴染み深く感じるものが少なくない。
番匠おさかな館では、外国産の魚も少し展示されていて、7年前にもそんな魚たちに感動させられたが、今回もやはり? 温室の魚たちにときめかされた。
7年前も思ったことだが、ここの魚、綺麗なのだ。水槽が綺麗なのはしっかり掃除されているからなのだろうけど、光り輝かんばかりの色、艶をした魚たちを見ていると、何が効いてるんだろう? みたいな秘密を探りたくなる。

温室の水槽は、水槽自体は変わっていなかったけれど、その中身は変更された水槽がいくつか。
7年前、タンガニイカシクリッドが展示されていた水槽は、マラウィシクリッドの水槽に生まれ変わっていた。
巨大というほど大きくない水槽で、こうしたシクリッドを群泳させると、いじめられたりする個体が出てくるものだが、何故かここの水槽ではそれがないようで、どれも綺麗な姿を見せてくれていた。
その中で気になったのが、プラキドクロミス・ミロモ。
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魚名板には出ていなかったけれど、水槽の真ん中で“オレが主役だ!!”と言わんばかりに陣取っていた。
この種以上に好きな種類も入っていたのだけど、その綺麗な姿を、よく見える位置でアピールされれば、イヤでも気になるというもの。
今なら絶対覚えられないような種名も、昔に覚えたものだからスルッと出てきた。
オレが中学生くらいの頃、“スーパーVC-10”という、訳の分からない名前で売られていた魚だが、その不思議な商品名と、当時のオレにはやけに高く見えた値段のこととか、一瞬、昔の記憶まで呼び起こしてくれるような再会? だった。

温室からもう1匹、ピラニアとパクーが混泳する水槽から、ピゴケントルス・カリバ。
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黒いスポットが特徴的なピラニアの1種。
7年前、この水槽ではアジアのコイ科魚類が泳いでいたような記憶があるが、ピラニアを中心とした中型カラシンの賑やかな混泳水槽になっていた。
ピラニアはナッテリー、ピラヤ、カリバの同属の3種類。
かつてはここにブラックピラニアを入れようとしたこともあるそうなのだけど、結果は推して知るべし。
水槽の魚が皆殺しになる前に、バックヤードへ移動になったとか。

ピラヤやカリバは1匹ずつしかおらず、ピラニアはナッテリーが主戦力。
しかし、そのナッテリーもまた、やけに綺麗なのだ。
ちょうど、餌の時間に遭遇したので、その綺麗の秘密を探るべく、話を聞きつつ、餌やりについて回ってみた。
ピラニア水槽は、ワカサギとオキアミ、そしてペレット。シクリッドはフレークフードをメインに、オキアミを少々、といった感じ。

特別なものはやってませんよ、というスタッフ氏の言葉通り、餌は考えていた以上に“普通”。
だとしたら、やはり綺麗の秘密は、地下水を使っているという水なのかも知れない。
真似できる部分ではないだけに残念だが、いかにも水がよさそうな場所だけに、何となく納得できてしまう推定結果。

とまぁ、7年ぶりに思い切り楽しんできた、という話でした。
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魅惑のメキシコカワガメ@日和佐ウミガメ博物館 カレッタ [その他]

昨年12月、約4年ぶりくらいに徳島の日和佐ウミガメ博物館に行った。

次から次へと未知の水族館が発見されるお陰で、徳島、それもかなり高知寄りの南の方まで行かなくてはならなくなったからだ。
仕方がないこととは言え、せっかく徳島の端の方まで行って、目的のマリンジャムだけ行って帰るというのも勿体ない気がしたので、久しぶりにウミガメ博物館に寄った訳だが、実は、ひそかに楽しみにしていたことがあった。

3年半前に行った時にはいなかったメキシコカワガメだ。
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オレが行く少し前に行った知人がTwitterに写真を上げていたことでそれがいることを知ったのだけど、オレが行った4年前にもウミガメ以外のカメはいたが、その時よりも種類数が増えていて、目的のメキシコカワガメもそのひとつ。
とは言え、ウミガメの博物館にカワガメを目的に行くというのもねぇ……(笑)

メキシコカワガメは淡水のカメとしては最大級の種類で、展示されていた個体も甲長で40~50㎝はありそうなそこそこサイズ。
館内の別の水槽にいるウミガメと比べれば、全然小さいんだけど、それでも淡水のカメとしてはかなりの巨体だ。
展示された個体は、その食性の影響なのか、飼われガメにありがちな、人の姿にキャッキャするみたいなこともなく、大型肉食獣の幼獣みたいな末広がりに太くなった長い前脚を踏ん張るようにしたままジッとしていた。
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細かいことは気にしないぜ!! と言わんばかりに、眼くらいしか動かさない様には、風格さえ感じさせるような……

カッコいい!!
こんなカメがウチにいたら…… みたいな感情が湧き上がってくる。
しかも、安くはないとは言え、手に入れることもできなくはない。
もちろん、家で飼うには巨大すぎるので、実際に飼うことはしないけれど、分別のなかった昔のオレならどうだったか!?

こういう時、決まって思うのが「これがもっと小さければ……」

この姿形のまま、最大20㎝程度なら、家でも飼えたかも知れない。
昔から、最大20㎝のピラルクーとか、30㎝のノコギリエイとか、50㎝のマンタとか、妄想は尽きないのだけど、同時に、もしかすると、大きいからこそ魅力的に見えるのかなぁ、とも思ったり。

昔から、オレが好きになるもの、興味の対象となるのは何故か大きなものばかり。
生き物に限った話ではなく、小さいもののグループに興味を持ったことがほとんどない。
大きいから好きなんじゃない。好きなものがたまたま大きかっただけ、と思っているのだけど、このメキシコカワガメのカッコよさも、やっぱり大きいから、なのかなぁ……
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それはともかく、この魅力的なカメを見るには、徳島まで行かなければ展示施設がないというのは厄介な問題だ。
簡単に行ける場所にいてくれたなら、自分で飼うまでもなく、会いに行けるというのに……

先にも書いたけれど、今の日和佐ウミガメ博物館には、このメキシコカワガメの他にも、4年前にはいなかった淡水のカメの展示が少し増えている。
これもオレの勝手なイメージかも知れないけれど、ウミガメに比べると、淡水のカメは家でも飼えるものもいることから、何となく親しみやすいような気がする。
カメが好きな人や、カメを飼っている(いた)人には、今まで以上に親しみを持って楽しめるようになったのではないのかなぁ、と、思ったのでありました。
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アルプスあづみの公園の気になる魚 [淡水魚]

アルプスあづみの公園はとても綺麗な水槽の水族館だった、という話は先週のブログでした通り。
とりわけ珍しいものがいた訳ではないのだけど、気になったものを。

まずはイワナ。
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ニッコウイワナとアメマスの2種類が展示されていた。
ニッコウイワナは水族館で展示されるイワナの定番亜種。
もともと、長野県では日本海にそそぐ河川に生息していたのがニッコウイワナだそうで、そういう意味では、地元の魚と言っていいのかも知れない。

しかし、アメマスである。
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何でアメマス?
ご存知の通り、アメマスはエゾイワナのことである。
北海道だけに生息している訳ではないようだが、長野にいるの? な魚。
と、違和感を憶えつつ眺めていたのだけど、どうやら安曇野周辺はこうしたマス類の養殖が盛んにおこなわれているエリアらしく、イワナはその主力商品のひとつのようだ。
信州サーモン同様、染色体操作がなされた品種も存在しているらしいのだけど、その割に、エントランス水槽にいた信州サーモンみたいなアピールはされていなかったけど……

そしてその信州サーモンだが、この水族館の看板と言ってもいい魚。
長野県で作出され、地元で盛んに養殖がなされており、長野県内で流通もしている、まさにこの水族館ならではの存在だ。
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その正体は、ニジマスとブラウントラウトを掛け合わせて作出されたもの。
何でも、ニジマスの肉質のよさを持ちながら、ニジマスが掛かりやすい病気に強く、成長が速く、しかも大きくなるという、いいことづくめな魚。
写真でしか見たことがないけれど、その身は鮮やかなオレンジに輝き、見た目にも綺麗でとても美味しそう。
食べればきっと“美味い!!”となるのだろうと思う。

でも、本来、属が異なるその2種間では、交雑種はできない。
しかも、片親のニジマスは染色体処理が施された4倍体。倍数体の生き物は繁殖能力を持たないという認識だが、その卵子に合わせるブラウントラウトの精子は、これまた雌を性転換させたものから産出したもので、産まれてくる個体はすべてメスになるというもの。
産まれた信州サーモンは繁殖能力を持たない(成熟しない)ため、どんどん成長し、しかも早いペースで大きくなる。
少々難しいのだけど、長野県の水産試験場が10年の歳月をかけて開発したというだけあって、ただただスゴイ!! そんなことできるの!! と驚きと感心させられるばかり。

詳しくは
https://www.pref.nagano.lg.jp/suisan/jisseki/salmon/dekirumade.html

こうした品種は、信州サーモン以外にも各地で作出されている。

しかし、水槽を泳ぐ信州サーモンを眺めながら、何だかちょっとした罪悪感みたいな、複雑な気分になってしまった。
同じ水槽を泳ぐニジマスやブラウントラウトよりもずっと大きく、しっかりとした体つきをしているけれど、それはより多くの肉を取るためのもの。
他の魚と同様、餌を食べ、糞をして成長をする。しかし、成熟することはない。
だからこそ大きくなるのだけど、繁殖能力のない魚だから婚姻色もないし、そもそもメスだから、メスをめぐるオス同士の争いみたいなものも無縁。当然、産卵場所をメス同士で争うこともない。

魚に限らず、生物の一生には、産まれ、育ち、子孫を残し、みたいなサイクルがあって、とりわけ、サケ科魚類にはその一生の集大成として繁殖行動があることが多い。
信州サーモンのベースとなっているニジマスやブラウントラウトは繁殖で生涯を終えるタイプではないけれど、それでも繁殖時には婚姻色を帯び、体型も繁殖時のものになる。そして様々な闘争行動も繰り広げられる。
その一連の行動の中には、まさに、命の煌めきとでも言うのか、とんでもなく魅力的な一瞬があったりするのに、この信州サーモンの一生にはそれがない。ただ餌を食べて大きくなるだけ。

サケ科魚類の姿形をしていて、ちゃんと生きているのに、生き物が持つ機能がない。
人が食べなければ、ただ大きくなって死ぬだけの存在。
オレの目の前を泳いでいるこの魚の形をしたものは一体何なんだろう?
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食べるために作られたものなのだから、生産性がいいことは重要だし、それが高いレベルで実現されていること、そして繁殖能力がないことから、万が一自然下に逸出しても増えてしまう恐れが無いなど、安全性も高い。
そういう技術的な部分は本当に凄いと思うのだけど、水槽を泳いでいるのが“生ける刺身”である現実は、何とも言えずもやもやした気分になる。

可哀そう、とかそういうことじゃない。魚に限らず、食肉処理される家畜なんて、どれも似たようなものだということは分かっているから。
でも、人がそこまでしてもいいのだろうか? みたいな思いは最後まで拭い去れなかった。

最初から刺身で産まれてきてくれれば、こんな風には思わなかったのだろうけれど……
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アルプスあづみの公園(長野) [水族館レポート]

昨年、夏休み時期が過ぎ去ってしばらく経った頃だっただろうか。
一緒にイベントをやった水族館ブロガー、かめきちかめぞうさんが長野の“アルプスあづみの公園”に行ったらしく、Twitterで実況がなされていた。

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アルプスあづみの公園は、同じく水族館ブロガー、めnちのイチオシ施設として、イベントの打ち合わせ時にも度々話題に上っていたし、中村元さんの水族館ガイドにも登場していた施設でもあった。

しかし、展示種類数の不足と、水族館と名乗っていないことを理由に、水族館として認定されなかったのだけど、かめきちさんから「ミニ水族館」という案内看板も出ていたと、証拠写真付きで現地からのリポートが。
その瞬間、アルプスあづみの公園は基準を満たした“水族館”のリストに加わるこにととなり、オレにとっては行かなきゃならない場所がひとつ増えたということ。

昨年の秋は暖かい日が多かったけれど、アルプスあづみの公園があるのは寒いイメージのある長野県。
しかも、“アルプス”なんて、いかにも寒そうな名詞が施設名にも付いていたりする。
早く行かなければ雪が降って行けなくなるかも… と、かめきちさんから遅れること1ヵ月ほど後、安曇野方面へと向かう特急あづさへと乗り込んだ。

目的のアルプスあづみの公園は2つに分かれていて、水族館施設があるのは堀金・穂高地区という、市街を背にして右側にある方だ(ものすごくざっくりとした説明だけど)。

目的の施設に入館すると、正面に大きな風景画が飾られている…… のではなく、これがこの施設最大の水槽。
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奥にそびえる山、森の緑、そしてキリっとした透明感のある水…… どんな精緻な風景画だってこの水槽には敵わないのでは、そう思えるほど、綺麗でいつまでも眺めていたくなるような水景だ。
水槽の背景にジオラマ的な自然景観を作って見せている水槽は他の施設にもある。でも、ここほどその規模が大きく、ダイナミックな水槽は他にはない。
だって、ここの水槽の背景にあるのは擬岩や植栽じゃなくて、山や森、なのだからね。

水槽の中を泳いでいるのは、長野県の水産試験場が開発した信州サーモンなる作出魚とニジマスなど。
長野が誇る信州サーモンがここならでは、だろうか。
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水槽周辺にはボランティア? 案内係? のオジサンがいて、“何これー!?”とか“何の魚? マス?”とか、水槽周辺で声を上げると、近寄ってきて解説してくれる。
お客が来る度、解説のオジサンが登場していたのに、オレにはまったく近寄ってきてくれなかった。
声をあげなかったから? まぁ、別に解説なくても困りはしなかったけれど……

綺麗なエントランスホールの水槽に満足して危うく帰りそうになったが、件のミニ水族館は通路を通った先にある“理科教室”にある。
理科教室の名前の通り、この建物は学校をイメージした作りになっているようで、他の教室でも様々な体験学習? ができるようになっているらしい。
理科教室入り口には“ミニ水族館”と書かれた立て看板が置かれていたが、入ってみるとなかなかの、と言うか想像以上に水族館だった。

エントランス水槽と同様、周辺の野山を借景にしたとてもきれいな水槽が並んでいる。
中を泳ぐのは、イワナやヤマメなど、こうした水槽でよく見掛ける面々で、珍しい何かがいたりする訳ではないのだけど、水槽そのものの綺麗さが素晴らしく、その前でじっくり眺めたくなるのはエントランス水槽と同じ。
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オレが行った時は、葉っぱが色付き始めるくらいの中途半端な時期だったけれど、夏場なら青々とした緑と涼し気な水色の対比、とか、紅葉と水色のコントラストとか、季節ごとに違った美しさが楽しめるのではないだろうか?
そんな季節ごとの変貌を楽しむにはちょっと遠いことが残念なところか。

背景までしっかり作りこまれた大きめな水槽以外にも、小さな展示水槽と、金魚が展示された置き水槽がいくつか。
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季節によっては、公園内で見られる昆虫なども展示されているらしく、オレが行った10月末は、まだぎりぎり、そんな昆虫の展示が行われていた。
水の中の生き物に昆虫。まさに生き物好きの少年少女の心をガッチリ掴むラインナップだ。

海のない長野県は水族館の空白エリアだったはずだが、展示は長野らしさを感じられるし、何より水槽がとても綺麗。
基準こそ満たしていても、中には際どいレベルの施設もある。
そういう次元でないことだけは確か。
わざわざ行っても損はないと思う。
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3度目の正直!? コウテイペンギンの雛@アドベンチャーワールド [その他]

昨年10月、アドベンチャーワールドでコウテイペンギンの雛が産まれた。12羽めだそうだ。
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コウテイペンギンは個人的にもっとも好きなペンギン…… ではないけれど、その雛の可愛さといったら、あらゆるペンギン雛の中でも随一!! と断言したい。
しかし、その可愛い姿を見るのはなかなか簡単じゃない。
繁殖に成功しているのはアドベンチャーワールドのみで、その繁殖だって他の種類のペンギンのように頻繁にある訳じゃないからだ。
そもそも日本ではコウテイペンギンはたった2ヵ所でしか見られないしね。

とは言っても、その最強の可愛さは、是非とも実際に見てみたい。
という訳で、これまで3度、チャレンジしてきた。

初めては2013年4月。
この時はアドベンチャーワールドに行くこと自体が初めてだったので、コウテイペンギンの雛が目的だった訳ではないんだけど、ひとまずこの時が最初。
ペンギン館に行ってみると、見たことない変わったペンギンが。
ずいぶん大きいけど、オウサマじゃない… もしかして、コウテイの若鳥か!?
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換羽すれば大人と同じ色に変化する直前の状態だった。

その次は2016年1月末。
この時がコウテイペンギンの雛を目的に出掛けた最初。
親と同じスペースに雛はいたが…… 育ち過ぎていて、オレが求めていた可愛い姿とはちょっと違っていた。
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この時は生後4ヵ月ほど経っていたので、育ち過ぎているかも…!? とは思っていたのだけど、予想通りの結果となり再チャレンジが必要となってしまった。
次こそ!! と意気込んでいたら、案外すぐにその“次”がやってきてしまい、その時は行くことができなかったのだけど、2018年10月。再び雛が産まれた。
今度こそ!! 雛が親元に戻される頃合いを見計らって、アドベンチャーワールドへ。

南紀白浜空港に降り立ち、アドベンチャーワールドに向かうバスへ。
平日にも関わらず、バスはほぼ満員。そういえば、白浜行きの飛行機も満席で、子供がやけに多かったような……

その理由はアドベンチャーワールドに着いてすぐに分かった。
パンダの仔の公開が始まっていたからだ。
流石のパンダ効果!! 仔パンダは上野で見るより、白浜で見た方がずっといいとは思っているけれど、流石の集客力には驚くばかり。
オープン前、ゲート前にできあがっていた行列は、一斉にパンダ館の方へと流れていく。
そうだそうだ!! みんなパンダを見に行くんだ!! コウテイの雛という明確な目的がある以上、ライバルは少ない方がいい。
仔パンダの存在に感謝しつつ、行列をひとり離脱。ペンギンのいる海獣館の方へと向かった。

オープン直後にまっすぐ向かったからか、ライバルは不在。ペンギン前にはオレひとり。
しかし、目的の雛は、親鳥の腹下にすっぽり収まり、見えるのは足先と嘴の先だけ。
とりあえずカメラだけ構え、雛が顔を出してくれるのを待つ。
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雛を足の上に乗せ、下腹部の羽毛で雛を覆い、ポケットに入れているかのような状態のまま微動だにしない。
もっとも過酷な子育てをする生き物と言われているコウテイペンギンのオス親からすれば、動かないことくらい屁でもないのだろう。
強風吹き荒ぶ-60℃の南極に比べれば、低温の展示室も温室みたいなものなのだろうし、絶食を強いられる育雛中も、ここでなら餌も食べられる。
自然下での子育てと比べれば、とてつもなく安楽な環境なのだろうとは思うが、それにしても思った以上に動かない。
そのままそこで2時間ほど待ってみたが、進展はなし。感心はするけれど、待っているこちらとしては置物みたいなペンギンを見続けるのも少々しんどい。
オレの方が根負けして、その場を離れてしまった。
だって、ペンギン以外にも見たいものが沢山あるアドベンチャーワールドだし……
結局、イルカショーを見たり、サファリゾーンを見たり、そのお陰で気分もリフレッシュ。
再び、戦いの場(ペンギン前)へ。

いた!! 
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でも、小さい……
オレが行ったのは11月2日。孵化して1ヵ月ほどが経過していたが、1ヵ月しか経っていない訳で、オレが想像していた雛の姿よりもずっと小さかった。
というか、小さ過ぎた(汗)
焦ったが故に、ちょっと早すぎたようだ。

これだけ小さな雛だけに親鳥のガードは固く、なかなか雛を見せてくれない。

案内パネルを見てやってくるライバルたちも、すぐに諦めてその場を立ち去ってしまう。
ライバルが少ないことはオレには悪いことではないけれど、見えないのはオレも同じ。
オレ以外に、オジサンとオバサンがひとりずつ、2人のライバルと、それこそ開園から閉園まで、そのほとんどの時間をペンギン前で待ち続けた。

正直、結構辛かった……

という訳で、次はもう少し大きくなって、少なくとも親の腹下に入り込めないくらいのサイズになった頃に、出掛けたいと思います!!
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アクアテラス錦ケ丘(宮城) [水族館レポート]

初めて行く水族館を思い切り楽しむためのコツは、期待値を思い切り下げておくこと。

これは水族館に限ったことではないけれど……

仙台の2つめの水族館、アクアテラス錦ケ丘に行って、あらためてそう実感した(笑)


宮城、あるいは仙台の水族館と言えば、2015年にオープンした仙台うみの杜水族館だと思うのだけど、そのオープンの約2週間後、真向からケンカを売るが如く、仙台市内にもうひとつ、新しい水族館、アクアテラス錦ケ丘がオープンした。

オープン以降、ネットに上がった画像などを見た限り、アクアテラスはアートアクアリウムみたいな展示が中心?
マリンピア松島水族館の後を継いだような王道水族館とも言うべきうみの杜水族館とはずいぶん雰囲気が違いそうな感じ。
オープン時期だけでなく、展示内容も挑戦的、そんな印象を受けた。

新しい水族館だから、当然、気にはなる。
しかし、足を運ぶことはなかった。正直に告白しよう。行きたくなかったからだ。
アートアクアリウム系の水槽が好きでないオレには、行く気が起きない施設に思えたから。
しかしながら、アクアテラス錦ケ丘も水族館としての基準を満たしている。つまり、オレにとっては“行かなきゃいけない場所”。

気は向かないけれど仕方がない…… 
オープンから3年以上が経過した2018年10月、水族館のある錦ケ丘ヒルサイドモール行きのバスに乗った。

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仙台の中心街から30分弱。郊外のショッピングモール、ヒルサイドモールに着いた。
午前中の早い時間だったからか、ショッピングモールも開いている店も少なく、ひっそり。
案内看板を頼りに、水族館のある2Fへ。
その入り口もちょっと分かりにくく、大丈夫か、ここ!? と、若干の不安感。

入館料を支払い、入館すると、ガラ(ドクターフィッシュ)が泳ぐ大きなタッチプールに出迎えられた。
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プールの中央付近は水草や観葉植物が生い茂り、プールに対してサイズの小さなガラが人影に逃げ去る様子が、何だか自然の小川を覗き込んでるようで、悪くないじゃない!! と(笑)

その先の自動ドアを抜けたところが、本格的な水族館フロア。
目の前にこの水族館最大の水槽がそびえ、ピラルクーなどの大型魚が泳いでいる。
中を泳ぐ個体はどれも、あまり大きくはないものの、魚の数やサイズに対して水槽の広さに余裕があり、水槽の照明が暗いことを除けばこれまた悪くない。
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さらに進むと、魚の水槽と爬虫類のケージが並んでいたが、アートアクアリウム的な路線は止めたの? と思うくらい、どれもいい意味で“普通”。
しかも、水槽も爬虫類ケージもしっかりメンテナンスが行き届いていて綺麗。
当然、中の生き物もそれに見合うような状態。
きちんと飼えば、結果は付いてくる。まさにそんな印象で、先入観によるイメージが最悪だったせいか、この辺りでオレのイメージは暴風が晴天に変わるくらいの感じですっかり好転。“いいじゃん、ここ!!”と、なっていた(笑)
平日の午前中ということもあったのだろう。オレ以外のお客は少なく、お陰でじっくり展示を眺め、写真が撮れたこともプラスの印象として働いた。

順路をさらに進むと、館内の雰囲気は一変。
アートアクアリム系の水槽が並んだ真っ暗なフロアへと変わった。
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ネットで見たやつはこれか!! と思いつつ、それらの水槽を見ていくと、これまたしっかりメンテナンスが行き届いていて、中の魚の状態も悪くない。
変な色の照明で照らされた水槽の魚も、状態は悪くなく、やはりちゃんと飼われている。
中の魚の状態がいいのなら、アートアクアリウム系水槽だろうが言うことはない。
好きではないけど、それは好みの問題であってどうでもいいことだからだ。
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ひと通り見終えた後、思った以上に楽しんでいる自分に気が付いた。
考えていた以上に、ずっといい(普通の)水族館だったからだ。
行く前に抱いていたイメージが最悪だったから、それが余計にプラスに作用した面もあると思うけれど……

“いいもの見た~!!”という満足感とともに帰路に就いたものの、冷静になった今、あらためて振り返ってみると、そんなに素晴らしい水族館だったかなぁ? みたいな気もする。
驚くような珍しいものがいた訳でもないし。

でも、水槽も爬虫類ケージも手入れが行き届いていてとても綺麗で、生き物もちゃんと飼われているのは間違いない。
入館料が必要な施設としての基本的なことだけど、こうした観賞魚店で手に入るような魚を展示した施設では、それすらもできていないところもあったから、そういう意味でのガッカリ感を味わされる心配はない。

頻繁に行きたくなるような施設ではないかも知れないけれど、悪くはないです!!
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鬼、来たる!! @沖縄美ら海水族館 [エイ]

オレの長年の憧れにして、夢の魚のひとつでもあったオニイトマキエイ。
沖縄美ら海水族館で昨年11月16日より展示が開始され、夢がまたひとつ、叶ってしまった。
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昔から、何となく俗っぽい感じがするように感じていた“マンタ”という呼び名が好きじゃなかった。
反面、和名の“オニイトマキエイ”はカッコよく感じていて、好んで使っていた。

しかし9年前、マンタが実は2種類で、美ら海水族館やアクアパーク品川にいるものはManta alfrediという種類であることが発表され、新しい和名として“ナンヨウマンタ”が提唱された。
その時点で、知っていると、見たことがあると思っていたオニイトマキエイは未知の魚となり、好きこのんで使っていたオニイトマキエイという呼び名も使えなくなってしまった。
余談だが、そのMantaの属名もMobla属に統合され、今やその属名を持つエイはいなくなってしまったのだけど……

どんな魚なんだろう!?
オレの知ってるマンタ(ナンヨウ)とは何がどう違うんだろう?
できることなら、生きた姿を見てみたい……

好きな(興味のある)魚だけに思いは募る。
しかしそれが、外洋の、それも海外の住人である、という情報を目にして、“オニ”への思いは、次第に心の片隅で小さなものへと萎んでいった。

しかし、2014年、心の片隅にしまい込まれた、未知の魚への思いが再燃し始めた。

美ら海水族館の大水槽前で、マンタをワッチしていた飼育スタッフ氏にいろいろ聞かせてもらっていた時のことだ。
「オニイトマキエイをやってみたいんですよね」というひと言がきっかけだった。
そのスタッフ氏は実物も見たことがあって、搬入を前提とした移動にチャレンジしたとも話してくれた。
そんな話を聞いて、のけぞるくらいに驚いたと同時に、これは見られるかも知れない…
“夢”が“希望”へ、ほんの少しだけ現実味を帯びたような気がした。

その翌年の末、オレを心をざわつかせるようなニュースが飛び込んできた。
全身真っ黒のマンタが搬入されたのだ。
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今も展示が続けられているブラックマンタだが、オニイトマキエイは腹面の模様に特徴的なパターンがあるが、腹面全部が黒い個体なら、もしかすると“オニ”の可能性があるかも知れないと思ったからだ。
しかし、結果はご存知の通り、ナンヨウの黒い個体。
夢なんてそんな簡単に叶うものじゃないとは思いつつも、その直後にホオジロザメの生体を目にする機会を得て、これはオニも見られる日が来るかも知れない……

ブラックマンタの搬入から2年半後、そんな思いは、さらに確信へと近づいた。
美ら海水族館の生け簀にオニイトマキエイがいるらしい、という噂を耳にしたのだ。
それが本当なら、とうとう夢が叶う。あとはそれが無事に水族館の水槽に移送されることを願うのみ。
いつ移送がなされるのかも分からないまま、夢が叶う日を待ちわびる日々。
そして11月27日、ついに発表された。オニイトマキエイが水槽に搬入された、と。
それはもう行くしかないだろう。オレは沖縄へと飛んだ。

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水槽を泳ぐオニイトマキエイ。死ぬまでに叶えたい夢のひとつがクリアされた瞬間だった。

色、姿形、そしてサイズ感。そのすべてが、元から大水槽にいたナンヨウマンタに思った以上に似ていたが、それでもひと目でそれが夢の魚であることは分かった。
背中側の白い模様がナンヨウよりも大きく、くっきり際立っていて、その白さで“あれがオニだ!!”と瞬時に気づくことができた。
写真などで見て感じていた頭鰭の長さも、やっぱり長い気がする!!
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水槽に搬入されたオニイトマキエイは4.6m。
大水槽にいたナンヨウマンタの最大個体は3.6mなので、1m大きく、水槽最大。
しかし、あんまりその大きさを意識させられなかったのは、オニイトマキエイのヒレの形にあったのだろうと思う。

先に行くにしたがって細長く伸びたような形状で、航空機風に言うなら、主翼のアスペクト比はナンヨウマンタよりも大きい。緩やかに先細るヒレは、ボーイング787の主翼のよう。
もしかすると、同じ大きさのナンヨウマンタと同じ速度で泳いだ場合、オニイトマキエイの方がカロリー消費量(≒餌の量)が少なくて済む、なんてことがあるのかも!?
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その長い主翼を広げて、水中を滑空するのかと思いきや、柔らかく波打たせるような羽ばたきで、そこに擬音を当てるなら“ふわん”とか“ひらり”みたいな感じ。
ナンヨウマンタの羽ばたきの方がよっぽど力強さを感じさせる。
どうやら、その“ふわんふわん”した主翼の動きが血液循環にも影響しているらしく、そのことがオニイトマキエイの移動の難しさにもつながっているのではないか、と聞いた。
そこまでやるの? みたいな輸送作戦は、TVでも全国放送されたから、見たという人もいるかも知れないが、その輸送はナンヨウマンタとは比較にならないくらい困難なのだそうだ。

ずっと眺めていると、よく似た両者の様々な違いに気付かされる。
ここまで似ていることも、実物を見比べられたからこそ分かったことのひとつだけれど。
そうしたディティールのひとつひとつが、夢が叶ったんだ、という実感を高めてくれる。長いヒレがふわりと羽ばたく度に、喜びがじわじわと溢れ出てくるようで、あらためて水族館ってありがたいなぁ、と思わされた。
何しろ、沖縄周辺では稀少種なことに加えて、きわめて困難な輸送を乗り越えたなど、いくつものラッキーが重なったからこそ叶った夢だからね。

動画


長年の夢が叶ったのは、奇しくもクリスマスの直前。
行ったタイミングがたまたまそこだっただけの話ではあるんだけど、オレにとっては、間違いなく最高のクリスマスプレゼントだった。
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小笠原の天然? 水族館 [サメ]

自然豊かで、透明度が高く、サンゴに色鮮やかな魚が沢山いて…… 
そんな海のことを、TVや旅行ガイドなどでは“天然の水族館”なんて紹介しているのを見掛ける。
ステレオタイプと言うのか、もうちょっといい言い方ないの? と思っていたのだけど、小笠原には“天然の水族館”と呼びたくなるような場所があった。

そこは大村の街からもほど近い桟橋で、水産センターの裏手あたりにある“とびうお桟橋”。
イルカウォッチングやダイビングなどの船や、漁船などが係留されている小さな港。
周辺の景色や、水が綺麗なことを除けば、一見、どこにでもありそうな港だ。
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小笠原に行く前、いろいろ調べていた中で、とびうお桟橋でシロワニが見られることがあるというのを見掛けた。
それを知って、そこに行くことが水産センターに次ぐ重要な? 目的となったものの、相手は自然の魚である。運が良ければ見られるのかも? くらいのつもりで期待はしてなかった。

いざその場に行ってみると、海を覗き込んでる人たちが何名か。
オレも海を覗き込んでみると……

いた!!
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まさかこんな場所に、まるで飼われた魚みたいに、ワイルドのシロワニがいるとは思わなかったので、本当に驚いた。
ここまであっさり見られるとは思わなかったので、サメの姿を見つけてから慌ててカメラの準備をしたくらいだ。

シロワニの他にも、ロクセンスズメダイやテンジクイサキ(ミナミイスズミ?)、ボラが集まっていた。
そんなところに、海面を眺めていた観光客がご飯粒とかパンを投げ始めた。

世界遺産の島で、野生の魚に餌付けなんかするなよ!! と、苦々しく思ったのだけど、どうやら、宿泊施設などで餌やりができると案内? しているらしい。
9時(21時)が近くなってきた頃、お客を引き連れて地元のガイド? 宿の人? が入れ代わり立ち代わりやってきては解説を始め、そういう人もご飯粒やパンを投げ入れる。
思っていた以上に“観光地”となっているようだ。

次々にパンやお菓子、ご飯粒などが撒かれるため、魚の数は増えていく。
しばらくすると、マダラエイが何匹か現れ、ネムリブカも登場。
餌付けされた小魚が多く集まることで、サメやエイもそれを狙って集まってくるのだろう、そう思った。
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でも、真相は違った。

魚たちはサメの口元も平気で横切るし、ネムリブカもシロワニの口元をまるで気にしない。

その理由は、サメやエイたちの餌も用意されていたから。
何と、バケツにいっぱいの魚のアラを持ってきている人がいて、それが撒かれ始めた。
するとサメやエイたちは盛んに索餌行動を見せ始め、豪快なフィーディングタイムが始まってしまった。
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魚のアラを持ってきた人も、その様子を見ていた人に解説を行っていたから、観光に関わる仕事をしている人なのかも知れない。
アラが与えられるのは、それがある時だけで、毎日ではないとのこと。
オレが行ったのは、ちょうどその給餌日? だったようで、魚の集まりがやけによかったのもそのせいらしかった。
翌日にもシロワニを探しに行ってみたが、魚の数はずっと少なく、シロワニやマダラエイの姿は見掛けたものの、オグロオトメエイやネムリブカは現れなかった。

その場に比較的長い時間いたので、次々にやってくるガイド? たちの解説が聞こえてくる。
ただ、その内容は、間違いとまでは言えないものの、正確でもないことが多く、惜しい!!
あれがもし有料なのだとしたら、オレには不満に思う内容だが、説明を聞いてる人たちは“ふーん”みたいな感じだったので、それでもいい… んだろうなぁ。
いろいろ聞こえてきた中では、アラを撒いてた人の解説だけが参考になった。
餌を与えているだけあってか、個体数の把握、識別などもできていそうな感じで。

サメやエイを始め、魚が多く集まるのは夜。
しかし、海に向かってオレンジ色の街灯が灯り、水中もしっかり見える。
そういう意味でも、信じられないくらいに観察しやすく、水族館みたいに感じる部分でもある。しかも、水に入ることもなく見学できるし。
でも、そこにいる魚はすべてワイルド。
小笠原、スゲェ!! そうとしか言いようがないよね、まったく。

シロワニは3~4匹いるようで、水温が下がる時期になると集まってくるらしく、夏場はこの場所では滅多に見られないとのこと。
見られるのは夜がメインだが、昼間もその周辺にいるようで、見える位置を泳いでくれることは少なかったが、それでも時々、その姿を見せてくれてた。

とびうお桟橋には2晩、昼間も3回ほど覗きに行ったが、見られた魚は、

シロワニ、ネムリブカ、マダラエイ、オグロオトメエイ
ネズミフグ、テンジクイサキ(ミナミイスズミ?)、ロクセンスズメダイ、アカヒメジ、ボラ、ダツ(種類不明)
リュウキュウヤライイシモチ、スミツキアトヒキテンジクダイと思しき群れ
昼間にはトゲチョウチョウウオ、セグロチョウチョウウオなども見られた。
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シロワニは個人的に、小笠原を象徴する魚のひとつ。
水産センターでは飼われていないが、それが見られたのは本当によかった。
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